- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087812701
作品紹介・あらすじ
一九九五年、虐待された子どもをテーマにした『凍りついた瞳』が刊行されたとき、おおきな反響を巻き起こした。その理由は、子ども虐待の実態があまりにすさまじかったこと、そして、その現状を世間があまりに知らなすぎたことが、社会に衝撃をあたえたのだった。その後、二〇〇〇年に「児童虐待の防止等に関する法律」が施行されたが、子ども虐待の事件はいまだに跡を絶たない。本作品は、児童虐待の現場からの子どもたちの悲痛の叫びであり、さらにその叫びを受けとめて、子どもを虐待から守ろうと懸命になっているひとびとの物語である。
感想・レビュー・書評
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児童虐待の被害を受けていた方たちからの手紙を元に書かれたドキュメンタリー
コミック「新 凍りついた瞳」も併せて読んでみたが同じストーリーでも少し違った印象
コミックの方が虐待の凄まじさが伝わってくる
最後の章は児童虐待について法改正の動きなど
これからについて書かれていたが内容が難しく読み疲れた
しかし、団体名なども細かく記されているのでこうして多くの人の目に留まるものに残してあるのは良い事なんだろうな、と思いました詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んでいて何度もページを閉じてしまいたくなるほど、子どもたちが長く辛い思いをしている様子が生々しく描かれていました。
痣や傷は虐待の痕として端からも見えやすく時間の経過とともに薄れていくものも多いけれど、心に負った傷は当事者が何かを発信できない限りなかなかわかり得ないし、その傷が癒されるには、負うのにかかった時間の何倍も何十倍もかかるし、癒されないままになってしまうことも少なくないのだと感じました。
出版された2003年から14年たち、当時よりも虐待問題がニュースなどで世間の関心を集め議論されることも増えているように感じますし、法や条例の整備もなされてきています。
それでも、マンパワー不足等でまだまだこの問題に対応しきれていないとも聞きます。
単に頭数を増やせばいいというわけではないのが本当に難しい…。
この本では、救われなかった子どもの話が最初に出てきますが、その後は周囲の粘り強い関わりで救われた子どもたちが出てきます。
「縁」「運」と言ってしまったらどうしようもないけれど、出会う人によって救われるか否か振り分けられるケースが減って、減って、いつかなくなってほしいと願います。