- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087747195
作品紹介・あらすじ
なぜ母に疎まれるのか。雑木林や山の斜面で、不安を抱えたまま日暮れまで冒険していたあの頃…。少女の日の孤独と悲しみを記憶の再生の中にうつしだす作品集。
感想・レビュー・書評
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意識して読書するのを始めた学生時代に著作を立て続けに読んだからか、なんかこう・・・一定の温度のある、どことなく体温の感じる女性、みたいな空気感を書かれる印象
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虐待を受けていた子供達が主人公のお話3篇。あまりにも理不尽でこんなことってあるのかと苦しくなる。辛くて読むのがしんどかったが、心に打ち込まれるようなことばが所々にあり、投げ出すことできなかった。安達作品を読むのは初めてだったので他の作品も読んでみたいと思った。
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「遠くからくる光」「おはなしの日」「草の名を」の3編の中篇からなる本作。初めて手にとった安達作品ですが、どれも子どもの頃親から虐待を受けていた人たちの話で、一番怖いのはうちの中にいる暴力を振るう人で、そこから逃げることも出来ず、耐えるしかなかった子ども達が淡々とその日を語る。読むほどにどんよりと澱がたまっていく感じで、辛いとか可哀相とかいう気持ちよりも読むのを辞めたくなってしまってとにかく読了が目標・・・みたいな感じになってしまった。特に感想も書けず。安達さんの世界を理解できませんでした。
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母との関係、心の痛み、共感。
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文章がすごく好きだ。
痛々しい言葉と自然とが絡み合って
現代を風刺してるように。
お話そのものもそうなんだけど。
どこか似てしまうのは必然? -
「見覚えのある場所」が痛いながらもよかったので手に取りました。
リアルな被虐待経験話だけれど、やっぱりどこかに救いがほしい私は、幸せなんだと思います。
もうしばらく安達千夏は読まないかな。 -
大体登場人物の境遇や住んでいる場所が同じなのは、作者の経験に基づいて書かれているからだろうか?
お話自体は暗いことこの上ないが、作者自身が東北の生まれらしいので、東北の風景描写がとても綺麗。暖炉の暖かさとか、雪の冷たさとか、リアルに体感できそうなくらい。
話全体にどうしようもなさと悲しさが漂う。
私は親に何不自由なく育ててもらったけど、この種の理不尽さを感じた事が無いとはいえない。
だから共感できる部分もあった。
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<strong>なぜ母に疎まれるのか。
雑木林や山の斜面で、不安を抱えたまま日暮れまで冒険していたあの頃・・・。
少女の日の孤独と悲しみを記憶の再生の中にうつしだす作品集。
もっとも危険な場所だった家庭から逃れ、光射す世界を求める少女と少年
・・・・・「遠くからくる光」
人は家や家族にどのような期待を寄せるのか。
老人ホームで働く現在と、少女時代を交錯させて描く
・・・・・「おはなしの日」
夫と初めて里帰りする車中で、母となった私によみがえる、
殴られない子になりたいと考えていた頃の記憶
・・・・・「草の名を」</strong>
(帯より)
読み進むうちにどんどん胸が重く苦しくなる作品である。
外で何があろうと、そこだけではありのままの姿で安らげるはずの家が、家こそがどこよりも帰りたくない場所だなんて。
何より大切に思ってくれるはずの生みの親が、もっとも恐れるべき人だなんて。
同じような境遇に置かれたこどもたちや、そうして育ってきたおとなたちが、哀しい連鎖を自らの手で断ち切ってくれますように、と祈らずにはいられない。
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<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4087747190/yorimichikan-22" target="_blank">おはなしの日</a> -
3篇の中編が収められているけど、どれも似たようなこどもたちの話。親に虐待されている子供と聞いて、わたし(たち)がすぐに思い浮かべる『かわいそうに』という感情は、じつは正しくないのかもしれない。ともすれば悲惨さだけが強調されるテーマだけど、こどもは案外しぶとくて、ちゃんと幸せを感じる能力を持っているんだなと思った。