- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093865319
感想・レビュー・書評
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股関節に故障を抱え、生後六か月から二歳の現在に至るまで子供病院に通わなければならない我が娘。しばらく前までは全身を装具でくるまれて身動きひとつできなかった。そんな状況下でイチさんの一言。「小春は食べて寝て笑ってくれればそれでいい。それだけでとても楽しいことだ。」始まって10ページも読み進まないエピローグで涙腺崩壊。400ページもあるのに先が思いやられる。かなりやばい。理不尽と矛盾を無情な網の目のように張り巡らす大学病院。真摯に駆け回る医者たちを片端から絡め捕ってしまう。心ある多くの医師が、身動きもできず、良心を痛めてのたうち回る。それでもイチさんは自らを貫き通す。神々しい後ろ姿には涙も枯れてしまう。
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感動してしまった。
命の現場のお話は、小説であるとはわかっていますが
こころに刺さるものがあります。
主人公も魅力的ですが。その周りの医師たちの
パーソナリティが魅力的な人物像がいろいろあると
思いました。特に主人公の班長は、昔の自分(若い時)としてはめざすべき人物像だったような気がします。 -
その後の話し。安定の面白さ。登場人物が魅力的。
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“勇気とは重圧の中での気高さである”
作中に出てくるヘミングウェイのこの言葉が、物語を貫いていると感じました。仕事における様々な困難、時には修羅場の中で、如何に気高さを保てるか。仕事とは何か、プロとは何かを考える上で、この言葉が心に深く響きます。
シリーズの舞台を大学病院に移し、組織の複雑さや理不尽さを描きながらも、一人一人の医師の専門性の高さ、プロフェッショナル集団としての大学病院の凄みを描いた本作。医師でもある作者の確かな知識に裏打ちされ、病院内の描写はとてもリアルです。同時に、個性と人間味あふれる登場人物たちの言動や人間哲学によって、作品世界に奥行きと彩りが生まれます。
作者のストーリーや文体、描こうとする主題が、シリーズを通して変わってないことを改めて感じさせます。多くの人が安心して読める、そして、医療とは何か、人としてあるべき姿は何かを考えることができる良作だと思います。
最後に、物語の中から、印象に残ったフレーズをいくつか。
「“心配ない。小春はただ食べて寝て、わらってくれればそれでいい”」(p14)
「世の中は難しいことが多い。だがだからといって、君が難しくなっていいわけではない。どんな理由を述べたところで、嘘と卑怯と小細工は恥ずかしいことだ。」(p175)
“急がず、焦らず、投げ出さず。大変なときは、いつもそうやって乗り越えてきたんですから”(p450)
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良いとわかっているけれども、やはり良い。
ひとつだけ願えるなら、蕎麦は食べてほしかった。 -
第1作目から涙なくしては読めない作品。きれいごととばかりでなく、命と向き合う大切さ、しんどさ、不条理さが伝わるからかもしれません。
最近、新聞で大学病院で働く医師の重労働が取り上げられていました。この本を読む限りでも大学病院に限らずとも医療現場で働く医師たちの労働基準法など存在しないかのような過酷な労働は見えてきます。
本条病院から信州大学病院へと職場を移した一止。引きの栗原は大学病院でも健在なのに、加えて大学院の研究、研修医の指導とさらに過酷になってきてます。
中間管理職のつらさも味わってます。
得てして患者に好かれる医師は組織では倦厭されがち。そんな一止が研修医、若手、先輩や教授たちに囲まれてどう生きていくのか興味がありましたが、やっぱり真面目さは変わらずでした。
医学生や医師による犯罪の報道が以前に比べて増えてきている中、それでも願わずにはいられません。“純粋に患者の話”をする医師が減らないことを。 -
神様のカルテを読むと、私もがんばろうっていう気になる。
多様な人間が成すゆるやかな連帯。
仕事の上で大切にしたい考え方。 -
どんな時でも、どんな場所でもぶれない一止は凄いなー(*゚Д゚*)一止の職場や御嶽荘の話も良いけれど、凄いお酒が登場するのも…(*゜Q゜*)
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私の好きなシリーズ。いつも通り登場人物の皮肉が爽快、一方で人命や医療のあり方について考えさせられる場面もあって、面白さと中身両方を備えた小説だと思う。
「新章 神様のカルテ」を読みたくて、図書館に予約していますがまだ来ません。
早く読みたいです。
「新章 神様のカルテ」を読みたくて、図書館に予約していますがまだ来ません。
早く読みたいです。