パリ・サンテ刑務所 主任女医7年間の記録

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087812510

作品紹介・あらすじ

現職の女性主任医務官がそのすべてを暴露した。ドラッグ、同性愛、自殺、暴力がはびこる鉄格子の中で、人間は生き続けることなど出来るのか?フランス中が驚愕した名門刑務所の恐るべき実体。

感想・レビュー・書評

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  • パリ・サンテ刑務所。ドラッグ、同性愛、自殺、暴力がはびこる鉄格子の中で人間は生き続けることなど出来るのか?現代の世の中にこういったカオスの世界があった事に衝撃を受けました。貴重な記録であると思います。

    確か僕はこの本を大学時代に一度手にとって見たかどうかしているはずでしたが、内容は定かではなくて、先日、パリ・サンテ刑務所と筆者のことを特集していたテレビ番組を偶然、目にする機会があって、それで本書にも興味を持って今回、読んだ次第でございます。しかし、一読して筆者が勤務していた当時のサンテ刑務所内の実態はテレビで紹介されていたことなど比べもならないほど陰惨極まりなく、よく彼女が7年以上も勤務を全うしていたのはもちろんのこと、精神的にも病んでしまわなかったのが不思議で仕方がありませんでした。

    いったい、どうやって彼女はここに展開されている狂気の世界で自我を保つことができたのでしょう?彼女いわく、ここでは全身全霊を持って事に当たるか、もしくはすべてを可能な限り投げやりにしてやり過ごすごすかしかない、のだそうです。いやはや…、本当に恐ろしい。囚人たちがどのような生活を送っているかはまともにここに記すと間違いなく掲載を拒否されてしまうような描写のオンパレードで、たとえば、食事に使うナイフやフォークをそのまま飲み込んでしまった、ですとか。収用されている部屋自体も人が住めるような衛生状態ではなく、常に病人がいた、という記述は納得ができました。

    この手記が発表されてきっかけとは刑務所内の囚人の待遇を改善したい、というのがきっかけだそうですが、こういう事実が打ち棄てられたままだったということに、ページをめくりながら思わずぞっとしてしまいました。テレビ番組では刑務所の待遇は改善されてめでたしめでたし、で終わっていましたけれど、本当のところは僕にもわかりません。筆者も今はサンテ刑務所を去り、別の病院で診療に当たりながら、大学で拘禁医学、というものを教えているのだそうです。

    実情はともかくとして、良きにつけ悪しきにつけ『貴重』な記録だと思いますので興味をお持ちになった方は一読をされてみる、というものいいのかもしれません。

  • 仏でベストセラーとなり、刑務所問題が社会問題に。

  • 翻訳ものは合わんのかなぁ…書き方が独特すぎて慣れるのに時間かかった。

  • タイトルのまんま。内容も、想像どおりの刑務所の酷い環境で、囚人の治療を行った想像を絶する7年の業務日誌。
    世間に認められ、のちの刑務所待遇改善に貢献。

  • 実は、刑務所ものは好きだ。なんとも暗い世界なのだが、本来日常にある非日常の世界を垣間見れるからだ。この本は、フランスの刑務所の中で起こっている暗黒の世界をさらけ出したことで当時フランスでは話題になったそうだ。それにしても気持ちが落ち込むくらい深い闇が見えてくる本であった。

  • 更正するための場所でさらに運命が悪くなる…行き着くところは暴力、支配、自殺に同性愛、病気って感じ。

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