人間失格 (1) (ビッグコミックス)

  • 小学館
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091897183

作品紹介・あらすじ

文学界の名作を独自の解釈で綴る異色作。

日本文学の不朽の名作『人間失格』をトップホラー漫画家の伊藤潤二氏が
独自の表現で捌きます。

隣人の幸福が理解できない。なのに、隣人の目が
気になって仕方ない。そんな主人公・大葉葉蔵が必死で身につけたのが
道化だった。上京した葉蔵は堀木に誘われ、非合法活動に参加する。
活動に疲れた葉蔵はある女給と出会うが……

「世間と折り合いがうまくつかない」そんな読者に長く愛されてきた
名作を、伊藤潤二氏がホラーの要素を絶妙に取り入れ、構成した
衝撃作です。是非手にとってください。宜しくお願いいたします。


【編集担当からのおすすめ情報】
太宰の『人間失格』は、「人間の恥部をここまで書いていいのか?」という
究極の文学表現です。また伊藤潤二氏のホラー漫画も時に「ここまで描くか」
というぶっとんだ表現がなされます。
今回、太宰の名作を題材に得たことで、伊藤潤二氏はこれまで以上に
鮮烈な漫画表現を発信しています。

感想・レビュー・書評

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  • これまで人間失格のコミカライズというと文学を漫画で読むといった企画物や古屋兎丸、ドリヤス工場 等の物が幾つかあるが今回はあの(‼)伊藤潤二が執筆。

    古屋版は時代を現代に変更し見た目がどこかピカレスクロマン風、ドリヤス工場版はコミカルな感じと、同じ作品(原作)でも描き手(ペンタッチ)によって印象や雰囲気が変わるが伊藤版はカバーに始まり本編の背景はおどろおどろしく登場人物も必要以上に醜怪に描かれ、おぞましい事この上ない。

    伊藤潤二が描いているのだからそうなるのも当たり前とも言えるがそれだけではないように思える。

    自分は「人間失格」(原作)を読んだ時、作品と主人公の『闇』に取り込まれたかのように暗く、重く、嫌な気分になった。
    その「闇」は夜の闇の様にスッポリと体を包む様なものではなく、コールタールやどぶ泥の如くねっとりと体にまとわりつく様な『闇』なのだ。
    そして、その『闇』の奥底に『恐怖』があり伊藤潤二はそれを引き出し(見いだし)描いているのにすぎないのだ。(と思う)

    だから、伊藤版「人間失格」があの様な雰囲気になるのは当然の事に思える。

    もはや、これは文学作品の単なるコミカライズではない。
    れっきとした、『恐怖漫画』と言っていい。

    今後、いつの日か他の漫画家の手による「人間失格」のコミカライズが描かれる事もあるだろうけど、『闇』の部分はともかくも伊藤版の様な『恐怖』を描く漫画家は現れるのだろうか?(そう簡単には現れはしないだろうけど)

    • 円軌道の外さん
      darkavengersさん、こちらこそ、ご無沙汰してすいません!
      体は子供のように元気です!(笑)
      ご心配おかけして申し訳ないです!
      ...
      darkavengersさん、こちらこそ、ご無沙汰してすいません!
      体は子供のように元気です!(笑)
      ご心配おかけして申し訳ないです!

      いや、仕事が忙しくなり、携帯を見る時間がほとんどとれなくて
      ちょっとブクログの方は休んでいたんですが、
      その後、ボクシングも現役を引退して、教える側に回ったので、
      また違う意味で忙しくなりまして(笑)、
      そうこうしているうちに
      いざレビューを書こうとすると
      言葉がまったく出てこなくて…。
      所謂、スランプに陥ってしまってたのです(笑)
      本は読めるんですが、いかんせんレビューが書けない状態が長く続いたので
      気づけば最後にレビューをアップしてから、2年近く経っていて、我ながらビックリでした(汗)

      darkavengersさんはお変わりないですか?


      おおーっ!伊藤潤二ですか!これは読んでみたい!
      僕も16の頃、小説の人間失格を読んだとき、
      darkavengersさん御指摘のように
      暗く重い気持ちになり、読まなければ良かったと
      かなり後悔したのを思い出しました(笑)

      当時はまだ青かったので
      人間の暗黒面や恥部を避けてたのでしょう(笑)
      今は逆にいい人ばかりが出てきてハッピーエンドのものより
      救いがなかったり暗い小説大好物なので(笑)、
      またあらためて読み返してみると面白いかもですね(笑)

      伊藤潤二は20年ほど前、週間スピリッツ連載の初期作品はリアルタイムで読んでました。
      今ちょうど、『伊藤潤二コレクション』というホラーアニメを
      Tokyo Mx局でやってるので
      それは毎週録画してます(また観てないけど)。


      あと、たくさんのポチとコメント
      感謝感激です!
      コメントの返事はこちらに書かせていただきますね。


      孤独のグルメはSeason6が僕個人としてはちょっと物足りない出来だったので、
      今回Season5のレビューにしました(笑)

      そうそう!去年末の生放送スペシャルは
      狂喜乱舞でした(笑)
      まさか、大晦日のゴールデンタイムに
      生放送で仕掛けてくるとは!
      さすが、テレ東!
      ブレない攻めの姿勢に惚れ直しました(笑)

      Season7やって欲しいですよね!
      てか、7と言わず
      松重さんのライフワークとして
      視聴率関係なしに続けていってほしいな~って勝手に思ってます(笑)

