輝ける嘘 下

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (517ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087731576

作品紹介・あらすじ

ヴァージニア州の港町で生まれた元陸軍中佐ジョン・ポール・ヴァンは、家族の愛とは無縁の男だった。しかしきわめて勇壮な兵士であった。中尉時代は日本に駐屯し、朝鮮戦争では命懸けの活躍をした。ヴェトナム勤務を志願したとき、彼は中佐になっていた。しかし、ヴェトナムにおけるアメリカの"嘘"がヴァンを変えたのである。赴任一年で彼は陸軍を去った。このままではアメリカは敗れると予言しながら…。祖国にもどり勝つための戦略を説いてアメリカ全土を駆け巡ったヴァンは、ふたたびヴェトナムの戦場に舞い戻った。しかしある大きな戦闘で勝利した直後に、ヘリコプター墜落事故に遭ってしまう。「自分の戦争」に勝ったと信じたまま、ヴァンは死んでいったのである。誰にも書きえなかった決定版ヴェトナム戦史。全米図書賞、ピュリッツァー賞、コロンビア・ジャーナリズム賞、ロバート・ケネディ賞受賞作品。

感想・レビュー・書評

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  • 訳者後書きでいろいろ書かれているが、訳者のやる気がなさすぎる。

  • 「そこを訪ねる人にとっては、
    われわれもまた
    「輝ける嘘」の一部だったのだ。」

    第二次世界大戦で戦場となったヨーロッパを尻目に、アメリカは戦後唯一の
    超大国になった。そのアメリカの「輝ける嘘」は、ヴェトナム戦争の前哨戦と
    もいえる朝鮮戦争から始まっていた。

    朝鮮戦争もヴェトナム戦争も、アメリカにとっては民主主義vs共産主義の
    イデオロギーの戦いだった。しかし、戦場となった国の人たちにとっては
    自分たちの民族の為の戦いであることを、この超大国は理解出来しよう
    としなったところに悲劇があるのではないか。

    腐敗したサイゴン政府ではクーデターが起こり、3年で終結させるはず
    だった戦争には次々と大量のアメリカ兵の補充が行われる。そして、
    殲滅作戦に成功しているはずなのにヴェトコンは一向に勢力の衰え
    を見せない。

    ヒーローを夢見たアメリカ人将校がいた。アメリカの勝利の為に尽くそう
    とした将校は、ヴェトナムの現実をありのままに報告し軍上層部から
    疎んじられ退役し、後に文民として再度ヴェトナムの地を踏む。

    イアドランの戦い、テト攻勢、北爆。引くに引けなくなったアメリカ軍の
    姿がそこにはあった。しかし、それでも彼はアメリカはこの戦争に勝つ
    と信じた。恐らく乗ったヘリコプターが墜落し、地上に叩き付けられる
    その瞬間まで。

    16年の歳月を費やして書かれた長大なヴェトナム戦争の真実である。
    ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』と併せて読むと、全体像が
    掴み易いかも。

    輝ける嘘はヴェトナム戦争だけではなかった。ソマリアで、イラクで、
    アフガンで。アメリカの輝ける嘘は、今も継続中である。

  • 本書は戦争と言うより政治ドキュメンタリーとして非常に重要な本だと思う。本書を読んて私は日本と当時の南ベトナムが不気味なほどよく似てると感じた。その結果がバブル崩壊という名の敗北であったと知れば説明がつくのではないか。

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