光の回廊 〔文庫〕 (小学館文庫 きF 1)

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  • 小学館
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本棚登録 : 78
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091950017

作品紹介・あらすじ

大宝元(701)年、藤原不比等(ふじわらのふひと)の屋敷で2人の子ども――後の聖武天皇(しょうむてんのう)とその妻・安宿媛(あすかべひめ)(光明子)(こうみょうし)が生まれた。藤原家と長屋王(ながやおう)の政争に巻き込まれながら、激しく気丈に生きる安宿媛。だが、阿修羅(あしゅら)像を造るペルシア人仏師・カイとの出会いが、彼女の何かを変えてゆき…? 奈良時代を舞台にした表題作ほか『3丁目のサテンドール』『栗田洋館栗羊羹殺人事件』『スキヤキ・ジゴロ』『バタフライ』も収録したキヨハラ・バラエティ・ワールド!

感想・レビュー・書評

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  • 主役は藤原不比等の娘・安宿媛(光明子)。この時代は割と泥臭いというか、激しい権力抗争で生き馬の目を抜く、といった状況だが、清原ワールド全開の飄々としたキャラクター達。シリアスなようで、脱力するようなユーモアがあちこちに散りばめられている。何でゴルフしてんの、何でハワイにいるの、とか突っ込みたくなるんで(笑)歴史に疎くてもそれなりに楽しめるとは思うが、古代ファンなら唸るくらい史実がうまくまとめられている。顔に名前を書かれた(いつもバレエを踊っている)藤原四兄弟、サイコーだ。
    ペルシア人仏師・カイとの恋愛。その後のまさかの流れは結構ほろ苦く、古代なのにどこか現代にも通じるような展開がすごい。清原さん、もっと歴史物発表して欲しい…。
    同時収録の短編、往年の「りぼんオリジナル」や「ぶ~け」の空気感が懐かしい!このナンセンス感。幼い頃はピンと来なかったが、今ならわかる。
    解説の倉本由布さんが述べていた、そこはかとないせつなさ。それが清原作品の魅力だ。(倉本さん、コバルト時代によく読んでました!解説で再会できて嬉しい)そこはかとなく、だからこそ後を引く。何がその人にとっての幸せなのかなと…どの作品も考えさせられるのだ。

  • 光明子と阿修羅像を作った仏師の物語。天平の世は色んな外国人が日本に来ていて、国際色豊かだったのだと改めて感じる。
    里中満智子さんの「女帝の手記」とでは、光明子と娘の孝謙天皇の印象が逆になっているので、読み比べると面白いかも。

  • おしゃれですなー。

    飛鳥時代あたりの記憶って薄れているので、補完補強のために調べている最中です。まんがだと登場人物の名前やざっくりざっくりぃぃした立ち位置がわかるので、まずはそれから。
    本編は大変ドロドロした話なのに、絵柄や衣装、小道具がおしゃれすぎて、インスタ映えするおしゃれなソフトクリーム♪みたいになってるのがすごい。

  • #表題作は文庫化で再々読、『千利休』と並ぶオールタイムベスト。波乱の人生を送る光明皇后&利休とは対照的に、若く美しいままの宮子さんと宗無は同じポジション(あと、『花図鑑』のシェラザードも)。

    #実忠って実在の人物なんだ!とWikipediaで知りびっくり。意外と好き勝手してませんでした。また、1974年発表の松本清張の古代史ミステリ『火の路』作中に、やはり飛鳥時代の日本にゾロアスター教が伝わっていて、斉明天皇(聖武天皇の高祖母)がその信者だった、という説があるらしい。清原なつのはこれに影響を受けたのかしら?

    (2009/07/24)

  • 清原先生独特の軽いタッチなのだけど、藤原氏の血塗られた系譜を背負った光明皇后の姿が淡々と描かれていて引き込まれます。光明皇后というと慈悲深いといった言い伝えが多いような気がするのですが(曖昧な記憶ですが<(; ^ ー^) )、実は一番藤原氏の業を背負っていたという設定が面白かったです。ただ、このマンガには姉であり夫(聖武天皇)の母である宮子も登場するのですが、宮子の位置づけがイマイチわからなかったです。

  • ひとつ前の世界観。あたしゃもう2つ前が知りたい。

  • 飛鳥昔語りから何年後なんだろう…(遠い目)。
    大人になった私がまたまた魅せられてしまった清原先生の古代もの。
    光明皇后の大仏建立にまつわる独自の、ほんとうに独自のお話なんだけど、もしかしたらこういうのもあったかも…と思わせてくれる、やっぱりシニカルで、哀しいけれどなんか…いいんだよねえ。
    絶対ない!はずなのにこうであってほしいと思ってしまう魔性のまんが。

  • 天平の衣装が素敵。

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