一ノ瀬ユウナが浮いている

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 507
感想 : 44
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087900637

作品紹介・あらすじ

幼馴染みの一ノ瀬ユウナが、宙に浮いている。
十七歳の時、水難事故で死んだはずのユウナは、当時の姿のまま、俺の目の前にいる。
不思議なことだが、ユウナのお気に入りの線香花火を灯すと、俺にしか見えない彼女が姿を現すのだ。
ユウナに会うため、伝えていない気持ちを抱えながら俺は何度も線香花火に火をつける。
しかし、彼女を呼び出すことができる線香花火は、だんだんと減っていく――。

乙一が映画『サマーゴースト』の姉妹作として『花火と幽霊』をモチーフに執筆したオリジナル恋愛小説。
2021年10月29日発売の『サマーゴースト』ノベライズも必読!!

感想・レビュー・書評

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  • 小学4年生の時に転校してきた、一ノ瀬ユウナ。
    幼なじみ5人組はずっと仲良しだったが、ユウナはある日、亡くなってしまい……。

    花火で幽霊が姿を現す、という設定が共通の、『サマーゴースト』の姉妹作。
    本書は、オリジナル恋愛小説。

    男女5人の幼なじみの関係性が、よかった。
    それぞれ違うタイプで、だからこその距離感。

    今回も死者が現れるが、重かったり暗かったりしない。
    透明感のある作品。

    展開は王道。

  • 著者が、映画『サマーゴースト』の姉妹作として『花火と幽霊』をモチーフに執筆した、オリジナル青春小説とのこと。
    『Ghost ぼくの初恋が消えるまで』(天祢涼)と設定とテーマは似ており、ミステリ風味を抜いた感じ。切ない成長物語。

  • 2021年11月集英社刊。書き下ろし。お話なんだけど、こういうのあるのかなぁ。あっていいのかなぁ。何年も続くよねー。線香花火が見つかるとまた会えるよなぁ。見つからないかな。見つかるといいなぁ…。浮遊するという思いつきのような話がこうも心に響くとは意外です。夢で浮遊して飛ぶということが多いからかも。そういう体感に訴える表現というのが乙一さんはお得意です。

  • やっぱ乙一の敬語は破壊力高い。

    かなわなかったとしても、
    がんばったのなら
    それでいいですよ。

  • 久々の乙一さん。
    白乙一の方かな。

    ホラーだったらどうしようと思いつつ読んだけど
    結果ほっこり、かな?
    恋愛小説に近いかな。

    リアルの現在時点も通過するのでコロナについても
    ほんの少し触れられています。

    後半にかけては、どう立ち直る?というか
    どうなるかな、と気になって読み進みました。

    ただ、久々乙一さん!と期待してて?
    正直ちょびっと物足りなかったかも。

  • さすが天才乙一。切なさが爆発する!

  • 大好きな乙一さんの新作。

    珍しく切ない恋愛小説でラストはウルウル。

    幼なじみ5人組のうちの1人、一ノ瀬ユウナは、17歳の時に水難事故で死んだ- はずだった。
    主人公が、ユウナの愛した線香花火を燃やした時だけ、彼女は再び現れる。

    主人公は生前の彼女に伝えられなかった思いを伝えるために葛藤するが…。

    どんでん返し的な展開はないが、最後までスッキリと暖かい気持ちで読み切ることが出来る作品。

    サマーゴーストの姉妹作ということなので、似たようなストーリーで映像作品が観たいならそちらも良いかもしれない。

    作中の、一ノ瀬ユウナがとにかく美しいので、是非とも映像化して欲しい1冊だ。

  • 切ない。涙が出た。
    苦しい。
    好きな人が突然死んでしまって苦しい。
    でも、あるアイテムで、会うことができて!
    HUNTER×HUNTERの話は懐かしかった。
    キュンなストーリー。

  • 中高時代に乙一さんの本を読んでたけど久々に読んで「あー乙一っぽい。」って思った。
    事故で死んでしまった幼馴染に線香花火をつけたときにだけ会える。でもそれをずるずる引きずるんじゃなくて爽やかに終わるのが乙一作品っぽいなと思いました。

  • 一カ月くらい前に刊行された『サマーゴースト』の姉妹作品。
    両作で共通しているのは、「線香花火を灯すことによって死者の姿がみえる」という点で、『サマーゴースト』がミステリものだったのに対し、今作は恋愛もの。

    出だしはすごくよかったけど、終盤にかけての盛り上がりがいまいちだったなあという感想。乙一さんの作品が好きなだけに、正直いまひとつだと感じた。

    主人公の目的はふたつあって、「ヒロインの死をのりこえる」ことと「ヒロインに気持ちを伝えること」。
    特に後者の「ヒロインに気持ちを伝える」の部分は個人的にはもっと丁寧にかいてほしかった。あっさりしすぎていて、ちょっと拍子抜け。前半がものすごくよかっただけに残念。

    乙一さんの作品はすきだから過去作ほとんど読んでいるけれど、デビュー当時に比べて筆力はあがったかわりに物語の切れ味が弱まったかなという印象。「GOTH」とか「失われる物語」を読んだときは衝撃を受けたけど、それに対して本作はじょうずにかけているけれどパワー不足だった。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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