- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087717044
作品紹介・あらすじ
惑わされるな。天地をひっくり返そうぜ。
伊坂幸太郎、作家生活20年目の真っ向勝負!
【著者略歴】
伊坂幸太郎(いさか・こうたろう)
1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞(短編部門)、08年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞・第21回山本周五郎賞を受賞。他の著書に『重力ピエロ』『終末のフール』『残り全部バケーション』『AX』『ホワイトラビット』『クジラアタマの王様』、阿部和重氏との合作『キャプテンサンダーボルト』などがある。
感想・レビュー・書評
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最近文庫化され買ったのに積んでいた事を思い出しやっと手を伸ばした。伊坂さんの長編の作品が好きでだいぶ後回しにしすぎてしまった。
今回の作品は5篇からなる短編集で、全てが小学生がメインの物語。
ちょっとませた様な、大人びた考え方や言葉使いをする小学生達に自分には映るが、それも子供達の中で大人へと成長している部分部分を露にしているからなのだろうか?
幼さの残る子供心を描く事も上手だなと思いながら読んだ。
最後の2篇には繋がりを感じ、しっかりと短編物語を伊坂さんらしいゴールに集束させている。
最後の家電量販店の店員の涙はグッとくるものがあった。きっとあの人だろうと想像がつく。時は流れながらも「やり直せる」という教訓が一巡りしながら人から人へと伝わっている。終着点が素晴らしすぎる。
物語はどの篇も子供目線の物語なのだが、読者である大人の方が子供達との向き合い方に関して考えさせられる作品だった。
子供が大人になる過程に関わる人の影響が多く読み取れ、子供達にどう道徳的な意識付けをしていくべきなのか?それが根本にある作品だと感じた。
考えさせられる。作中でもあったが正解はきっと無い。かといって不正解はある気がする。だからなるべく不正解にならないようにするべきか?とも考えさせられた。
時がたてば子供の頃の出来事は思い出に近い「記憶」になる。いくつかは道徳的な意味合いも含まれてくるかもしれない。
大人目線の主観になってしまう事が多いだろうが、その中でもしっかりとした言葉と態度と思いやりを持ちながら接していくことが大切だなと思わされた。
その姿勢が子供から見ての大人の為すべき姿であろう。
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自粛長期戦、今この作品に出会えてよかった。
この作品が山積みされた本屋さん。そのすぐ近くにちんまりと置かれた伊坂先生からのメッセージ「読者の皆さまへ」。この作品に対する思い、「大変な現実」を前にした時に作家としてできること、について記載されていて、そのメッセージも手に取って、他の単行本も数冊手に取って、人との間隔を空けて、レジへ並んだ。そうそう、単行本は通勤には非常に骨が折れるのですが、とりあえず自粛期間中は通勤気にしなくていいし、まとめて単行本を買ったのです。
デビュー20周年となる今回の伊坂作品のテーマは、「先入観」と「逆転」。
短編にも関わらず、勧善懲悪的な爽快感と、きれいな伏線回収はやはりお見事。
また、短編集ではありますが、それぞれが少しずつ重なり合っている連作短編集です。
爽快感で満たされる。いつも一気読みだ。
伊坂作品の一気読みは、内容の面白さだけではなく、時間の経過という点でも言える。
一つの作品の中に、瞬間の積み重ねが、詰まってる。瞬間の中での仕草、会話一つ一つの描写がとても丁寧で、緻密。
