秋夜 (P+D BOOKS)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093522168

作品紹介・あらすじ

闇に押し込めた過去が露わに、凛烈な私小説

或る日、生き別れた長男から、彼が経営するホールの祝賀会の案内状が届く。会場は世田谷区松原という。この地には、地縁という不分明な力で、度々磁石のように吸い寄せられてきた。
20代の初めに同棲した女性、消息不明となった長男、3歳の長女を残して消えた妻など、過去の闇に押し込めたはずの暦が同一の空間に甦る。
それは、風が肌を刺すような寒い秋の夜、様々な因縁から逃れられないことを知るのだった……。
自伝的表題作『秋夜』ほか、『むげんの鳥』、『お鳥』、『椿寺』、『むささびの話』、『馬の話』『狐の話』、『桐下駄の話』、『海の洞、『くがみの埋み火』の全10篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • P+D BOOKSも9冊目になる訳ですが、うーむ、なんだかマンネリを感じてきたぞ。最初に読んだ澁澤龍彦のエッセイと『焔の中』がとても良かったんですが、その後は「中の中」を行く作品が多く、好みではあるんだけどパンチ力に欠ける作品が続いている気がする。
    レーベルの方向性、更にそこに自分のフィルターがかかってる訳だからある程度似た傾向の作品が多くなるのは仕方ないのか…。正直、「作者の色」みたいなのが見えてこないんだよな。それとも昭和という時代性によるものなのか?でも安部公房とかもいた訳で色んな作風が実際はあっただろうし、やっぱ上記のフィルターからか。
    という訳で今回の作品集も悪くはなかったんですが、印象に残る作品もなく…ううむ。

  • ▼電子立ち読みあります▼
    http://shogakukan.tameshiyo.me/9784093522168

    闇に押し込めた過去が露わに、凛烈な私小説。  

    或る日、生き別れた長男から、彼が経営するホールの祝賀会の案内状が届く。会場は世田谷区松原という。この地には、地縁という不分明な力で、度々磁石のように吸い寄せられてきた。  

    20代の初めに同棲した女性、消息不明となった長男、3歳の長女を残して消えた妻など、過去の闇に押し込めたはずの暦が同一の空間に甦る。  

    それは、風が肌を刺すような寒い秋の夜、様々な因縁から逃れられないことを知るのだった……。  

    自伝的表題作『秋夜』ほか、『むげんの鳥』、『お鳥』、『椿寺』、『むささびの話』、『馬の話』『狐の話』、『桐下駄の話』、『海の洞、『くがみの埋み火』の全10篇を収録。

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著者プロフィール

少年時代に禅寺の侍者を体験する。立命館大学文学部中退。戦後、宇野浩二に師事する。1959(昭和34)年『霧と影』を発表し本格的な作家活動に入る。1960年『海の牙』で探偵作家クラブ賞、1961年『雁の寺』で直木賞、1971年『宇野浩二伝』で菊池寛賞、1975年『一休』で谷崎賞、1977年『寺泊』で川端賞、1983年『良寛』で毎日芸術賞を受賞する。『金閣炎上』『ブンナよ、木からおりてこい』『土を喰う日々』など著書多数。2004(平成16)年9月永眠。

「2022年 『精進百撰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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