キャット・パーソン

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087735000

作品紹介・あらすじ

『ニューヨーカー』で発表された表題作がSNSで“炎上"し、
たちまち注目の新星となった作家の衝撃のデビュー短篇集。
スマホのメッセージでもりあがった男と女の
「あるある感」満載のデートの顛末を描く表題作をはじめ、
復讐に燃えるシングルマザー、
理想の伴侶を探し求める王女、
ハンサムな上司に噛みつきたいOL、
魔術であらゆるパワーを身につけようとする女……etc.
わたしたちの欲望の先に待ち受ける、
ダークでファニーな真実をえぐりだす12篇。

【著者略歴】
クリステン・ルーペニアン Kristen Roupenian
バーナード・カレッジを卒業後、ハーヴァード大学で英文学の博士号を取得。その後さまざまな職業を経験したのち、ミシガン大学のMFA(芸術修士課程)創作科に入学。2017年12月、ニューヨーカ―誌に掲載された「キャット・パーソン」がネットでバズり、社会現象に。すぐに数社が本書の権利獲得に名乗りを上げ、最大手サイモン&シュスターが異例の高額前払金で本書の権利を獲得。さらにケーブルテレビ局HBOが本書のシリーズ・ドラマ化を決定、ホラー映画の脚本執筆が決まるなど、たちまち注目の大型新人となる。現在、ミシガン州でガールフレンドと猫とともに暮らしている。

感想・レビュー・書評

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  • “Cat Person” | The New Yorker
    https://www.newyorker.com/magazine/2017/12/11/cat-person

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    『ニューヨーカー』で発表された表題作がSNSで“炎上”し、たちまち注目の新星となった作家の衝撃のデビュー短篇集。
    スマホのメッセージでもりあがった男と女の「あるある感」満載のデートの顛末を描く表題作をはじめ、復讐に燃えるシングルマザー、理想の伴侶を探し求める王女、ハンサムな上司に噛みつきたいOL、魔術であらゆるパワーを身につけようとする女……etc.
    わたしたちの欲望の先に待ち受ける、ダークでファニーな真実をえぐりだす12篇。
    https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-773500-0

  • 短編集。表題作「いいなって思った男と、キスをしたところで違和感を感じたけど、セックスしたらやっぱりすごく無理だったとき」の話。はぁ無理だったって終わりにしたはずなのに、相手には気に入られちゃうやつ。
    他のお話はケータイ小説くらいのつまらなさだった。

  • 表題作一応読んだけど、やっぱりまああんまりアレよね。

  • 初読

    2017年12月、New Yorker誌に掲載され
    バズりにバズったMeToo小説、が表題作とのこと。

    1冊通してみても、やはりこの「キャット・パーソン」が
    飛び抜けている。
    女子大生マーゴだけじゃなく、冴えない36歳ロバートにも
    感情移入してしまい身悶えする。

    神秘ホラー色の作品は私はあまりピンとこなかった。
    魔術召喚で男を呼び出す「キズ」
    やアフリカでボランティア教師の白人男性の「ナイト・ランナー」
    シングルマザーとその娘が生み出したモンスター「サーディンズ」
    あたりはどう読んでいいのかやや戸惑う。
    御伽話のような自分だけを愛する「鏡とバケツと古い大腿骨」も

    現代的なセックスに纏わる欲望や気配を書くのが上手いな、
    と感じるので、私も訳者あとがきにあるように
    作者にはあるある感を求めるタイプなのかも?

