- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087744637
感想・レビュー・書評
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昔、ドラマになった時に初めて買った恩田作品です。たまにふと読み返したくなる一冊。
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まず、この絵が読む気を削がれます、フィーフィーかよと思いましたがどうも本書に登場する高校生を表現しているようでびっくりしました。
ただし、この表紙は宇野亜喜良の書下ろしらしいです。そりゃあダメ出しなんてできないですよね。恩田さんのラブコールのようなので猶更でしょう。
さて、内容的には青春群像劇年末バージョンという趣きで、年末実家に帰らず寮に残った3人+1人の男子高校生の4日間です。事件らしい事件は起こりませんが、不穏な空気がずっと立ち込めていて、幻想的な雰囲気も感じられます。
美少年好きの女性らしく、端々にBL的な要素も垣間見えるのですが、ほんとこの表紙がイメージの邪魔をします。本を閉じる度にこの絵が目に入るので、是非カバーをして読んで頂きたいです。 -
ちょっと昔の高校生のお話。冬休みに寮に残って、友達とお酒を飲んだりタバコを吸ったり、、今もこんなことあるのかな?
4人の高校生の個性を把握するのに、なかなか時間がかかった。個性的な家庭環境。寮の冬休み、残った友達と過ごすうちにどんどん親密になっていく。そういえば高校時代って、親や家族以上に大切な関係を築いていく時期なんだっけなぁ。
自分の息子にもきっとこんな風に、親と過ごすことよりも大事な時期が来るのだなぁ、息子にもこうやって何でも本音で話し合える友達が出来たらいいなぁ、と、ちょっと違う視点で読んだ。 -
読んで良かった。読書にはまって2年目は恩田陸さんをたくさん読むぞーと思っているのですが、これは何度でも読みたくなるかもしれません。高校生の男4人の友情物語。皆がそれぞれ問題を抱えていて、しかもそれがとんでもなくヘビーで、胸が痛くなったし、一緒に泣きたくなりました。言葉を尽くす訳でもない、喧嘩もしつつ悪ふざけもしつつ、確実にお互いを救い、友情を深めていく様子は涙なくしては読めませんでした。きっとずっと続く友情が育まれたのでしょう。この冬休みの間に。おぞましい記述もあるのに清々しい読後でした。
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そのタイトルにひかれて手に取ったものの表紙が気に入らなくて(失礼な)…。
けれど、1回読みはじめたらすごく面白かったです。
とある男子進学校で冬休みに寮に居残った男の子たち4人のお話。
みんながみんなそれぞれ複雑な事情を抱えていて(だから里帰りしないわけで)、
毎日一緒に暮らす中でお互いに自分のことを告白し、友情をふかめていく、てな感じ。
あたしは幸せな環境で育ってきたから彼らの気持ちを上手に理解できないけれど
お話の中で彼らが友情を深めていくのを読んでいると「友達っていいなあ」と思いました。 -
青春はきれいで輝かしいものとは限らない。
深泥のような感情の澱が音もなく積もっていく。
彼らの青春は、秘密の告白であるからこそ明かされ
それが暗鬱で思い返すに耐えなくても
彼らが今あるのは、それゆえ。 -
3.0
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★3.5