- Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093866064
作品紹介・あらすじ
いつもこころに推しおじさんを
妄想恋愛なら、いつでもどこでもSPECIALなあなたに会えるーーーー。年の差だって、奥さんがいたって、ソーシャルディスタンスだって、どんな障壁も超えていける、それが進化形プラトニックラブ。
総武線の通勤ラッシュに揉まれながら、今日もお茶の水の文房具会社に出勤するOL・玉恵。そんなある日通勤電車内で、玉恵は、突然知らないおじさんの怒鳴られる。玉恵は、そのむかつくおじさんのことを毎日毎日思いだし、いつしか脳内にそのおじさんの幻影を飼い慣らしてしまう。
もう二度と会うことのない人だと思っていたおじさんを、たまたま街角で見かけた玉恵は、そっとあとをつけてみることに。そんなことを繰り返すうちに最悪な出会いを果たしたはずのおじさんが、気になる存在となり、玉恵の心を大きく占め始め・・・・。
妄想界のCEO辛酸なめ子が、リアルな恋愛を凌駕する妄想恋愛小説を上梓。恋に仕事に頑張りすぎてる貴方へ贈る究極の癒やし小説です。
【編集担当からのおすすめ情報】
リアルな観察眼で定評のある辛酸なめ子さんの数々の爆笑エッセイ。その類い希なる観察眼を「妄想」に向けてみたら、さらに凄まじかった!ソーシャルディスタンス時代の恋愛にはプラトニックが一番!実は、リアルより楽しくて、官能的かもしれません!明日から、私も「「推しおじさん」を作って、勝手にあんなことやこんなことして、楽しんじゃおうかな。。。なんて思える妄想全開プラトニック小説です!
感想・レビュー・書評
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文具メーカーに勤める玉恵は、電車通勤である。
毎朝、おじさんに囲まれてぎゅうぎゅうになりながらも白シャツの素材の違いでその人の経済力とか家庭の事情を想像しているのに笑えた。
きっかけは、電車で押してきたおじさんに文句を言ってから…2度目、3度目にはストーカーの如く跡を付けて家庭状況など想像したりする。
普通のOLが、絶対しないであろうことをするのに驚いた。
それからおじさんとの距離が縮まり、偶然に会えば話をする関係に。
世の中にはおじさんという枠で括ればかなりの人数になる。
関わり方次第で年代を超えて見えてくるものが違ってくるのだろう。
ちょっと和ませてくれた関係だった。
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いい感じにゆるーく隙間時間にさくさく読む事が出来ました。
あらすじだけ見ると電車のおじさんとの話だけかと思いましたが、実際は癖の強い同僚たちとの話などもあり個人的にはもう少しおじさんの正体が知りたかったかな?
「一家にひとり、推しおじさん」というセリフには笑ってしまいました。 -
辛酸なめ子さんの小説。亀戸在住でお茶の水の文房具会社に勤務する玉恵が主人公。総武線での通勤時、満員電車で押してきたおじさんに注意し怒鳴り返されたことをきっかけに、おじさんに疑似恋愛する。玉恵の行動や心の声にはなめ子さんの要素がたっぷり。主人公のモデルはなめ子さんご自身なのではないかと思う。自社製品のノートにたくさん思うことを書き出し、自分の感情に折り合いをつけていく玉恵。「許すことは手放すこと」などという真理に辿り着き、それによって生きやすくなったり。疑似恋愛とは言え、おじさんと何度もばったり会い、そのたびににおじさんのイメージをアップデートしていく。勤務先での同僚たちとの出来事も多く書かれている。淡々とした語り口調だが、独特で面白いことが書かれていたり、もちろんスピリチュアルな内容もあり、なめ子さんらしい小説だなと思った。
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面白かった。ほぼ妄想で物語はすすむ。
文房具メーカーに勤めている女性が主人公。
電車でたまたま乗り合わせた人々を観察し妄想。
社内で一緒に仕事をした人と妄想プラトニックラブ。距離が近づくと、近づきすぎないように嫌なポイントを見つけて嫌な妄想をして平静を保っているところが笑えた。
たまたま出会ったおじさんに恐る恐るも大胆に近づいていくところも面白い。おじさんとの不思議な関係がなんとも言えない。おじさんの今後が気になるまま終わってしまった。 -
辛酸なめ子さん、名前は以前から気になっていました。多分、著書は初めて読みました。
不思議な世界観の本でした。
エッセイかと思いましたが、巻末に「本作品はフィクション…」とあったので、小説なのかもしれません。
20代後半のOL玉恵の日常を、玉恵の妄想を含めて描いています。
途中で読むのを止めようかと思いましたが、なぜか最後まで読んでしまいました。
ブクログ内で、小説読了239冊。 -
2023 7/22
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電車で怒鳴られたおじさんが気になって仕方ない文具会社勤務の玉恵の様々な妄想っぷりがすごく面白い。辛酸なめ子さんの頭の中もきっとこんな感じで、いろんな人との妄想をしながら人との距離感とかはかっているのかなと感じた。最初は怖かったおじさんはその後、街中で見かける度に新しい顔を見せ、喫茶店でお茶するまでになり、最後にはおじさんの幸せを願うまでに玉恵との関係性が変化するのも面白かった。
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世の中の8割は、おじさんの頑張りで成り立っているのかもしれないなぁ…とやたらとおじさんにばかり目がいくようになってしまった。
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めちゃくちゃ好き。
玉恵みたいに生きたら幸せだろうなあ。
私もノート使うなら煩悩を書き綴りたい。 -
女子目線でみた、男性(おじさん)との交流や、会社での人間関係などを描いた作品。
主人公の心理描写は丁寧ですし、「こういうメンタリティの女子、いそうだなぁ」と感じます。
…女子に限らず、だれでもこの作品の主人公のように悩んだりモヤモヤしたりしながら生きているのでしょうが。
とはいえ、若干「こじらせ系」な雰囲気の主人公であったことや、同僚たちのクセのある個性もあり、なんとなく煮え切らない読後感です。