ドラゴンボールに例えると、「ナメック星の爆発まであと5分!」と言っておきながら、そこから何話も続いていって、その5分が異様に長く、その中で何か奇跡が起きてほしい、あーもう5分経っちゃう、いやでもまだ終わってほしくない、むしろここで終わられたら困る、どうなるのどうなるの、そんな気持ちで結局ラストまでぐいぐい読まされる。ものすごいドキドキして、身体中の血液がごうごうと動き回り、それに伴って心臓も早鐘をうつ。その瞬間が終わるとゴールテープを切ったかのような爽快感と疾走感。そこで今まで呼吸が浅くなっていたことに気付かされる。
今回は全編、小学生が主人公です。
でもわたしが全編を通して好きなキャラクターは磯憲(先生)です。なのであとがきは感動ものでした。
小学生の時に素敵な先生と巡り合うというのは、本当に素晴らしい体験だと思う。羨ましい。
一番好きなお話は、「スロウではない」。ラストで思わず泣いてしまって。ちなみに、ラストが一番すっきりしたのは「非オプティマス」。
最近はメンタリストDaiGoさんの動画ばかり見ているのですが、その中で、今回伊坂先生が敵として取り上げている、先入観や圧力で人を侮辱してくる人たちが結構出てくるんですね。わたしもよく被害に遭うので、動画を観ながら対策を勉強しているのですが。まさか伊坂作品でこうして出会うとは思っておりませんでした。普段から人の顔色ばかり窺っている、という人には、とてつもない爽快感と、少しの勇気をもらえます。カバーに記載されている「伊坂幸太郎史上、最高の読後感」。期待を裏切らないよ。ちょっと欝々としてきたこの自粛の日々に、これほどまでに気持ちを高めてくれる作品に出会えて、本当に幸せ。
※こちらのレビューは、noteにも掲載しております。(https://note.com/tattychannel/n/n055275c27e10) -
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かなさ〜ん、こんにちは♪
はーい。
表紙も素敵だし内容も良かったですよ。オススメです…(^^♪かなさ〜ん、こんにちは♪
はーい。
表紙も素敵だし内容も良かったですよ。オススメです…(^^♪2023/10/20 -
チーニャさん、はじめまして!
いいねとフォローを有難う御座います♪
また、「その本は」でもご挨拶頂き有難う御座いました!
伊坂さん、いいで...チーニャさん、はじめまして!
いいねとフォローを有難う御座います♪
また、「その本は」でもご挨拶頂き有難う御座いました!
伊坂さん、いいですよね
ブクログを始めたのが遅くて殆どレビューをあげられていないのですが、
彼のエンターテイメントとスピード感溢れる作品が大好きです
のんびりアップしていきますが、またレビューを読んでいただけたら嬉しいです
今後とも宜しくお願いします2023/11/04 -
傍らに珈琲を。さん、
はじめまして〜(*^^*)
こちらこそいいねとフォローをありがとうございます♪
「その本は」の方では、きちんとしたご挨...傍らに珈琲を。さん、
はじめまして〜(*^^*)
こちらこそいいねとフォローをありがとうございます♪
「その本は」の方では、きちんとしたご挨拶ではなかったですのに、ありがとうございました。
ずっと気にかかっていたことが、やっとわかってテンションあがってコメントしたんですよね…(笑)
伊坂さんも、いいですよね!
私はまだ少ししか読めてないので、これから少しずつ読んでいきたいと思ってるので嬉しくなりました
こちらこそ今後ともよろしくお願いします
2023/11/04
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面白かったー!ひっさしぶりに伊坂幸太郎さん。
小学生が主人公の短編集。文庫本狙い。
全部良い。
最後のご本人の対談的な解説も良い。
小学生が数人で作戦たてて大人に逆転勝利するような構成なんだけど、今の時代の社会人以上の方全員が一度読んだ方よいんでない?と思うくらい、色々スカッとするし、自分も気をつけねば!とも思う。
読後感全て爽快!
