- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087880632
作品紹介・あらすじ
性暴力の記憶、毒親、貧困、セックスレス――それぞれの「限界」を抱えて、身体を売る女性たち
過去の傷を薄めるため……。
「してくれる」相手が欲しい……。
そこには、お金だけではない何かを求める思いがある。
ノンフィクションライター・小野一光が聞いた、彼女たちの事情とは。
著者が20年以上にわたる風俗取材で出会った風俗嬢たちのライフヒストリーを通して、現代社会で女性たちが抱えている「生と性」の現実を浮き彫りにするノンフィクション。
【目次】
第一章 SMクラブで働く文学少女・アヤメ
第二章 歌舞伎町で働く理系女子大生・リカ
第三章 アヤメ その後
第四章 リカ その後
第五章 セックスレスの人妻・ハルカ
第六章 処女風俗嬢・カオルの冒険
第七章 育児と介護と風俗と――妊婦風俗嬢・アヤカ
第八章 ミレニアム世代の風俗嬢・ミホの現在
第九章 生きるための居場所――SM嬢・アザミ
あとがき
【著者プロフィール】
おの・いっこう 1966年、福岡県北九州市生まれ。雑誌編集者、雑誌記者を経てフリーに。「戦場から風俗まで」をテーマに、国際紛争、殺人事件、風俗嬢インタビューなどを中心とした取材を行う。
著書に『灼熱のイラク戦場日記』『風俗ライター、戦場へ行く』『新版 家族喰い――尼崎連続変死事件の真相』『震災風俗嬢』『全告白 後妻業の女』『人殺しの論理』『連続殺人犯』『冷酷 座間9人殺害事件』などがある。
感想・レビュー・書評
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7人の女性の生い立ちと、なぜ風俗嬢になったか、その後どうなったか…がルポ形式で書かれている。文章の読みやすさに反して、“女の子”たちの語る内容の濃さにくらくらしてしまった。ただ、不思議と読後に勇気のようなものを感じるのは、どの女性からも「自分はどうやって生きたいのか」を考えて模索する姿が窺えるからだと思う。
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知らない世界を知ることは楽しい。
私も風俗で働いてみたいなって思った時期もあるけど、決して性的な暴力を受けていたとか、金銭的に困ってという訳ではない。
単に好奇心旺盛なだけ。
知らない世界を知ることは楽しいから。 -
風俗嬢というステレオタイプをいい意味で裏切る本。色々な人がいるし、色々な人生がある。
そして作者同様に人は繊細で、逞しく生きてるものだと感じる。
風俗は遠いところにあるようだけど、地続きのとこにあって、何かキッカケがあれば簡単にそちらに行ってしまう怖さは感じた。ただ身体を売る値段がデフレ過ぎて驚く。
あとなぜ限界という言葉がタイトルに入っているのか謎。 -
風俗嬢へのルポルタージュの一冊
読んだがタイトルの限界の意味がいまひとつピンと来なかった
現役女子大生からその20年後などのインタビューはなかなか濃いものがある
見た目は普通の女子高生が援助交際をした後に風俗に自ら入ったり、複雑な家庭に育った後に足を踏み入れたり、同じ女性としてなるほどそういう生き方を選んだのか等、自分にはこえられない一線を軽々と?飛び越える彼女たちに驚く -
男性のベテランルポライターが様々な境遇の風俗嬢(といっても年齢は20代から40代まで幅広い)に、なぜ自らの身体を売るようになったかなどを中心とするインタビュー集。であるが、それ以上でもそれ以下でもなく、単に聞き取ったインタビューが猥雑な要素も含めて再現されているだけである。
少なくともノンフィクションとして成立するための著者ならではのパースペクティブや問題意識というのはここには見受けられない。率直に言って、私はこのような低レベルなノンフィクションを読んだことがないし、これを集英社とあろう大手出版社が出していることに驚きを隠せないでいる。