    噛みつきたいエリーの「噛みつき魔」
    12歳という年齢ならではの恐れと期待のようなもの、
    「ルック・アット・ユア・ゲーム・ガール」
    いつのまにか逸脱してしまうカップルとひとりの男
    「バッド・ボーイ」
    あたりが好き

    ラスト4編
    「プールの中の少年」「マッチ箱兆候」
    「死の願望」「いいやつ」はその中間といった印象。
    「いいやつ」はあるあるなのだけど。

  • キャット・パーソン、噛みつき魔、死の願望など12短編集。#MeToムーブメントの中、女性の恐怖・罪悪感・無力感、加害者/被害者のあいだに横たわるグレーゾーン。サディズム、堕落、復讐、嫉妬といったダークな側面。

    解説で、アメリカで大反響になっていたと知りました。徹底した女性感覚やフェミに、そうかもと思いました。前提になってる青少年文化の違い、大きいなぁ。

  • 不気味で不思議な面白さ!それぞれのストーリーが終わるたびに、ざわざわした気持ちになる。でも病みつきになって止められない…「なんかわかる…」と思ってしまうことに恐怖を感じながら(笑)

  • ホラーだ。途中で怖くなって本を置いたほどホラー。人間の欲の冷ややかさが怖い。
    HBOによるドラマ化や、「ムーンライト」や「レディバード」を作ったA24がホラー映画の脚本依頼をしたというのも分かる!

  • 読み終えて原題を見るとゾッとするな…!
    異様な、けれど自分もほんの少しのことでこうなりそうな関係の描かれた短編集。
    読み終えてしばらくしても、思い出すと胃の辺りがムカムカするのだけど、考えずにいられない。

  • 読み終わったあとザワザワするような、自分の暗い奥底を覗き見られたような余韻を引きずる短編集。すごい作家に出くわしてしまった。これはいい。今年読んだ中でも特にいい。
    2019.8.19読了

  • 読み終わるのにやたら時間がかかったが、かなりおもしろかった!
    ほぼすべての話が「そう来たか」と思うラストで、かなりユニークな発想の人だなぁと感心しながら読んでいた。
    それでいて、主人公の内面というか心の動きはどこかなじみがある不思議。
    まるでガールズ・トークの延長みたいで、ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」を見る時の感覚と似てる。自分の友達が酔った勢いでぶっちゃけている話を「うっそー!」とか言いながら聞いているみたいな感じ。

    ただ、あとがきでも翻訳の方が書かれていたが、全編にサディズムな気配が漂っていて、話によってはその色がすごく強くて、そうした話はあんまり好きじゃなかった。私はその嗜好は皆無の人間なので。
    でもサディズム薄めの作品(半分くらい?)は好きだった。

    やっぱり話題になった「キャット・パーソン」は圧倒的におもしろかった。
    笑えたし、あるある、と思う。
    いや、ないんだけど、「ありえる」と思う。
    猫を飼ってるとかやたら言うのに、家に行くと全然猫の気配がなかった、ってあたり、妙にリアルだと思った。まれにそういう「言動の ”不思議な不一致さ” による違和感」のある人が世の中にいる。つまり、意味不明の嘘をつく人。昨今はSNSのおかげで増えてるかもしれない。

    そして、この話は男の人は嫌いだろうなぁ、と思う。女ってこえぇ、とか思うんじゃないかな。どうですかね?
    「過去につきあった女性はみんな喜んだ」とかいうレベルのセックス自慢をする男がたまにいるが、そういう話を聞くといつも「下手でもそのまんま正直に言う人なんかいるわけないだろ」と、もちろん声に出さず心の中で思うのだが(残念ながらその手の男とは付き合ったことがないので、真偽のほどは永遠に不明)、そんなシンプルマインドな男性陣にこの本をぜひ読ませてみたい。なんだこの話ーっ、俺はこんなんじゃない!とか言いそう。

    他に好きだった話は、「ルック・アット・ユア・ゲーム・ガール」と、「プールの中の少年」。この二つはもう、か、な、り、好きです。
    少女特有のこの邪悪さ。エロさ。扱いにくさ。これは男性作家には書けないだろうなぁ。
    男性の思い描く透明で神秘的な少女像(最近の村上春樹は特にそっち傾向が強めに思う)も、フィクションとかある種の象徴としては別に悪くないし、それはそれでけっこう好きだけど、やっぱり「作り物」感はある。もちろん感じ方は人によると思うけど・・・。
    「プールの中の少年」に見える少女たちは生々しくて意地悪で、それに対して、中年になった元プールの中の少年のリアクションがこれまた非常におもしろかった。
    楽しんで読んだ。

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