天国にとどけ! ホームラン: 3.11を乗りこえて、バッティングセンターを作った父子の物語 (創作児童読物)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (141ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092897472

作品紹介・あらすじ

生きる勇気を持てる感動物語

2011年3月11日。家族を襲った突然の悲劇。この日、すべてが変わってしまった。ゼロからの出発。
地震の後、会社にいた家族は、車でいち早く避難したが、行方不明。千葉清英さんは、会社の後片付けをしているうちに津波にのまれ、必死に橋の欄干にしがみついて九死に一生を得る。学校に行っていた瑛太くんは、校舎が流されなかったので、そのまま避難していて助かった。
すべてを失った2人―-。
野球少年の瑛太くんを元気づけるために、隣町のバッティングセンターに連れていくドライブの間が、親子の唯一の楽しい時間だった。

公園や、学校の校庭は、仮設住宅でつぶされてしまい、野球する場所はどこにもなかったのだ。
「ぼくだけでなく、友だちもいっしょに、思いっきり野球したい」
瑛太くんの言葉に、お父さんは、街にバッティングセンターを作ろうと奮闘することになる。

2人の夢は、いつしか街の人たち、みんなの夢になっていく。
いくつもの困難を乗りこえて、夢を実現した親子の物語。



【編集担当からのおすすめ情報】
大変な困難と絶望に打ち勝ち、夢を実現した親子の物語は、感動と、生きる勇気を読者に届けてくれます。
物語にも登場する、侍ジャパン代表監督小久保裕紀さんから、オビコメントをいただきました。
実話をもとに物語に書き起こしたノンフィクションは、読む人に強い感動をもたらします。
夢は、持つだけでは、意味がない、かなえるものなんだと、強く訴えかけてきます。
舞台となった気仙沼は、まだまだ復興が進んでおりません。荒れた土地を整備し、住居を整えて、少しずつ前進していますが、それだけで良いのでしょうか? 真の復興とは、何か、心の復興こそ大事なのではないか? あらためて考えさせられる一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 震災を機に、瑛太は父のことを「パパ」から「お父さん」と呼ぶように。
    小4、自立心への一歩‥いじらしい‥

    この本を作り上げる事によって、辛い経験も思い出されたと思います。

    心に伝わってきました。

  • こういうお涙頂戴話は好きじゃないし、表紙を見た感じでも、自分からは絶対に読まなかいタイプの本。

    内容は、311の津波で家族や親せきを失って二人きりになった野球ファンの父子が、支え合いながら、何もなくなった気仙沼にバッティングセンターを作るまでの経緯を紹介している児童書。
    慣れない家事に悪戦苦闘しながら、仕事を頑張って息子を思いやる心優しいお父さんと、弱音を吐かずにお父さんをよく助ける健気な幼い息子という、こういう児童書にありがちの不自然なまでに清潔すぎて人間味のない登場人物ばかりなんだけど、311を題材にした本を、311に読んだら、普通に泣くよね。私スポーツもの嫌いなのに。図書館で泣きながら読んだ。
    もう7年も経ったのか。あの年に幼稚園を卒園した子たちは、来年中学生だって。
    http://www.phoenix-kbc.com/

    と、しみじみした翌朝に、中学生が大会の始球式でアイドルを集団暴行したニュースを知って、やっぱり野球はこの社会から追放されるべきだと思った。あのニュースのせいで、一日気分が悪かった。

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著者プロフィール

1934年東京・浅草生まれ。作家。2022年永眠。
約30年教鞭を取った後著述活動に入る。今回の作品は、八丈小島に赴任当時の経験をもとに執筆。本作が最後の作品となる。第45回児童文化功労賞、『ぼくと戦争の物語』(フレーベル館)にて第1回児童ペン大賞受賞。
主な著書に、『かがやけ! 虹の架け橋』(アリス館)、『火のカッパ』『焼けあとのおにぎり』(以上国土社)、『天国にとどけ! ホームラン』(小学館)、『東京の赤い雪』(フレーベル館)など多数。

「2022年 『じいちゃんの島は宝島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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