少女は卒業しない

著者 :
  • 集英社
3.76
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087714425

感想・レビュー・書評

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  • 廃校になる高校を卒業する3年生をそれぞれ主人公にした短編集。校舎内の空気が感じる子の特性やシーンに合わせて綺麗な言葉に落とされていて、作者が男性なのが不思議なくらい…。水の中のキラキラした日常の断片を、濁らせずにすくいあげたみたいな物語。

  • わりかし好きだな、この本。朝井リョウの本は今読んだことある本から判断すると好きな系統だと思われる。

  • 送辞のを読み上げたとき、あまりによくて 目に力を込めるのが大変だった 女子高生たちの卒業時の恋愛に纏わる話 でも、全然切ない感じじゃなくて 確かに前に、開け切った道があるように思えてならない そんな気持ちにされた あっぱれ!

  • 今日、わたしはさよならする。
    図書室の先生と。
    退学してしまった幼馴染と。
    生徒会の先輩と。
    部内公認で付き合ってるアイツと。
    放課後の音楽室と。ただひとり心許せる友達と。
    そして、ずっと抱えてきたこの想いと―。
    廃校が決まった地方の高校、最後の卒業式。
    少女たちが迎える、7つの別れと旅立ちの物語。
    恋愛、友情、将来の夢、後悔、成長、希望―。
    青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。

  • 高校生の瑞々しさ、目を背けたくなるほどに
    青い。

    卒業式ってただでさえ、込み上げるものが多いのに、卒業式の翌日に学校が廃校になって取り壊される。

    この事実の衝撃といったら、半端ではないと思う。


    3年間の思い出がつまった校舎。
    卒業しても、そこに存在しているだけで
    郷愁に駆られたりするけど…


    それ自体がなくなったら、本当に思い出のなかだけにしか、存在しなくなる。


    なんだかその状況が、より切なかったです。


    卒業というイベントで、一歩を踏み出す様子が描かれた連作短編。


    特に切なく胸に響いたのは

    『寺田の足の甲はキャベツ』と
    『夜明けの中心』
    でした。

  • 2014.1125

    p34
    図書館では、静かにしていなければいけないから、小声で話す。つまり、特別な理由もなく、先生と寄り添うくらいに近づいて話すことができる場所だった。

    p49
    私はそんなことできない。いつも小さなことを気にして、目を凝らして、避けるべき障害物を探している。

    p73
    何が幸せで、誰が正しいかなんてわからない。

    図書館のこしょこしょ話。一冊のノートに顔を寄せ合って教えてもらう勉強。
    全部、全部が甘酸っぱい。

    エンドロールが始まる
    在校生代表
    がよかった。

  • 「屋上は青」「ふたりの背景」がよかった。
    みんなが感傷的になっている中で
    この2つは心を添わせることができた。

    朝井さんの描く女子は好きだけど
    あまりに甘ったるいとどうも苦手。
    ヒロインに浸りきる女の子たちに、
    1歩離れたところで眺めてしまうところもあった。

  • 映画化された作品『桐島、部活辞めるってよ』で有名になった朝井リョウ氏の作品『少女は卒業しない』を読了。
    これも映像が浮かんでくる作品でした。様々な少年少女を合併による廃校を迎える高校の卒業生達を短編の形で描き、その何編かの作品で高校生の瑞々しい姿を描き出している。
    これもいい作品でした。

  • 今年度の卒業式をもって、廃校が決定している高校の生徒たちのさまざまな別れを描いた短編集。
    図書室の先生に憧れる女生徒。遠くに行ってしまう幼馴染み。進路が別れてしまうカップル。卒業ライブのトリをつとめるビジュアル系バンド。そして在校生から卒業してしまう先輩へ。
    さまざまなひとりとふたり、或いは三人の別れ。

    切なくてキラキラしてる高校生たち。まぶしすぎる……。特に在校生の告白は別マっぽくていい。軽くて読みやすく、きゅーんとくる。それだけなんだけど、それだけでおなかいっぱい。

  • なんだこの感動は。なんだこの切なさは。
    卒業式と同時に取り壊されしまう高校と、そこから巣立つ7つの物語。
    どの話もほんとうに素敵で。青春なんてキレイなものだけじゃなくて。甘いだけじゃなくて、苦くて、しょっぱくて。
    高校生の日常からは笑いもある。輝きもある。
    卒業からは悲しさもある。切なさもある。
    少しよかったものをピックアップ


    在校生代表:送辞という形で描かれているのに、とても自然で。風景がキレイに浮かんできて。話し言葉だからできる面白さもあって。主人公の女の子がおくる一途な想いが切なかった。

    寺田の足の甲はキャベツ:やっぱり別れはつらい。でも、つらいって言うんじゃない。精一杯な気持ちがとてもよかった。最後1文に泣かされそうになった。「だけど、こっち向かないでいいよ、寺田」

    夜明けの中心:リレーの様に区切れて過去と現在を交錯させる。やっぱりか、と思う仕掛けに、それでもソワソワさせられる。先のある別れとそうでない別れ。みんながそれぞれ受け止めて、朝が来るように前に進んでいくしかない。悲しいし、切ないのに、ステキな話でした。

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著者プロフィール

1989年岐阜県生まれ。2009年『桐島、部活やめるってよ』で、「小説すばる新人賞」を受賞し、デビュー。11年『チア男子!!』で、高校生が選ぶ「天竜文学賞」を受賞。13年『何者』で「直木賞」、14年『世界地図の下書き』で「坪田譲治文学賞」を受賞する。その他著書に、『どうしても生きてる』『死にがいを求めて生きているの』『スター』『正欲』等がある。

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