民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798129

感想・レビュー・書評

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  • 大前研一氏の本。
    彼は定期的に本を出していますが、世界の動きを知るためによく読むようにしています。
    抜粋は特に気になったところのみですが、情報が詰まっているので一度一冊読んでみることをオススメします。

    【以下抜粋】

    台湾の経営者たちは、日本と中国の間で頼れるものは自分の力だけとあって、
    みんな必死に経営や英語、日本語などの外国語を 勉強しているのだ。
    それで、気がついたら母国語が通じる中国が世界の生産基地にとどまらず巨大市場にまで成長した。
    いまや台湾人は中国が敵国だという意識が完全になくなった。

    今までの先進国の投資家は、感嘆には新興国には向かわなかった。
    「カントリーリスク」という言葉が幅を利かせていて、そのランクが高い国には、よほどの投資案件でもない限り、誰も手をださなかったのである。

    ~ところがいまやカントリーリスクという言葉は死語になった。
    世界中の先進国の投資家が新興国の成長に便乗しようと、これまで石油や金や農産物などを買っていたお金を新興国に入れるようになったのである。
    しかも、それは民間資金だから資本市場的には紐付きのODAよりもはるかに「よいお金」であり、
    欧米帰りの優秀な経営者や将来性のある会社にどんどん回っていくので、
    その循環が新興国ブームに繋がっているわけだ。


    (サムスンの人材育成)
    ~さらに6~7年前に新興国・途上国への留学制度をつくり、3000人の社員をBRICsや、それに次ぐVISTAなどに派遣している。
    彼らが現地で何をしているかというと、
    一年間は仕事をせずに人脈を作り、語学力を磨きながら歴史や文化を学び、
    将来、それぞれの国で責任者になるための土台固めに専念しているのだ。
    このプログラムの費用が年間1000億円。k時jつに思い切った先行投資である。
    人材育成が最優先という原則に気づかず、景気が悪くなると研修費用をまずカットする多くの日本企業と好対照だ。

    しかも、前述したようにその社員たちは全員TOEIC920点以上の英語力がある。そもそもサムスン電子には、900点未満のスコアでは入社できないのだ。

  • 分かりやすい。参考になる。

    ただ、学者の立場やからこそ自由に述べれるんやなあと思った。

    言うは易し行うは難し。やと俺は思う。

  • 結構この人の書いた本は好き。

    でも、自分の言う通りにすれば大丈夫みたいな考え方は今ひとつ。

  • 中国を過大評価しすぎじゃないかと。経済学者の地獄はいまだ健在。データを正確に報告するインセンティブがない。そんな国でこれからもまともな経済成長ができるとは思わない。(加えて言うと、日本政府も経済統計を人数を増やしたほうがいいのではないかとも思う。世界標準に比べてかなり少なかったような)

    その他の部分(原発関係とかこれからのコンビニ業界の事とか)は勉強になりました。

  • p.90 超一品.com

    p. 98 成熟国モデルとは?

    働く上で安定志向にはなれず、予想できない状況への対応力が求められている事が実感できた。

  • ・p.142 海外に赴任する場合、新しい赴任先に着いたら、まず「現地の人たちのほうが自分たちよちも優秀なのだ」と自分に信じ込ませる。
    すると、現場と同じ目線で、職場の問題点が眺められることが多い。

    ・p.227
    日本のサラリーマンは趣味のサークルのようなフラットな社会が苦手なのではないか。
    上下関係がないと、自分がまとめることも、誰かに従うことも難しい。
    皆がわがままを言い始めて統制がとれなくなるケースが多い。
    だが、それでは好奇心や向上心は生まれない。
    楽しくて充実したセカンドライフを送るために欠かせない好奇心や向上心の源となるのは、異質との出会いだ。

    ・p.245 具体策
    金融資産を貯めることが、日本では国家の無駄遣いにつながっている。
    徐々に貯蓄を取り崩すべき。
    都心再開発の安価なマンションやウィークエンドハウスも狙い目。
    モノと固定金利の借金は国債暴落やハイパーインフレに強い。
    国に召し上げられる前に、自分の納得のいくライフスタイルに転換するため、自己資金や借金能力をフル稼働させるしかない。

    // 今のうちに借金してでもモノに変えておけ、ということか。
    典型的なインフレ前夜の状況だなぁ。

  • 今の経済は
    ミクロがマクロを支配。
    個人の心理が支配する経済、心理経済学を知らなければならない。
    景気は循環しない。

    今の日本は
    お金があっても使わない日本の消費者。
    買いたいと思わせる策が必要。

    忘れてはいけない原点
    会社の目的は顧客に奉仕すること。
    機能型の商品より価値型の商品を。
    単身世帯が増えた今、生鮮品をあつかうコンビニと駅が流通の驚異。

    中国よりもインドネシア、ロシア、ウクライナ、ルーマニア。
    現地では現地のヒトに習え。

    日本復活のポイントは民が決めるルール。

    これから私が考えるべきことは
    定年後の長い人生に備えてライフプランを決めること。
    そのために資産がいくら必要か見積もる。
    音楽、スポーツの趣味はたくさんあったほうが良い。

  • これまでの大前作品を踏襲する内容。読み終わっていつも思うのは限られた人生の時間をいかに有意義に使うか?ということ。そのたびに自分の人生について考えさせられる。

  • 伸び行くアジア各国の動きを意識させられる本だった。中でも、今の日本は人材不足であり、また新たな人材を育成する仕組みも新興のアジア諸国に劣っているということが印象に残った。
    世界に通用する教育の仕組みを作っていかなくてはならないし、一人一人が日本国内のことだけでなく、世界(特に近隣のアジア諸国)を意識して仕事や勉強をしていかなくてはいけないと感じた。

  • 海外進出は何もチャイワンに限ったことでなく、欧州の新興国やアジアでもインドネシアなどチャンスのある国がたくさんあることを学んだ。また日本は、制度、税制など他の国と比べ厳しいところや、遅れていることがまだまだある。先進国なところは技術力だけ?その技術力も韓国を筆頭に追い詰められている。

    マインドセット
    目的は何かを常に考えていれば答えが出てくる

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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