天皇メッセージ

著者 :
制作 : 須田 慎太郎 
  • 小学館
4.11
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本棚登録 : 28
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093801089

作品紹介・あらすじ

込められた思い。たくされた祈り。

◎『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』(2015年)増補改訂版

天皇・皇后両陛下がのこされた32の言葉を美しい写真とともに紹介する国民必読の書。

「普通の日本人だった経験がないので、 何になりたいと考えたことは一度もありません。 皇室以外の道を選べると思ったことはありません」
――明仁皇太子、1987年。アメリカの報道機関からの質問に対する回答。

「石ぐらい投げられてもいい。 そうしたことに恐れず、県民のなかに入っていきたい」
――明仁皇太子、1975年。沖縄訪問を前に。

「だれもが弱い自分というものを 恥ずかしく思いながら、それでも絶望しないで生きている」
――美智子皇太子妃、1980年。46歳の誕生日会見より。


あなたは天皇・皇后両陛下の言葉に耳を傾けたことがありますか?

【目次】

はじめに
1章 I Shall be Emperor.
2章 慰霊の旅・沖縄
3章 国民の苦しみと共に
4章 近隣諸国へのメッセージ
5章 戦争をしない国
6章 美智子皇后と共に
7章 次の世代へ
あとがき




【編集担当からのおすすめ情報】
本書は、2015年発売の『戦争をしない国 明仁天皇メッセージ』に、退位についての「お考え」の表明、最後のお誕生日会見ほか、3つの言葉を新たに加えた決定版になります。発売から3年を経た旧版には、現在も読者からの感想が多数寄せられています。こうした声に背中を押される形で、このたび発刊に至りました。天皇皇后両陛下の言葉と足跡をぜひ多くの方に知っていただきたいです。

感想・レビュー・書評

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  • 平成天皇と美智子様がこれまでに発せられたおことばやお詠みになった歌、に、筆者の解説を加えた本。短くて易しい。
    沖縄のこと、原発のこと、憲法のこと、戦争のこと、美智子様のこと、退位のこと、などなど。知ってたこともあれば知らなかったことも。


    「天皇・皇后陛下が被災地を訪れ現地の方々にお言葉をかけられました」というニュースは、物心ついたころには平成になってた(5歳くらいだった)私にとってはもはや見慣れたおふたりの姿で、ああまたか、地震あったものな、くらいにしか思っていなかったが、「国民の苦しみに寄り添う」というそのスタイルは、象徴天皇としてのあり方について考えに考え、模索し続けてきたおふたりの答え、のひとつの形だったんだ、と認識を新たにした。


    国政には関わらない立場だが、メッセージは発している。
    糾弾でも批判でもなく、皮肉や嫌味でもなく、虚無や厭世でもなく、卑屈でも迎合でもなく、静かに堂々と、芯の通った主張をし続ける。というところがすごい。

  • ▼(本文より。明仁さんの言葉)
    (国旗掲揚、国歌斉唱について)やはり、強制になるということではない方が望ましいですね。

    ▼「天皇メッセージ」矢部宏治・須田慎太郎著、2019年小学館。2019年9月読了。平成天皇さん、その奥様の美智子さんが、公的な場面で残した発言を集めて編集した本です(どうも天皇さん、という敬称は、むしろ馬鹿にしている感じに聞こえますね・・・明仁さん、とすべきか)。編者(著者)の解説文はちょっと情緒的過ぎるというか思い入れが強すぎてさほど感心しませんでしたが、明仁さんと美智子さんの言葉はもともと結構ファンなので、味わい深く読みました。

    ▼かなりの分量が、編者の意図なのか、満州事変から太平洋戦争への時代の解釈、そして沖縄への言及に裂かれています。沖縄についてだけでも、戦後数十年、明仁さんほど沖縄の人の心を打った言葉を残し続けたヤマトンチュはいなかったのではなかと思います。パチパチ。

    ▼ヒステリックに反権力や、なんにせよアンチ○○な価値観、☓☓批判、を振りかざすのはあまり健康的では無いと思っています。ただ、それにつけてもこの何年かの(世界的な?)ポピュリズム、右傾化、嫌韓反中などの”ヘイト”の潮流はげんなりします。そんな時代に、象徴天皇という職業を、選択の余地無く与えられるという強烈に辛い状況の天皇さんが、もっとも理性的でリベラルで寛容な発言を貫いている”日本のセレブリティ”だと言うのは改めて驚きです。ノーベル平和賞、あげたい。

    ▼新型コロナ禍に見舞われている2020年4月現在、貧富の差や、精神的な不安定さ、人間関係のあり方や、他者への寛容さなど、考え出すときりがない課題が、個人としても集団としても拷問のように炙り出されているような気もしますが、以下の美智子さんの言葉には、ハッとさせられます。

    ▼(本文より)
    だれもが弱い自分というものを恥ずかしく思いながら、それでも絶望しないで生きている。

  • 写真が美しかった。天皇皇后両陛下が現憲法の象徴としてのあり方を模索し築き上げた歴史と功績が書かれている。自分を直接的に表現できないのは難しいのか。

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著者プロフィール

(やべ こうじ)1960年兵庫県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。株式会社博報堂マーケティング部を経て、1987年より書籍情報社代表。著書に『知ってはいけない――隠された日本支配の構造』(講談社現代新書)、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』(以上、集英社インターナショナル)、『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること――沖縄・米軍基地観光ガイド』(書籍情報社)、共著書に『本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」』(創元社)。企画編集に「〈知の再発見〉双書」シリーズ、J・M・ロバーツ著「図説 世界の歴史」(全10巻)、「〈戦後再発見〉双書」シリーズ(以上、創元社)がある。

「2019年 『日本はなぜ、「戦争ができる国」になったのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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