ベルンシュタイン (小学館文庫 きA 17 夢の碑 7)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091912275

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  • 18世紀前半のヨーロッパを舞台にした貴族のお話。
    琥珀の瞳をもつ美しい乙女ベリシウ。
    いつも男の格好をして、自分よりも強い男でなければ愛をささやくことも許さぬという彼女の前に一人の男性が現れる。
    剣の立会いで初めてその男性-オルギールに破れたベリシウは彼に関心をもち、次第に惹かれていく。
    所が、オルギールには可愛い婚約者がいて、ベリシウは彼女を陥れ、二人の仲を引き裂く。
    その後、憎みあいながらもお互いに惹かれていくベリシウとオルギール。
    やがて二人を待ち受けていたのは逃れようのない悲劇だった-。

    ベリシウがオルギールの婚約者にした事を見て、ひどい・・・と思ったけれど、ベリシウも心に傷をもっていて・・・。
    そしてラスト。
    う~ん。
    女は怖い!
    と思わずにいられない。
    でも女をそこまでの鬼にするのは男なのだ!
    お話にも引き込まれましたが、木原敏江さんの美しく繊細な絵にうっとりしてしまいます。

    他に、日本の少女が主人公のラブストーリー、恐竜がいる地に不時着したヴィ&アングルのコメディタッチな話など全4編の短編集です。

  • 欧羅巴一大浪漫短篇集。

  • 男装の麗人っても、こちらはあまりに素直じゃなかったためにすれ違う愚かな男と女。読み進むに従い、女の一途さが愚かしくも可愛く思える。故にラストの、得たときには全てを喪失するという残酷さも一層深く突き刺さる。水底から湧き出る気泡のような、リズム感のあるネームが恐ろしくも儚く感じられ、秀逸。

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著者プロフィール

木原敏江

1948年(昭和23年)、東京生まれ。1969年「別冊マーガレット」に掲載された『こっち向いてママ!』でデビュー。77年、旧制高等学校に通うふたりの少年を描いた『摩利と新吾』を発表する。この作品は、その後7年間にわたって描き継がれ、明治末から大正、昭和と、三つの時代を舞台に展開する一大大河ロマンに結実した。84年『桜の森の桜の闇』『とりかえばや異聞』の発表で始まった連作「夢の碑」シリーズも、97年まで執筆が続いた大作。85年、同シリーズにより第30回小学館漫画賞を受賞。『アンジェリク』『大江山花伝』『紫子―ゆかりこ―』は宝塚歌劇団で舞台化された。そのほかの作品に『どうしたのデイジー?』『エメラルドの海賊』『銀河荘なの!』『天まであがれ!』『杖と翼』などがある。

「2021年 『ワイド版 マンガ日本の古典28 雨月物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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