真犯人

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 227
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864251

作品紹介・あらすじ

2015年ミステリー界のダークホース!

東名高速道路裾野バス停付近で、男性の他殺死体が発見された。被害者・須藤勲は41年前、息子・尾畑守を誘拐されており、遺体は発見されたが事件は未解決のままだった。静岡県警の日下刑事は、須藤の死と誘拐事件に関連性があると捜査を開始する。尾畑守くん誘拐事件については、時効直前の昭和63年夏、県警の威信をかけて再捜査が行われていた。日下は再捜査の指揮をとった当時の管理官・重藤成一郎元警視に面会を求める。
41年前、静岡県で起きた幼児誘拐事件。
26年前に時効成立した事件が、いま再び動き出す。
二度敗北した静岡県警に、三度目の機会はないはずだった。

【編集担当からのおすすめ情報】
江戸川乱歩賞受賞作『誘拐児』から7年、
誘拐ミステリーの新たな金字塔、誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 読後、罪を抱えたままの歳月を重ねた犯人及び被害者家族、そして刑事たちの、人生の重さに圧倒された。
    未解決の幼児誘拐殺人事件が時効直前になり、警察幹部の思惑により再捜査を命じられた刑事たち。捜査を続ける過程で、三組の刑事たちがそれぞれの立場で三様の犯人像を描き、互いに相克しながらもひたすら犯人を追いかける。刑事たちと共に読み手も、誰が一体犯人なのか、と思いを巡らしながら、ひたすら頁をめくるだけだった。
    罪の歳月の重さとともに、刑事たちの捜査活動がリアルに描かれた、王道派の警察小説の傑作。

  • 意外性に乏しいストーリー。結局真犯人はやっぱりこの人か、なぜ殺した(?)のかが想定の範囲内。

  •  『人さらい』が読みたくて、本書とシリーズになっていることを知り、慌ててこちらを読んでみた。結果、面白かった。考えてみると、『誘拐犯』が面白かったことを思い出した。なぜ今まで読まなかったんだろうと後悔。でも、読めたから良しとしよう。

     さて、中古自動車販売店のオーナーが殺されたところから物語は始まる。目撃者はなく、現場に残されたのは何かの赤い破片のみ。捜査をしていくうちに、被害者は、41年前に起こった幼児誘拐殺人事件の被害者幼児の父親であることが判明した。そして、その事件は犯人逮捕に至らず時効を迎えてしまった事件だった。
     今回の捜査員が当時、その事件を担当していた管理官に話を聞きに行くことになる。今回の事件を解決する鍵は必ずそこにある。そして、当時の事件の回想をしながら、今回の事件を追っていくという時空を超えた2つの物語を読者は堪能することになる。

     いやあ、本当に贅沢な物語だった。今回の事件だけでなく、時効を迎えてしまった当時の事件も同時に読んでいくことになり、壮大なスケールの物語を読んでいると実感。
     当時の無念を、昔と今の刑事の執念が晴らした瞬間、胸が熱くなった。

  • 翔田寛さん、初です。
    東名高速脇で発見された被害者の身元が判明したら、それは41年前に誘拐殺人事件被害者子供の父親とわかった。
    当時必死の捜査にもかかわらず、不可解な点を残したまま未解決となったこの事件は、時効一年前に再び新たに各方面から腕利きの刑事で構成された特別捜査本部を設置し、再び新しい視点で挑み、あと一歩というところで思いもよらない結末を迎え解散していた。
    当時の管理官を訪ね協力を仰ぐのだが、なかなか話してはくれない。必死に食い下がり、「3度目はないと思っていた」と重藤元管理官は徐々に重い口を開け話し始める…

    現在の描写が一割くらいで、ほとんどが管理官の回顧録で構成されてます。41年経って真犯人がわかるのですが、そこに至るまでの苦悩、時間が経ち過ぎたことがらへの総直当たりの難しさ、個性それぞれの捜査本部の刑事たちの立てる筋、たまに平成のシーンに戻るとはっと我に帰ります。どんなに集中して読んでたかと思うほどです。
    途中で読むのをやめられない作品でした。最低限の家事時間も惜しく、揚げ物しながらも読む始末でした。
    他のも読んでみたいです。

  • このページ数にして内容が非常に練られて面白い。あれはどうなったの?などあったけどストーリーは秀逸。もっとキャラが立って、細かいところに必然性が成立すれば64に匹敵するかも。

  • 時間を忘れて没頭してしまいました。ここまで夢中になったのは久しぶりかも。間もなく時効を迎える一つの事件を再捜査することに。これまで見落とされていた事柄が次々と明らかになり、思わぬ方向へと展開していく。見事なストーリー展開ですね!

  • 一人の男性が殺され、その男性が41年前の誘拐事件で殺害された子供の父親だったことから、未解決だった41年前の事件に再び迫っていく・・・とても正統派な警察小説。この作家さんは初読みだが、時効の1年前に行われた特別捜査班が3つの視点で真犯人に迫っていく様子は思わず息を飲む。

  • 少しややこしくラストもさほど衝撃的でもなかった。

  • 2017/8/20一日で読んでしまった。ありがちな設定ではあったが、グイグイ読まされた。★5

  • 時代をまたいでつながる、事件を解決する物語
    読み応えがあります

    無理のある部分がないわけではありません
    しかし、後半の展開には引き込まれました

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著者プロフィール

1958年東京都生まれ。2000年「影踏み鬼」で第22回小説推理新人賞を受賞し、デビュー。01年「奈落闇恋乃道行」で第54回日本推理作家協会賞(短編部門)候補となる。08年『誘拐児』で第54回江戸川乱歩賞受賞。14年「墓石の呼ぶ声」で第67回日本推理作家協会賞(短編部門)候補に。17年『真犯人』で第19回大藪春彦賞候補になり、18年にWOWOWで連続ドラマ化。他の著書に『人さらい』『左遷捜査 法の壁』『左遷捜査2 迷宮入り事件』『冤罪犯』など多数。

「2022年 『時効犯』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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