秋本治の仕事術 『こち亀』作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由

著者 :
  • 集英社
3.48
  • (20)
  • (32)
  • (43)
  • (11)
  • (4)
本棚登録 : 481
感想 : 59
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087880106

作品紹介・あらすじ

少年ジャンプで一度の休載もせずに40年間連載を続けた作家=秋本治は、どのような思考・行動で日々仕事をしていたか?
その「時間術」「取材術」「職場のマネジメント術」は無類の説得力を持つ。働き方改革が騒がれる中、ベスト&ロングセラー漫画家の働き方を本邦初公開!

こち亀作者の仕事術を「時間術」「取材術」「人間関係術」など章分けで説明。
・40年間無休で週刊連載を続けられた秘訣
・週刊連載時代、1日・1週間・1か月をどのように過ごしていたのか、タイムスケジュール初公開!
・「こち亀」の毎回のアイディアはどこから出てきたのか。考え方、取材の仕方。
・仕事をする際に考えることは、まず自分が夢中になって楽しむこと。
・モチベーションを長く、高く持ち続けるための方法。
・歴代担当全てに好かれる秋本先生の人間関係の作り方

おまけ漫画「両津勘吉の仕事術(仮)」掲載予定!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 意外と堅実に生きてる人だった。

    起業家みたいに
    ・お金はどんどん使おう
    ・○年後に〜な時代になる
    とか常人離れした自信かと思いきや、
    ・規則正しく生きる
    ・人との出会い(特に現実での)を大切にする
    ・普通より早く仕事を終わらせる
    という当たり前のことをきっちりこなす人だった。

    自己啓発本に頼って魔法のようなメソッドを手に入れようとする人には受け入れがたい一冊だと思う。

    でも、人生に近道はないし、現実をうまく生き抜く秋本治の仕事術は基礎的なことばかりでバカにできないものばかり。

    効率主義の人には良い薬だと思う。

    興味深かったのは、仕事が終わっても次の仕事に取り掛かる、こと。

    著者曰く、1週間も休んだらペースを取り戻すのに苦労してしまうからだそう。

    多忙な現代人はたまにはぐっすり休むべきかとおもっていたけど、ペースを維持するために動き続けるっていう発想はなかったなぁ。

  • 「誰もが褒めてくれるような仕事なんて、絶対にできるわけがありません」
     評価を気にしすぎるのはやはりダメ。全てが完璧なんてありえない。なにか光るものがあるといい。

    「情報は常に伝達チェックし蓄積しておく」
     新鮮な情報を手に入れよう。先見性を研ぎ澄ませる。

    「自分の足と目を使って掴んだ知識はより濃く頭の中に蓄積されていく」
     ネットの情報だけでは自分の身にならない。自分で調べ、体の一部にしよう。

    「出されたものは何であれ、こなしていく人こそが、本当の大人」
     大人として責任を全うしよう。

    「人を選ばず、なるべく広く交流をもつこと」
     多くの人から学び、楽しもう。

  • 仕事術としては至極真っ当なことばかり。だが、40年連載の偉業を成し遂げた本人から発せられる言葉だから、その「当たり前」がいかに重要かがわかる。

    以下メモ。

    ・なんであれ好きで好きでしょうがないと思えることを見つけるべき。それが仕事として成立すればラッキー。仕事につながらなかったとしても、本当に好きなことを自分の確認できていれば、心は安定する。

    ・自分の中で考えて決めてある具体的なビジョンを、企画書のような形にして出さなければ、何も始まらない。

    ・集中力を切らさないコツは、仕事を終えた次の日も、普通に仕事をすること。何事もなかったかのように、変化なくずっと続ける。これこそが集中力を持続させるコツである。

    ・孤独やストレスを感じたときなどに、何でもいいからそこからの願望などを反映させたものを作ってみる。妄想や願望を形にできるのはものづくりのできる人間の特権。

    ・壁にぶつかった時に悩むこともあるが、ぐずぐずと留まるのではなく、速やかに次のステップへ移ること。「まぁいいや、何とかなるでしょう」と楽観的に考える。

    ・スケジュール管理は、仕事の基本中の基本。スケジュール管理ができていれば、想定外の事態が起きても問題にはならない。

    ・仕事での会話はどんな時にも、必ず敬語を使う。年齢性別で変えることなく、全て敬語で丁寧に会話する。

    ・できない仕事は、「例外」を作らず引き受けない。1つ引き受けると、他のものを断りづらくなってしまうため。

    ・「批判」は受け止めた後で、無視すること。迷うと間違いなく作っているものはダメになってしまう。それよりも、褒めてくれる人の声に応え、もっと喜んでもらうために頑張ろう、と思う方が建設的。

    ・自分が好きなことを仕事にしている人であれば、そもそもやる気のない人はいない。だから尻を叩く必要もない。ただし、肉体的に疲れているなと思うことがあれば、シンプルに「どう?」「大丈夫?」と声をかけてみてはどうだろうか。

    ・スピードを求める場合、正確性はとりあえず置いておいて、先に進めることこそが重要。だからたたき台を作る。チェックして直すのは後からだってできる。

    ・大きなゴールに近づくための唯一の方法は、「小さな目標」を持つこと。目先の小さなことで設定するのが良い。近いうちに達成できそうなことを目標として掲げておく。具体的な内容が良い。

    ・仕事を始めた時ではなく、最初の目標に到達した時が本当のスタートである。この職業とはこういうものなのだ、と分かった時に本当に覚悟が決まる。

    ・現役の力を信じること。どんな人でも、一旦休んでしまうと必ず周囲の状況とのズレが生じる。休まず動き続ける。

  • 「こち亀」の作者、秋本治先生の仕事術を紹介した本。

    かの少年ジャンプで40年の長きに渡り、一度の休載もなく連載された長・長寿漫画「こち亀」。
    これには、人気を保ち続けることはもちろん、作者の健康、そしてモチベーションも維持する必要がある。
    もはや偉業と言っていい。

    その秘訣はどこにあるのか?


