カウンセラー

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 126
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093861311

作品紹介・あらすじ

臨床心理士・嵯峨敏也はある小学校の女性教諭に注目する。彼女は独自の音楽療法を用いて不登校の児童たちを立ち直らせ、文部科学省からも教育者として高い評価を受けていた。が、彼女の一家を襲った惨劇が、彼女の人生を大きく変えてしまった。凶悪な犯行に及びながらも決して罰せられることがない犯罪少年に、彼女は激しく憎悪を燃やす。やがて復讐の一線を越えたとき、彼女のなかに冷酷な"もうひとりの自分"が宿り始めた…。「催眠」の本格的サイコミステリーに立ちかえりつつ、より一層のリアリズムに満ちた精神医学と臨床心理学の世界を背景に、嵯峨の知識と能力の限りを尽くした活躍を描く新機軸スリラー最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 賞賛を送る人も多いでしょうね。

  • 聴覚に優れピアノの音色を聞くだけで弾き手の心を読み取ることが出来る音楽教師が、未成年により自分の家族を惨殺されたことにより狂気に追い込まれていくお話。

    読み始めは「少し古いのかな?」と思ったけど面白い!あっという間に読破。絶対音感的な話だけではなく法で裁けない未成年の犯罪に対する問題もかなり考えさせられる。

  • 高校事変を読み、松岡圭祐という作家に興味を持ちこの作品を読んだ。ここまで研ぎ澄まされた感性の持ち主がいるかは別として、臨床心理士とのやり取りを含め大変面白かった。主体は常に人々の側にあり、今日は明日に備えるためにある。

  • ピアノを用いて多数の不登校の児童たちを立ち直らせたことで高い評価を得ていた由佳里。音楽、特にピアノに対する高い感受性を持つ彼女の一家が惨殺されたとき、彼女の感性と精神に異変が起こる…。
    すごく無理をして生きているような由佳里が痛々しかった。ありあまる才能はそれだけでは人を幸せにしないのかもしれない。

  • 有名音楽教師を突然の惨劇が襲う。
    家族を殺したのは13歳の少年だった……。
    彼女の胸に一匹の怪物が宿る。
    臨床心理士・嵯峨敏也の活躍を描く「催眠」シリーズ。

  • カウンセラー嵯峨の活躍する話。

    少年法で守られる加害者。
    少年法のせいで、悲しみのどん底に突き落とされる被害者遺族。

    遺族が、少年法があるが故に守られることになってしまった加害者に対して抱いた気持ちを、行動に移したとき、
    カウンセラーは何が出来るのか?

    少年法、そして、『目には目を』という考え方との衝突。

    果たして、嵯峨の行動は・・・・

  • 更に、松岡圭祐のファンになる1冊。
    嵯峨がいい具合にストーリーを演出しています。

  • なかなか読ませる内容。
    心理描写もよく描かれてるし、一気に読ませる内容も好感。

    ただ、復讐の場面の描写は、もう少し詳しく描かれても良いかも・・・。ピアノを扱った題材だが、以前読んだ「シューマンの指」を思い出した。

    少年法の問題点に光をあてた題材だが、東野圭吾の「さまよう刃」のような後味の悪さはない。きちんと少年が制裁を受けて殺されるのが自分好みではある。

  • 少年犯罪と音楽に関する共感覚、その感覚故のPTSDによって起こる哀しいミステリ。

    それにしても心理療法士。
    いつかかかる日があるなら、嵯峨先生にかかりたい・・・でもそれはムリ。

  • ピアノの音色を聴くと、その人の心理状態がわかる。。
    特別な才能をもった女性音楽教師。
    彼女に突然の悲劇が襲いかかる。
    両親と子供たちの理不尽な死。
    犯人は13歳のため罪にも問われず無罪放免となる。
    彼女の心は復讐へと向かった・・・

    「催眠」の嵯峨敏也、大活躍。
    相変わらずの誠実な必死さが好感です。
    千里眼シリーズの荒唐無稽なハチャメチャさはないけれど
    でも面白い

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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