8050問題 中高年ひきこもり、7つの家族の再生物語

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087816822

作品紹介・あらすじ

推計61万3千人。深き苦悩を見つめた、
希望と救いのノンフィクション。

「8050問題」とは、80代の親が50代のひきこもりの子を抱えている家庭、そしてそこから派生する問題を指す。
1990年代後半から顕在化してきた若者のひきこもり問題が、解決せぬまま長期化。
親が高齢者になるとともに当事者が中高年に達し、今、深刻な社会問題として浮上してきている。
本書では「8050問題」の根源には「家族の機能不全」があると捉え、当事者や家族、支援者に密着取材。
その現状や心理をリアルに描写する。彼らはどこでつまずき、何によって光を見出したのか。
その格闘の姿を伝える、希望と救いのノンフィクション。

●山田ルイ53世さん(漫才師「髭男爵」、6年間ひきこもり)
激賞!

本書で描かれるのは、7つの家族の物語。皆一様に、゛普通"から滑落した人々だ。
そこからの再生、゛ルネッサンス"の物語でもあるが、その歩みはあまりに弱々しく、輝かしいものではない。
しかし、長い間「社会と関係ない人間」だった筆者には、痛いほどわかる。踏み出した一歩の偉大さも、それが半ば奇跡だということも。
彼らを知れば、「8050問題」はすべての家族に起こりえるリアルな゛将来"の1つであり、にもかかわらず差し伸べられる手の少なさに愕然とする。
かつて゛当事者"だったことを盾にとり、不謹慎な物言いをお許しいただこう。
本書は「面白い読み物」。
絶妙な距離感で取材対象と接し続けた著者が、丁寧かつ情熱的に書き上げた一冊……「ひきこもって」一息に読み終えることをお勧めする。
(本書オビに掲載の言葉)


【著者プロフィール】黒川祥子(くろかわ しょうこ)
ノンフィクション作家。福島県出身。東京女子大学文理学部卒業。
2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』で、第11回開高健ノンフィクション賞受賞。
近著に『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』『「心の除染」という虚構 除染先進都市はなぜ除染をやめたのか』
『県立! 再チャレンジ高校 生徒が人生をやり直せる学校』『PTA不要論』、共著に『WHO I AM パラリンピアンたちの肖像』。
橘由歩名義で『「ひきこもり」たちの夜が明けるとき 彼らはこうして自ら歩き始めた』がある。

感想・レビュー・書評

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  • 著者、黒川祥子さん、どのような方かというと、紹介記事には次のように書かれています。

    ---引用開始

    ノンフィクション作家。1959年福島県生まれ。東京女子大学卒業後、弁護士秘書、ヤクルトレディ、業界紙記者などを経てフリーランスとなる。おもに事件や家族の問題を中心に執筆活動を行っている。

    ---引用終了

    で、本作の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    推計61万3千人。深き苦悩を見つめた、
    希望と救いのノンフィクション。

    「8050問題」とは、80代の親が50代のひきこもりの子を抱えている家庭、そしてそこから派生する問題を指す。
    1990年代後半から顕在化してきた若者のひきこもり問題が、解決せぬまま長期化。
    親が高齢者になるとともに当事者が中高年に達し、今、深刻な社会問題として浮上してきている。
    本書では「8050問題」の根源には「家族の機能不全」があると捉え、当事者や家族、支援者に密着取材。
    その現状や心理をリアルに描写する。彼らはどこでつまずき、何によって光を見出したのか。
    その格闘の姿を伝える、希望と救いのノンフィクション。

    ---引用終了

    「8050問題」の名付け親が気になるところ。
    どうやら、大阪府豊中市社会福祉協議会所属のコミュニティ・ソーシャルワーカー勝部麗子さん?


    ●2024年2月15日、追記。

    林真理子さんの『小説8050』(新潮社)では、本作を主要参考文献として挙げています。

  • 80歳台の親と引きこもりの50歳台のこども。地域から孤立し、社会から忘れられた隠花植物のような生活。
    貧困の中で共に老い、やがては精神的に朽ちてゆく。
    その中で、奪われた人生を取り戻し、「自分自身」を回復するために孤独で壮絶な闘いを闘うこどもたちがいる。すべて、とは言えないまでも、引きこもりの根っこにあるのは歪んだ家族関係だ。言わば親子という底無し沼。「家庭内の問題」であるがゆえに、社会から隠し、あるいは隠され、支援の手は届きにくい。もしくは当事者である家族から拒否される。あまりにも深刻で悲惨な実態に私は何ができるのだろう。引きこもりからは遠い人生を過ごしてきた自らを省みるとき、深い虚無感に襲われる。しかし、これは過去の問題ではなく、私たちの「家族」が抱えるかもしれない未来の問題なのだ。

  • ここ数年、よく聞くようになった8050問題。しかし、報道では歪んだ情報として挙がることも多く、問題の本質が分かりにくいけど、これを読んで少しでも理解できたような気がする。きちんとした情報として、もっと知られるべきと思う反面、世に広まれば広まるほど当事者たちは益々社会に姿を現しにくくなるのかなとも思い、この問題に関わらず、情報の発信の仕方って簡単なことじゃないなと思った。

  • 2019年3月に内閣府が発表した調査結果では、15〜39歳の引きこもりが54万1,000人、40〜64歳が61万3,000人いるという。65歳以上の調査報告はないが、間違いなく何万人といるのだろう。愛着なく、又は異常な愛着の元で育てられた人間の末路である。
    この100万人を越える人たちを一人でも救うすべはあるのだろうか?

  • 林真理子の小説8050が物足りなすぎて読んだ

  • 80代の親が50代の引きこもりの子どもの面倒を見ざるを得ない。

  • 真実を知りたい方は読むべきルポルタージュ。
    林真理子さんの本を、読む前にぜひ!

  • ひきこもり、ヤングケアラー、児童虐待、このところ読んだ本だが、どれも社会から見えにくく、見過ごされてしまう問題だ。
    そしてどれも親子関係から発生している問題だ。
    根っこは同じかもしれない。
    世の中の支援があって社会に戻ってこれる人が一人でも多くなることを願う。

  • 7つの家族の再生の物語との副題.読み終わって,必ず再生したかどうかはこれからの課題だろうとは思った.彼らは今の現状を家族の関係性に置いているが,それを改善したからと言って根本的な解決にはならないだろう.とにかく当事者にとっては気の毒だ.

  • 東2法経図・6F開架:KW/2019//K

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著者プロフィール

黒川祥子(くろかわ・しょうこ)
ノンフィクション作家。1959年福島県生まれ。東京女子大学卒業後、弁護士秘書、ヤクルトレディ、業界紙記者などを経てフリーランスとなる。おもに事件や家族の問題を中心に執筆活動を行っている。2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』(集英社文庫)で第11回開高健ノンフィクション賞受賞。その他の著書に『熟年婚 60歳からの本当の愛と幸せをつかむ方法』(河出書房新社)、『「心の除染」という虚構 除染先進都市はなぜ除染をやめたのか』(集英社インターナショナル)などがある。


「2018年 『県立! 再チャレンジ高校 生徒が人生をやり直せる学校』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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