    結論から言うと、この本には大したことは書かれていない。
    「3倍早く漫画を描く方法」や「絶対に病気にならない方法」といった、秘伝のようなものは何もない。

    しかしこの場合、それこそが重要なのである。


    ・スケジュールには余裕を持つ
    ・情報のインプットは常時行う
    ・変化を恐れず、新しいことに挑戦していく
    ・完璧を目指すよりも、未完成でいいから前に進めていく
    ・駄目なときはスパッと気持ちを切り替える。鈍感さが必要
    ・礼儀や感謝の気持ちを大切にする

    見ての通り、ごくごく普通の、常識的なことばかりである。
    しかし、それを長年実践し続けられる人がどれだけいるだろうか。

    当たり前に大切なことを、当たり前に日々積み重ねていく。
    それこそが、成功のために本当に必要なことなのだろう。


    本書の言葉を借りると、「回り道こそが成功への近道」とのことである。
    よくある言葉だが、40年間第一線で戦い続けた人が言うと、重みが違う。

  • 40年間連載と言う前人未到の偉業を成し遂げた秋元先生の自伝書。こち亀の両さんとは対照的に仕事は9時から19時までと普通のサラリーマン以上に徹底したスケジュール管理や、元アニメーターと言う事実にびっくり仰天。ネタに1度も困ったことがないと言うのは、本当に漫画家として、才能を持って生まれた人なんだと感心した。休日寝て過ごすのができない人で、外出したり常にアンテナを張っていることで、新鮮な情報を常にストックしているのだということがわかった。
    著者は漫画家であるが、他の仕事をしている社会人にも参考になる点は多々あると思う。先生の人柄が伝わってくる部分もあり、こち亀ファンならぜひ1度読んでみてほしい一冊。

  • こち亀には子どもの頃だけでなく、大人になってからも楽しませてもらったけど、作者の秋山さんがこんな真面目な方とは知らなかった。漫画家は真夜中はもちろん、徹夜とか当たり前の世界だと思ってたけど、あんな人気連載抱えながら、9:00_18:00の職場だったなんて。

  • 作者は両さんのキャラとはホント真逆ですね。

  • 両さんと作者とのあまりにもの乖離に驚くが、考えてみれば細部まで書き込まれた画風は言っていることに嘘偽りのない何よりの証拠。仕事術、参考にさせていただきます。

  • 夫の本棚にあったので借りた。
    時間を守る、余裕持ってスケジュール組む、楽しいことを仕事にする。座ったら仕事。
    ごく当たり前のことをコツコツと、ムダをなくして余白を用意しながら、ストレスためずにやっていくということだ。

  • 特にコレ、といった内容ではない。
    ただ、当たり前のことを丁寧に取り組む。
    志村流でもそうだったが、世の中の成功者と言われる人は、とにかく日々を丁寧に生き、常識的に過ごしている。

    ★褒めてくれる人の声に応える方が建設的
     批判を多く取り入れるとブレる、悩む。
     褒めてくれる人のためにもっとがんばろう。

    ★正確性は置いておき、とりあえずたたき台
     ネームの段階では内容や部長の怒るセリフなどが全く同じことがある。けど、進める。
    チェックしてなおすことはあとでいくらでもできる。

    ★新しいものに首を突っ込む
     100巻くらいからザウルスやピッチなどの電子機器が登場。後から読んだ時に古臭くなるのでは、と思ったが、読者に両さんを通じて世の中の変化を伝えることができた。
     私自身もその中を生きてきた読者の一人。むしろ、その時代を反映した話の方が面白いかも。歴史の教科書のような位置付け。

    コロナ禍ということもあり、学校を休むとzoomで授業が受けられる。コレも世の中の流れ。
    両さんだったら、このピンチをどんな風にチャンスにしていったのかな…

全59件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

秋本 治 (あきもと・はじめ)
1943年 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町生まれ
1958年 五ヶ瀬町立鞍岡中学校卒業
1964年 やまめの人工孵化に成功
1992年 九州ぶな文化圏構想策定
1995年 エコ・ツーリズム「霧立越えトレッキング」開発。霧立越の歴史と自然を考える会設立
1999年 霧立山地固有種「キリタチヤマザクラ」発見
2001年 木浦山中に幻の滝発見
2004年 カゴが岩屋と化石の森発見

・現在の役職委員等
株式会社やまめの里代表取締役/霧立越の歴史と自然を考える会会長/九州森林管理局森林保全巡視員

著書:「地域の光の創造と発信」鉱脈社/「霧立越を語る」鉱脈社

現住所 宮崎県西臼杵郡五ヶ瀬町
連絡先 電話 0982-83-2326
URL http://www.yamame.co.jp
e-mail akimoto@yamame.co.jp

「2007年 『西郷さんも歩いた霧立越花の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

秋本治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×