古代ローマの調理ノート (地球人ライブラリー 37)

  • 小学館
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本棚登録 : 21
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092510371

作品紹介・あらすじ

そもそもローマ人は粗食で、ギリシャ人から「お粥すすり」と蔑まされていた。しかし国力増大にともなって、ガストロノミー(美食主義)が花開く。その最たる美食家が、紀元14年2代目皇帝ティベリウスの治世に生きた大貴族アピキウスだった。彼は、あらゆる食材でさまざまなレシピを残していった。雌豚の外陰は、ふすまのなかでころがし塩水に漬けてから調理する。オオヤマネは詰め物をしてローストに。フラミンゴは皮をはいで洗い、形をととのえて…。そのほか、揚げ菓子やフレンチトーストのようなデザート、多くのソース、そして謎の調味料ガルムや幻の植物シルフィウム。美味、珍味を追究したアピキウスの料理書から、古代ローマ人の逸楽の跡を辿る。

感想・レビュー・書評

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  • 目次抜粋
    第8章 四肢動物
    オオヤマネの料理…217ページ

    ※「詰め物をしたオオヤマネのロースト」が紹介されてます。
    オオヤマネの四肢の肉をこしょう、松の実、ラーセル(植物の樹液)、ガルム(魚醤)と一緒にすりつぶし、クネル(角切りの豚肉)1個と一緒に胴体に詰めて縫い合わせ、瓦の上に置きオーブンで焼く。
    蜂蜜を塗ってケシの実をかけて供するという文献も残っている。
    メモ※14 オオヤマネ
    リスに似ている齧歯目ヤマネ科の動物。
    ヨーロッパでは古代ローマの時代に、オオヤマネを飼育して美味な肉としてさかんに食べた。
    その飼育んために、専門の飼育園が設けられただけでなく、荘園では大きな甕(かめ)のなかを暗くし、ドングリ、クルミ、クリなどを飼料にオオヤマネを飼育していた。
    1997年11月20日、株式会社小学館、東京都、全281ページ

  • プロジェクトグーテンベルクに登録された版ではなく、Tacuinus Edition, Venice, 1503(14世紀のヴェネチア版)を底本とした翻訳とのこと。そのため、後世の研究による知見が、反映されていない部分もある。

    特に、今回主眼として調べた
    「ALITER DULCIA」について。本書では「アフリカ産のプティ・パン、発酵していないブドウ汁の入ったもの」とされている。
    プロジェクト・グーテンベルク版では、「Aphrosが何を指すかは不明だが、古英語にいうアプリコット、あるいは他のアフリカ産の果実」とされています。
    また、現代の研究による補記として、「杏(アプリコット)または桃のようなものではないか。皮をむいてクリームに漬け、砂糖をいれたものと考えられる」ともあります。

    アキピウスのレシピは古代の文献、しかも多数の翻訳版や研究者、翻訳者による注釈が多い書物です。
    ですが、だからこそ単一の底本のみで他の版を参照していない書籍では、心もとないように感じました。ゆえに、星は2つとします。

  • アピキウスという古代ローマの美食家のレシピ集と言われるモノ。
    大変に興味深い内容なのだが・・・絶版になっているのが惜しい。
    昔のレシピだから、手に入らない物が多いのかなと思いきや、
    案外、手に入るものが多くて、作れそうなものも多数ある。
    冷静に見て、これ美味しそうだなと思うものも多数あるのだが、
    ただ、突然に「脳・・・・・4個」なんて材料が出てくることがあって、
    えーーーっ!何の脳?!なんて驚くこともあるw

  • はちみつと黒コショウがほぼ全部に使われているのが興味津々。今でも通用するレシピもあり。調味料が揃っている現在は幸せなんだなーと思った。

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