- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087743739
感想・レビュー・書評
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長編の方がのめりこめた。
もう、ここで終わっちゃうのか、という残念な気持ち。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
天童荒太の「永遠の仔」を読んだことがある。
すごく昔に読んだもので確かドラマ化もされてたけど、すごく心をえぐられる内容だったことを覚えている。現代で生きていくことの難しさというか、現実社会のひずみにいることを余儀なくされた人たちの「苦しい生」の話だった。
この「あふれた愛」は短編集(読んでから気付いた)。
「永遠の仔」同様、現代社会のひずみを描いたもの。
ただ今回は、読んでいて大きな怒りを感じた。
誰だって、目をむけたくないことや辛いことはあるんだよ。
私は逃げずに必死に頑張ってるのに。
なによ、なんでこいつらはーー
この本が、懸命に生きることを否定しているわけじゃない、と思う。
ただ、見せつけられた「弱さ」が今の私には不愉快だった。
逃げたくても逃げられない人間がむなしく思えてしまう。 -
タイトル通りの本!
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疲れました・・。悼む人で始まった天童ワールド。悼む人には魂をゆさぶられたけど、これには疲れた。
どの作品も社会的に弱い立場の人が書かれていて、心が痛かった。
なるほど、対談やインタビューなどいろいろ読んでみると、天童さんは作家になる前から、「悲しみや辛さを背負いながら、懸命に生きている人に向けた物語や言葉が少ないのではないか」という思いを抱いていたそうで。
天童さんの観察眼、その感性に触れ、書くときには登場人物になりきって出てくる言葉をその感情もままに綴っている・・・ということを知ると、痛む心の先に、一筋の光が見えるようでした。この本を読んだだけではわからなかった。いや~奥が深い。 -
皆が皆、上手に器用に生きられたらと思う。
でも、不完全だからこそ愛されること、愛することに意味があって。
自分を受け入れて欲しい、誰にでもある欲求。どんな形でもいいから、と痛々しくもある。
皆が皆、愛すること受け入れることを上手に、器用にできるわけじゃないというのが現実。 -
普段、そばにいる人とどれほど話しているだろうか?と思う。
どんなにささやかな会話でも、人と人をつなぐ大切な役割を果たしているのだろう。それと意識されないままに。
ここでこの一言があったらーという分岐点がいろんなところにあるだろう。
わかっていると思うつもりで、言葉にしないまま過ごしてしまう言葉がどれだけあるだろう。言葉惜しみせず、心を相手に手渡し続けたいと思う。 -
うーん
なかなかの短編集だが心に残るかといったら
残らない。。かな -
この人らしい感じ。
内容は違ってても雰囲気はやっぱり似てくるのね。
何となくいい話の短編集。
てかこれ前読んだ事あったの忘れてた…。 -
天童荒太『あふれた愛』読了。誰かへの愛情を抱えきれず、またそれに気づかず、不器用にしか生きられない人たちの短編集。「普通の人」と「おかしな人」を分ける一線は、あくまで主観でしかなく、光の当て方でどうとも見え得るのだ。著者のどの作品にも共通して流れる根底の優しさは、ここにも在る。