- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087748154
感想・レビュー・書評
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吉田修一著『初恋温泉』(集英社)
2006.6発行
2017.2.8読了
温泉を舞台にした短編を5つ収録。レビューを見ると否定的な意見も多いみたいだけど、私は割と好きな作家かもしれない。「初恋温泉」の一番幸福な瞬間を見せたいという感覚と、「風来温泉」の一度手にしたポジションをただ守るために仕事をするという感覚は、共感できる部分があった。「純粋温泉」は「初恋温泉」の裏返しな話で、結婚というのは片面的で一方的なものではなく、互いに創っていくものなんだとつくづく思った。最後の「一人の女と12時間イチャついて12時間喧嘩する」というセリフがそれを凝縮しているように思った。
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000008220998詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
温泉を舞台にした、5篇の恋愛短編集。
すれ違い、離婚を考えている夫婦。よく喋る、結婚間近なカップル。ダブル不倫カップル。妻を誘ったが、断られた、保険外交官の男。高校生のカップル。
五組の客が、温泉宿を訪れる。
熱海温泉・蓬莱➡︎初恋温泉
ランプの湯・青森、青荷温泉➡︎白雪温泉
京都祇園・畑中➡︎ためらいの湯
那須・二期倶楽部➡︎風来温泉
黒川・南城苑➡︎純情温泉
それぞれの宿を検索しながら読み進めていくと、まるで、その宿にいるような気分になれた。
ゆっくり流れる時間。風が見える。凛と澄んだ空気。
旅への憧れが膨らむ作品。
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#2535-85-297
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本当に気が合う人と温泉に行きたい
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最後の高校生カップルの純情温泉、甘酸っぱい記憶が蘇ってくる。家内とは、行きたいとは思えない温泉、一人でサウナ付きの健康ランドでくつろぐのが一番な人生は、残念だ。
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吉田修一の短編集.個人的には表題にもなっている離婚話中の夫婦の話である初恋温泉が好き.基本男性目線で進んでいくのだが,女性から目線が物語の肝となす.こういう女性目線はどうやって理解し,小説にするんだろう.
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初恋の女性に突然離婚を切り出された夫、互いに夫/妻がありながら関係を持っている元同級生、初めての外泊に緊張気味の高校生・・・それぞれの事情で温泉にやって来る5組のカップルを描いた短編集。このところミステリのように起承転結のはっきりした作品が続いていたので、ある瞬間の感情だけをスナップショットのように描く手法が新鮮。物語の行き先を予想することなく、感じるままに読むのも心地良い。どのシーンもそれぞれ共感と余韻があって良かったが、最後の高校生のくすぐったい程の初々しさが好印象。おかげで読後感も良い。
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奥さんを愛しているのに、すれ違ってしまう夫婦が切ない。