3話目の非オプティマスの福生くん、最後つられて私もニヤニヤしたよー!w
これは、また再読しよう〜短編集あまり好きではないのですが、とても良かった、さすが伊坂さん♪
1冊前に登録のニルヴィーナは、途中断念決定としまして次にいきました(^◇^;)
描写が気持ち悪くなってしまい無理でした。 -
表題作の「逆ソクラテス」のところだけ、ネタバレしているので、これから読まれる方はお気をつけてください。
「少年や少女、子供を主人公にする話を書くのは難しい」と作者の伊坂幸太郎さんはおっしゃっています。
「こちらにその気がなくとも子供向けの本だと思われる可能性があります。懐古的な話や、教訓話、綺麗事に引き寄せられてしまうのは寂しいですし、かと言って、後味の悪い話にするのもあざとい気がします」ともおっしゃられています。
この五編の子どもたちを主人公にした短編小説は、見事にその条件をクリアしていると思いました。
例えば、私が一番、印象的だった「逆ソクラテス」。
6年の4月に転校してきた安斎が僕たちに「久留米先生の先入観を崩してやろうよ」と言い出し、自分の判断がいつも正しいと思っている久留米先生を先人のソクラテスの逆だと言い、久留米から目の敵にされている、草壁という同級生をクラスの皆で持ち上げる作戦をいくつか用意します。
作戦は大成功しますが、最後に胸がキュンとせつなくなる話でした。
他の4話もおなじみの伊坂さんの会話劇が楽しかったり、面白いキャラクターの父兄が登場したりして、後味の悪い話はなかったです。
何度か登場する、磯謙(イソケン)という小学校の先生は伊坂さんの小学校時代の先生の名前を借りているそうで、大事なことをいくつも教えてくれた方だそうです。
私事で恐縮ですが、私にも恩師と呼ばせていただきたい先生がいますが、今年の年賀状に、ブクログの登録したことを書いたら「覗いてみようか」と返事をいただいたのでもしかしたら読んでくださっているかも(たぶんいないでしょう)しれません。
私は子供の頃から転校が多くお世話になった先生の数も人一倍多いのですが、恩師と呼ばせていただけるのは、その先生だけなんです。他の先生もおそらく先生としていい先生はいらしたと思うのですが、個人的にまで特別お世話になったと思える先生はなかなかいないものです。
この本で一番、印象に残った言葉は「相手によって態度を変えることほど、格好悪いことはない」です。
そして、最後になりましたが、伊坂さんの人間を見る目はなんてあたたかいのだろうと、心打たれました。 -
『あなたは小学5年生より賢いの?』なんてクイズ番組があるくらいだから、小学校高学年になるともう小さな大人なんだと思います。知力も体力もぐんぐん伸びてくる時期で、心も体も思春期の入り口、そして人間関係の複雑さにも巻き込まれて結構いっぱいいっぱいの毎日を過ごしているのかもしれないなぁと思います。
複数の人間が集まればそこはもう社会の縮図で、教室の中での自分の立ち位置なんかを意識し始めるお年頃でもあるのでしょう。
その上、先生や親という大人が絡んでくるとなると‥‥子どもって毎日大変ですね(汗)
小学校高学年の子どもたちが主人公の短編集。全編を通して『先入観』に囚われるのがいかに危険かということ、大人の先入観がいかに子どもたちに影響を与えているかということが伝わってきました。
全部を真に受けて、大人を信用してはいけない。疑う時は疑わなければいけない。
疑われるのは大人として悲しいけれど、私もそうやって大人になってきたんだよなぁ。
子どもの頃を思い出す意味でも、今の自分を戒める意味でも良い読書時間でした。
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子供が主人公であることが素直さを感じる原因だろうか。淀みなく読めて心地良い作品。でも奥深さも感じた。懐かしい人に会った感覚。
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登場する子供達が友情や思いやりに溢れていて、映画スタンド・バイ・ミーで「君の親がやれないならおれが守ってやる」と親友に話したリバーフェニックスの友情を思い出しました。
自分も子供の頃に戻ったかのような気持ちで読めて、心がホッコリする素敵な一冊でした。 -
「短編少年」で表題作を読んでいたく感動し、
本作も借りて再読。
やっぱ、いいなぁー!
胸が熱くなります。
「僕は、そうは、思わない。」
絶対どっかで使ってみたい!
ドン・コルレオーネの話もすごく好きで、
あの2人のやりとり、良かったなー。
ゴッドファーザー見たことないから、
見てみたいとwikiであらすじ読んだが挫折。
映画で見てみたら面白いんだろうな。
でもこの話は結末が寂しかった。
私も転校を繰り返してた友達と、
数年はやり取りしたり会ったりしてたし、
大人になってからもFacebookで繋がれたけど、
結局Facebookやらなくなって離れてしまった。
でもそうやってさ、あの2人みたいな友情なら
切れないと思いたかったな。
アンスポも良かったー!
非オプティマスも、好きよ。
逆ワシントンも良かったし!
最後の店員は、あの人かな??
この作品はほんとどれも良かった。
中高生にも勧めたいな。
作品の感動とは全然違うんだけど、
私が好きで笑っちゃった部分を抜粋。
「ダイニングテーブルでむしゃむしゃお母さんの料理を、唐揚げとかトンカツとか明確な名前のない、名もなきおかずを食べていると」
「お母さんが、もう一品、命名待ちのおかずそのニを運んできて、」
なんだよこれー!おもしろすぎでしょ!
分かるわーこういう謎の料理!笑
適当にやっちゃった時のね、あるのよね笑