ダイング・アニマル

  • 集英社
3.00
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本棚登録 : 64
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087733969

作品紹介・あらすじ

60を過ぎた老批評家ケペシュに美しい乳房を持つ若い愛人ができた。美しい体への執着は、せまりくる老いと生への渇望を想起させ、初めての嫉妬にとらわれる。そして大きな喪失感に苛まれた別れから8年、ふたたび彼の前に現れたとき…。「死にゆく獣」としての男の生と性への執着を赤裸々に描くフィリップ・ロス円熟の代表作。

感想・レビュー・書評

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  • ペネロペ・クルス主演の映画『エレジー』の原作ともなった、アメリカを代表する作家フィリップ・ロスの作品。個人的には2013年のノーベル文学賞はロスがくるんじゃないかなぁ(きてほしいなぁ)と勝手に予想していましたが見事にはずれてしまいました。

    主人公は女性との性交を生きがいとし、年老いてなお快楽を求める大学教授。しかし、彼は芸術と見まがうほど美しい学生に恋をしてしまいます。豊かな教養を武器に学生を魅了することに成功しますが、老齢の彼はその女性をいつまでも自分の物とすることにできないことに苦しみはじめます…。

    いまではありふれた、老いらくの恋の物語…、というとちょっと違います。
    過激な性描写や社会批評めいた独白、容易にカタルシスを与えない展開…、この小説を読んでいて苦手意識をもつ方も多いと思います。
    しかし、主人公は正直に生きています。ロスは正直に生きる"自由"こそ尊ぶ価値のあるもので、自由を阻もうとするものすべて(社会、道徳、老い、恋ですら)と戦おうとしているように感じました。

    映画も完成度が高く面白かった(ペネロペ・クルスがきれいだった・・・)ですが、小説とはオチが正反対で比較しながら見てみるのも興味深いと思います。

    余談ですが、ブックカバーの表紙がすっぽんぽんの女性のおしりです。図書館で借りたとき、司書さんと微妙な空気を分かち合ったのを今でも覚えています。

    『見どころは表紙です!形のいい生尻です!』なんてレビューを書いてはいけません。

  • 2021/1/17購入

  • 男の性への執着を描いた作品。一人称の語りが連綿と続くのに辟易とするが,終わり頃にはこれもありかと思わせる。ただ,良かれ悪しかれ,極めてアメリカ的。

  • 老年学者の、若者にいれこむ性と老い。
    共感できず、初めてのロスだったけどあんまりでした。

    “死を背負う獣性”という意味の題名はイエイツの詩句から。

    よく見ると表紙が魅惑的な女性の尻で、それに気づいたのがスターバックスで読んでいる間の小休止でした。

  • 62歳の大学講師・評論家と、24歳の女性の恋愛。
    70歳を越えて再開したときには、彼女は乳癌に。
    本当に恋愛に歳は関係ないのか。なってみなけりゃわからないが。

  • あんまり好きな感じではなかったです、初フィリップ・ロス。選んだ作品間違えたのかな。まぁ、こういう世界文学的なのは長い目で見て、評価しないとダメかと。そもそも読んでるこちら側にいろんな素養がない場合が多いので。(10/7/13)

  • 浮気する男性の心理がリアル過ぎて腹立つ~!

  • 読みたい。『本から引き出された本』より。

  • 2009010

  • 2009/02/12

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著者プロフィール

フィリップ・ロス(Philip Roth)
1933年3月19日、米国ニュージャージー州ニューアーク市に誕生。1959年、短編5作と中編1作を収めた “Goodbye, Columbus”で全米図書賞を受賞。1969年、4作目の小説 “Portnoy’s Complaint”(『ポートノイの不満』)を発表すると、批評的にも商業的にも成功を収める。著書は全31点。ピューリッツァー賞、マン・ブッカー国際賞などを受賞。全米批評家協会賞と全米図書賞は2度ずつ獲得している。2012年に執筆活動を引退し、2018年5月22日に85歳で死去。
注:本書では中編小説“Goodbye, Columbus”のみの日本語訳を収録

「2021年 『グッバイ、コロンバス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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