- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087718171
感想・レビュー・書評
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安定のおもしろさ。
コロナが蔓延した頃から始まり、当初は全国の墓「たとえば仁徳天皇陵とかです」を見に行く筈が「巣ごもり日記」に。
ずっと北海道にいるので、(当たり前だけど)北海道の記述が多くなり、道外の人間からすると、それもおもしろかった。
ストーブの分解点検とか、排雪業者との契約とか、初めて聞く単語だった。
それとは別に、年老いたお母様との暮らしぶりも面白げで、読んでいて楽しかった。
亡くなったお父様の気配もあちこちにある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
楽しみにしていた、この新刊!
ブフッと吹き出す、おもしろさと、
折々に胸にじんとくる
作者の優しさ、寂しさ。
とにかく文章がうまいなぁ、
すごいなぁ
と、うっとりしながらも
やっぱり笑わせられて
読み進む。
こんなに楽しいエッセイは
他になくて、楽しみにしていた
新刊を読み終えるのが惜しかった。
また、何回読み返しても、
やっぱり笑えるのも
文章力の凄さなんだろうなぁ。
とにかく大好きな一冊!! -
お父上が亡くなり、お墓問題が!久しぶりに読んだ公子さん、長女としてのご心労の中、よくやっていらっしゃると思います。コロナ禍で、飲んだくれるシーンがなく、ちょっと寂しいな。
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北大路先生のエッセイをずっと愛読しているので、よく登場してたお父様の事は、勝手に親戚の叔父さんほどに近しく微笑ましく感じていました。
ご冥福をお祈りしながらも、その後に続くお墓騒動に、そうだよね〜分かる〜大変だよね〜と共感の嵐。
コロナ禍で当初の企画とは変わってしまったらしいけれど、残された者の負担の重さよ…が伝わってきて、失礼ながらも爆笑しました。 -
あずきバー好きなお父さん亡くなったのね。
亡くなってすぐにお父さんの残した会社の整理をしなきゃならないのが、大変。悲しんでる暇もない。
「死んだ父」という存在の収まりどころが見つからない(p86)というのもよくわかる。
年老いた母の夢に死んだ人がしょっちゅう登場するのは「死んだ人が何かをしらせに夢に出る」のではなく、「夢に出てくるほど親しかった人は既にほとんど死んでいる」から(p116)、というのも高齢者あるある。
唯一安らぐのは新しく来た猫の存在。斎藤くん以来17年ぶりの猫とあって、公子さんを読み始めてもうそんなに経つのかと驚く。
気になってこれも久々にTwitterを見たら、お母さんも亡くなったようで、年齢を考えれば仕方ないこととはいえ、家族を立て続けに亡くすのは、とても辛いだろうと思う。
どうか猫とともに、とりあえず元気でいてほしいと願うような気持ちです。
この本はいつも通りとても面白く、暗いところはないのだけど、書けない気持ちもたくさんあるだろうと推測します。
公子さん、書き続けてくださいね。 -
相変わらずの決断力のなさ(笑)。
さすがのキミコさんでも、市営霊園の抽選に当選したからには腹を括って行動するだろう(お墓を建てるだろう)と思っていたのに、そこからもまさかのうだうだっぷり。私は気になることは早めに済ませたい性質なので、本気で信じられませんでした。驚愕。
連載の取材先も、仁徳天皇陵とかじゃなく(結局コロナ禍で実現しなかったけど)、普通に身近な霊園や石材店にすれば良かったのでは・・・。そうしたら仕事しながら問題も片付いたんじゃ?(読者的にも参考になるし)と思ったけれど、それだと面白くなかったのかな。
読み物としては笑えました。 -
ただただ生活を綴っていて、ゆるーい流れの川に流されていくような感覚。
親族が亡くなったり病気をしたり大変なことはあったのに、川の流れは変わらず、止まらない。
(ご本人もどこかの後書きで、人生を川の流れに例えていたような?)
読み終わってふと、デビュー作頃のエッセイを読み直したら、本当にずっと雪かきしながら文句言ってることに気づきました。変わらなさにほっとしました。
これからもずっと、公子さんの作品が読み続けられますように。 -
お墓に纏わるエッセイかと思いきやコロナ禍到来により「キミコの巣ごもりぐるぐる日記」の方がメインタイトルに相応しい内容になっていて可笑しい。
生前「あんた達にはなんも迷惑かけないようにちゃんとしてあるから」と宣言していた父親が急逝して1年半。
蓋を開ければなんもしていない。
墓もなく骨壷は神棚の上に置かれたまま。
個人経営の会社もそのまんま。
こりゃ大変だ。
それに加え北海道在住のキミコさんの除雪問題や隣家の騒音問題。
雪も問題も山積みで苦労が偲ばれる。
でも苦労を笑いに変えて届けてくれるキミコさんに感謝。
どうかお元気で。