九十九藤

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 324
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087716474

作品紹介・あらすじ

江戸の人材派遣業、口入屋(くちいれや)の女主人お藤。祖母仕込みの人を見る目と持ち前の胆力で、女ながらに傾きかけた店を繁盛させていくが……。商い、恋、過去の傷。その波乱万丈の半生を描き出す長編時代小説。

感想・レビュー・書評

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  • お店と派遣する人材との仲をとり持つ口入屋の立て直しに主人公のお藤が挑むお話。

    筋の通ったお藤の言動にしびれたり、さまざまな立場の人と人との間で生まれる情に心が温かくなったり、読み応えがあった。

    ☆4.2

  • ありきたりな感想だけど、それなりの形で幸せになってよかった。
    いろんな制約、目に見えない縛り、押さえつけられてる鬱屈みたいなものがみんな剥き出しで、どうなることかとハラハラした。

  • #九十九折り重なる絡む時を越え商いは人生きていく証

  • とても良かった

  • 2022年5月7日
    つづらふじ
    自分のギフトを生かして
    口入やを営む。
    人にも恵まれていく。
    妬み嫉みで窮地に陥るも、
    逆手にとって1日普請。
    心意気、人に助けられる。
    真っ当に、人の幸せを願うこの生き方に胸がすく。

  • 四日市で旅籠を営んでいた「小津屋」の一人娘・お藤は、父親亡き後、継母から、14の時に、身売りされ、這這の体で逃げ出した。
    女衒から追われていた時に、一人の侍に助けられた。
    その二人が、江戸で再開した時は、お藤は、口入屋の差配。侍は、仲間を取り締まる「黒羽の百蔵」と、人から恐れられる男になっていた。

    上手くいっていない口入屋を、立て直すため、武家奉公を専らとしていた商いを、商家への派遣に切り替えようとするが、多くの困難に見舞われる。

    面白く、一気読み作品。

  • なんとも小気味のいいテンポで物語がはじまった。藤がはじめた、今で言う派遣業を思わせる口入屋のシステムが面白い。お品というスパイシーなキャラがちょいちょい物語を引き締めるのがまたいい。
    ページをめくる手が止まらず一気読み。
    そうじゃなきゃ!と思える落としどころも納得。
    都合良すぎというむきも確かに、なのだが
    そこにくるまでの一つひとつのエピソードから「なるほど」の感動が積み重なって麻痺してるので、都合良すぎなどと言うささいなことなんて気にならない。おもしろかった!

  • 江戸の口入屋の女主人お藤の物語。

  • 商いを通して人の生き方を考えさせられる本だった。
    慣れない言葉が多いので、辞書引きながら。
    読むのに時間かかるだろうなぁと思ったけど、テンポがよくあっという間に読み切れた。
    仕事が行き詰まった時に読みたい本。

    ▼人にとって楽より大事なのは、気持ちの張りです。
    ▼日々の小さな不満こそ溜め込むととんでもない大きさになって返ってくる。小出しにさせることが肝心で聞く耳が多いほど薬効があがる。
    ▼考えるのをやめてごらんな。

    勉強になります。
    登場人物がみんな気風がよくてかっこいい。
    昔の人のこういう心意気が大好きです。

  • 「心淋し川」でも書いたけど、この人の文章は読みやすく、話の運びが上手なので頁をめくる手が止まらない。
    これは恋愛小説なのかなぁ。オタク第一世代と自負している身としては簡単に色んな場面が脳内変換できるのだけど、ほんとにこういうのでいいんだよ。
    陰惨な描写や倦んだ心情を延々綴られる小説は、もう私には適しない。
    穏やかなエンディングにほっと一息つける安心が嬉しい。

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著者プロフィール

1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビュー。12年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、15年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞、21年『心淋し川』で第164回直木賞を受賞。著書に『九十九藤』『ごんたくれ』『猫の傀儡』『銀杏手ならい』『無暁の鈴』『曲亭の家』『秋葉原先留交番ゆうれい付き』『隠居すごろく』など多数。

「2023年 『隠居おてだま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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