セラフィムの夜

著者 :
  • 小学館
3.13
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本棚登録 : 36
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093794619

感想・レビュー・書評

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  • かなしいお話でした。久しぶりに読んだけど、やっぱり萬月はいいなあ。そしてすごい。「この気持ちは男にはわからない」といった女性の心情を描写しているところがあるが、それこそあのスキンヘッドのオヤジが書いているじゃないかと思うと、ゾクゾクする。萬月作品に出てくる女性は美人が多いから共感し難いのではないかと最初は思うのに、気づけば読みながら痛みを感じていたり苦しくなっていたりする。やはり性の本質を、見事に、鮮烈に、狂おしく表現しているからなのでしょう。けして愛のない性と暴力は書かないところが本当に好きです。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    海峡を越える純愛逃避行の行く末に、2人を待ち受ける運命は。“天使”のような肉体をもつ人妻・涼子と在日韓国人右翼・山本がくり広げる物語。

  • 大島が病むまでは収集のつく話だった。
    終盤に出てくる「男」がいい味のある人。

    山本が誰も守れなくてイラッとした。人間はみんな自分を探すけど、探さなければもう少し楽に生きられる。ハーフの方はこういう苦悩を本当に抱えているのか気になる。
    芳美が可哀想だった。やっと見つけた希望だったろうに。私が芳美のお母ちゃんで自分の子供をあんなめにあわせられたらキレるわ。芳美のお母さんもいい人ではなかったんだろうけど。

  • 何だか一人の作家の本が気にいると、気になると、そればかり読み込んでしまう。今は、萬月氏かなぁ。

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著者プロフィール

1955年東京都生まれ。89年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。98年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、「ゲルマニウムの夜」で第119回芥川賞、2017年『日蝕えつきる』で第30回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『ブルース』『笑う山崎』『二進法の犬』「武蔵」シリーズ、『浄夜』『ワルツ』『裂』『弾正星』『信長私記』『太閤私記』『対になる人』など。

「2021年 『夜半獣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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