鼻に挟み撃ち 他三編

  • 集英社
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本棚登録 : 119
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087715552

作品紹介・あらすじ

御茶ノ水駅で、マスク男が奇妙な演説を始める。それをじっと聴いているひとりの男。ふたりにはそれぞれ理由があった。第150回芥川賞候補作となった表題作と、斜め上を行く不思議な3つの短編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 著者のいとうせいこうさんの頭の中はどうなっているのだろうかと常に思わせられる作品群だった。ザ・文学な感じの作品ばかりで、これこそが純文学だと思わせられる作品だった。ただ、好き嫌いがはっきりと分かれそうな作品だと思った。『フラッシュ』はあまりにも展開が他の作品とは違いすぎてついていけなかった。もっとゆっくり読めば、少しはこの作品のエッセンスを感じ取れたのだろうか。
    表題作含め、完全には理解できたとは思えなかったが、『想像ラジオ』も読んでみようと思う。また、『鼻に挟み撃ち』の中で出てきたゴーゴリの『鼻』や『外套』という作品が気になったので近々読もうと思う。ゴーゴリの作品を読むきっかけになったので、本書を読めてよかった。

  • 表題作の『鼻に挟み撃ち 』
    カーキ色のコットンパンツ、白いボタンダウンシャツ、黒いカーディガン、紫色の薄いダウン、を着た「わたし」はその服装からしてせいこうさんそのものだな、と思っていたけれど、途中のパニック障害だった告白によってそれは確信をもって示されていく。私小説とも言える現実とリンクした世界、またはエッセイ的なリアリティの中、ゴーゴリの『鼻』『外套』や後藤明生の『挟み撃ち』が絡まりあって、いつの間にか虚構の新御茶ノ水駅前に立たされてる。
    どこまでが本当? どこからが虚構?

    戦争法案が可決し、憲法も改正されるような空気、遠くでテロが起こり、報復と称した大量殺戮が許容され、でもまだ本当には日本で戦争は起こらないだろう、と何となく目を逸らして目の前の平和だけを見ようとする雰囲気。そっか、私たちの鼻も失われてるのかもしれない。国会で起きてること、世界で起きてることはテレビや新聞の向こうにあるお話。どこまでが虚構か分からない。

  • ★零個
    どうすればこんだけ面白くない本が書けるんだ!と思うほど面白く無い本です。
    途中でもう読みたくない!と激しく思ったので、そうしました(・・;)。
    なので感想を書く資格は無いかも知れませんが、どうかくれぐれも皆様もお気をつけ下さいませ、という思いだけでこれ書いています。
    すまぬm(__)m

  • 文学

  • 2018/7/24購入
    2018/7/28読了

  • 御茶ノ水で奇妙な演説をするマスク男と、それを隠れて聴く男。彼らにはそうしなければならない理由があった…。いとうせいこうにしか書けない、可笑しくて哀しい、人生4つ分のふしぎ。

    作者はときどきTVで見かけるものの、あまり私の印象には残っていない。表題作は、読む人が読めばかなりゲイジュツ性が高いのだろとは思うけれど、どうも私の好みとは合わなかった。
    (C)

  • 読了

  • 読み終わった、と言っても、表題作のみの読了。でも他作品は読むつもりがないので文字通り読了。面白く読んだのだけれども、この、ちょっと鼻白む感じはなんだろう。

  • いとうせいこうさんが好きだ。
    パフォーマンスが好きだ。
    https://www.youtube.com/watch?v=gK9QZbzR3XE (音がでます)
    考え方が好きだ。
    http://www.thefuturetimes.jp/archive/no04/ito/
    詞が好きだ。
    https://www.youtube.com/watch?v=folGLMekk9Q (音がでます)

    こんなにいとうせいこうさんのことが好きで、尊敬すらしている。だけど、この本はよく理解できなかった。
    『鼻に挟み撃ち』の語り手はいとうせいこうさん自身ということなのか、フィクションのなかのいとうさんなのか。何が言いたいのか。やべーよ全然わからねえよ!という感じだった。無念。

  • 前衛的過ぎてわたしには楽しみきれませんでした。せいこうさんの頭の中どうなっているのだろう…。表題作に触発されて、ゴーゴリの『外套』は読んでみたくなりました。こういう連鎖はとてもありがたい。

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著者プロフィール

1961年生まれ。編集者を経て、作家、クリエイターとして、活字・映像・音楽・テレビ・舞台など、様々な分野で活躍。1988年、小説『ノーライフキング』(河出文庫)で作家デビュー。『ボタニカル・ライフ―植物生活―』(新潮文庫)で第15回講談社エッセイ賞受賞。『想像ラジオ』(河出文庫)で第35回野間文芸新人賞を受賞。近著に『「国境なき医師団」になろう!』(講談社現代新書)など。

「2020年 『ど忘れ書道』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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