      おおーっ!
      鉄血観てたのですか⁉
      ガンダムをちゃんと観るのは
      最初のファーストガンダム以来だったんですが、
      一話観た瞬間にソッコーハマってしまいました(笑)
      キャラが死にゆくたびに号泣でしたよ…(>_<)

      怪奇恋愛作戦、めちゃ面白かったですよね!(笑)
      あの80年代テイストがたまらんかったし、
      演劇を観ているかのような、くだらないセリフのやりとりがほんまツボでした(笑)

      仲村トオルが嬉々としてバカっぽい警官を演じてて面白かったし、
      中年三人娘のキャスティングが絶妙だったと思います(笑)

      あはは(笑)
      僕もseason2ひそかに期待してるんですが、
      あまり話題にならなかったみたいだし、
      難しいかもな~(((・・;)


      あっ、忘却のサチコ観ました!
      そうそう!まさかの高畑充希でビックリでした(笑)
      あっ、darkavengersさんはまだですか?

      高畑さんは演技は上手いけど、
      おっぱいないし(笑)
      背も低いし、
      サチコのイメージとはちょっと違うな~っとて不安だったけど、
      いやはや、頑張ってたし、面白かったです!(笑)

      あの、なんだか変だけど憎めないサチコさんのキャラに
      上手くなりきっていて
      意外と違和感なかったです!

      笑えるシーンはちゃんと笑えるし、
      食べるシーンも可愛かったし(笑)

      このクオリティーなら
      是非とも連続ドラマ化して欲しいって思いましたよ。

      でも高畑さん、今や売れっ子やからな~(>_<)
      その点が、ちょっと不安ですけど。


      あっ、こちらこそ、
      まだ完全復帰とはいかないですが、
      末永くよろしくお願いします!

      2018/01/14
  • 太宰治の同名小説のコミカライズ。
    ホラーマンガでよく知られる伊藤潤二先生による。

    全部が全部共感できるわけではないが、原作を読んだ際の「これは自分だ」という感覚を損なうことなく思い出させてくれる質の良いコミカライズだと感じた。
    ホラーで培われた画風がこの作品の暗さに合っており、人の持つ闇をリアルに、そしてより恐ろしく描き出しているように思えた。

  • 開幕。雨の夜の玉川上水で女とウィスキーを分かち合う。
    ずり落ちる瞬間、草をつかむ!
    この場面だけで、ああ伊藤潤二先生わかってる! と感激してしまった。

    少年時に人格を歪めてしまう下男下女による強姦。きちんと描いてくれた。
    そうそう。太宰の小説はあまり言及されないように思うが、実に「散文的な性」(薄暗い畳の部屋でやむにやまれぬ行為)が、透明な糸で巧妙に織り込まれているのだ。
    旧家独特の文化として「オズカス」が性的虐待を受けてもおかしくないほど軽視されていたということでもある。

    「凄惨な改変」がありやなしやで評価は変わると思うが、僕はありと見た。
    なぜなら葉蔵は少なからぬ人間を、「触れ合っただけで殺している」。
    これは言葉の綾ではなく、「竹一のその後」が凄惨だったことは原作では「抑圧された事実」でありうる。
    それならば女同士の葉蔵を巡る殺し合いも「あり得た」し、
    溺死体は見るも憚られるほどに膨れていただろう。
    伊藤潤二先生は眼を背けない、原作者が背けたかもしれない部分を容赦しないのだ。

    そしてまた、どの登場人物の「顔」も、読んでびっくり、「知っている」のだ。
    何十回となく読んできた登場人物はみな、ああこういう顔だったと納得させられる造形。
    特にツネ子の顔ときたら。もうこれが本物で、今後これ以上更新されそうにない決定版。
    「その咳、ほんとうかい?」と訪ねてくる巡査の表情も。

    続刊が楽しみ。

  • 伊藤潤二による『人間失格』の漫画化作品。全体の筋は概ね原作どおりだけど、オリジナルのエピソードが追加され、悲惨さや滑稽さが誇張されている。
    葉蔵が「道化」として振る舞うときに見せる、不安と緊張に満ちた笑顔が、伊藤潤二のタッチにぴったりはまっている。

  • 伊藤潤二、原作:太宰治氏の作品『人間失格』の1巻を読了。 いやー、怖すぎっす。 伊藤潤二氏が描く・・・登場人物の顔の表情はが凄すぎる… こりゃあ・・・2巻も読みたいな。 傑作。

  • 竹一、姉妹、活動女、オリジナルあり
    絵がほんまにこわい
    幼少期の悩みがリアル

  • ジトジトと不快指数の高い。人間が気味悪いし、肉体は気持ち悪い。女の肌に嫌悪を感じる日もある。ワザ、ワザ、は本当に怖い。冷汗の怖さ。

  • 太宰治の人間失格の漫画版は何冊か読んだことあるけど、どれも原作に近づけようとすればするほど、白々しくなってしまっていた気がした。

    この「人間失格」は、原作に脚色を加えていて、「人間失格´」という印象。原作とは忠実ではないからこそ、ある意味で漫画で太宰治の世界観を忠実に引き出せている気がした。

  • 他人が全くわからない恐怖から、道化に徹する葉蔵。少年時代、下男、女中に犯されても力なく笑っているだけだった。孤独を選ぶ葉蔵は女をますます惹きつける。道化が見抜かれたことへの恐怖ははじめて人を殺したいと願望せしめた。

  • 廓通いを経たあとの主人公の退廃的な姿を描いた1枚絵が素晴らしい。しかしこれ読んで思ったけど太宰はやっぱり女嫌いだな。

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