- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093861311
作品紹介・あらすじ
臨床心理士・嵯峨敏也はある小学校の女性教諭に注目する。彼女は独自の音楽療法を用いて不登校の児童たちを立ち直らせ、文部科学省からも教育者として高い評価を受けていた。が、彼女の一家を襲った惨劇が、彼女の人生を大きく変えてしまった。凶悪な犯行に及びながらも決して罰せられることがない犯罪少年に、彼女は激しく憎悪を燃やす。やがて復讐の一線を越えたとき、彼女のなかに冷酷な"もうひとりの自分"が宿り始めた…。「催眠」の本格的サイコミステリーに立ちかえりつつ、より一層のリアリズムに満ちた精神医学と臨床心理学の世界を背景に、嵯峨の知識と能力の限りを尽くした活躍を描く新機軸スリラー最高傑作。
感想・レビュー・書評
-
賞賛を送る人も多いでしょうね。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
聴覚に優れピアノの音色を聞くだけで弾き手の心を読み取ることが出来る音楽教師が、未成年により自分の家族を惨殺されたことにより狂気に追い込まれていくお話。
読み始めは「少し古いのかな?」と思ったけど面白い!あっという間に読破。絶対音感的な話だけではなく法で裁けない未成年の犯罪に対する問題もかなり考えさせられる。 -
高校事変を読み、松岡圭祐という作家に興味を持ちこの作品を読んだ。ここまで研ぎ澄まされた感性の持ち主がいるかは別として、臨床心理士とのやり取りを含め大変面白かった。主体は常に人々の側にあり、今日は明日に備えるためにある。
-
有名音楽教師を突然の惨劇が襲う。
家族を殺したのは13歳の少年だった……。
彼女の胸に一匹の怪物が宿る。
臨床心理士・嵯峨敏也の活躍を描く「催眠」シリーズ。 -
カウンセラー嵯峨の活躍する話。
少年法で守られる加害者。
少年法のせいで、悲しみのどん底に突き落とされる被害者遺族。
遺族が、少年法があるが故に守られることになってしまった加害者に対して抱いた気持ちを、行動に移したとき、
カウンセラーは何が出来るのか?
少年法、そして、『目には目を』という考え方との衝突。
果たして、嵯峨の行動は・・・・ -
更に、松岡圭祐のファンになる1冊。
嵯峨がいい具合にストーリーを演出しています。 -
なかなか読ませる内容。
心理描写もよく描かれてるし、一気に読ませる内容も好感。
ただ、復讐の場面の描写は、もう少し詳しく描かれても良いかも・・・。ピアノを扱った題材だが、以前読んだ「シューマンの指」を思い出した。
少年法の問題点に光をあてた題材だが、東野圭吾の「さまよう刃」のような後味の悪さはない。きちんと少年が制裁を受けて殺されるのが自分好みではある。 -
ピアノの音色を聴くと、その人の心理状態がわかる。。
特別な才能をもった女性音楽教師。
彼女に突然の悲劇が襲いかかる。
両親と子供たちの理不尽な死。
犯人は13歳のため罪にも問われず無罪放免となる。
彼女の心は復讐へと向かった・・・
「催眠」の嵯峨敏也、大活躍。
相変わらずの誠実な必死さが好感です。
千里眼シリーズの荒唐無稽なハチャメチャさはないけれど
でも面白い