人面島

著者 :
  • 小学館
3.06
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本棚登録 : 713
感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866408

作品紹介・あらすじ

隠れキリシタンの島で起きた、密室殺人の謎 相続鑑定士の三津木六兵の肩には人面瘡が寄生している。毒舌ながら頭脳明晰なその怪異を、六兵は「ジンさん」と呼び、頼れる友人としてきた。ある日、六兵が派遣されたのは長崎にある島、通称「人面島」。村長の鴇川行平が死亡したため財産の鑑定を行う。島の歴史を聞いた六兵は驚く。ここには今も隠れキリシタンが住み、さらに平戸藩が溜め込んだ財宝が埋蔵されている伝説があるという。一方、鴇川家にも複雑な事情があった。行平には前妻との間に長男・匠太郎と後妻との間に次男・範次郎がいる。だが二人には過去に女性をめぐる事件があり、今もいがみ合う仲。さらに前妻の父は島民が帰依する神社の宮司、後妻の父は主要産業を統べる漁業組合長である。そんななか、宮司は孫の匠太郎に職を継ぐべく儀式を行う。深夜まで祝詞を上げる声が途切れたと思いきや、密室となった祈祷所で死んでいる匠太郎が発見された。ジンさんは言う。「家族間の争いは醜ければ醜いほど、派手なら派手なほど面白い。ああ、わくわくするなあ」戸惑いながらも六兵は調査を進めるが、第二の殺人事件が起きて――。毒舌人面瘡のジンさん&ポンコツ相続鑑定士ヒョーロク、今度は孤島の密室殺人に挑む! 【編集担当からのおすすめ情報】 シリーズ第一作『人面瘡探偵』も文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • 相続鑑定士の三津木とその相棒・人面瘡 "ジンさん" が活躍するミステリー第2弾は、長崎県沖合いの小島を舞台とした連続殺人事件。

    なんとこの小島、人の顔のような形をしていて(縦長の楕円形状の島で、中央には目玉のような2つの池が並び、南端には口のように左右に深く切り込んだ入江がある)、 "人面島" と呼ばれているのだとか。人面瘡に人面島っていくらなんでもやりすぎ(笑)。

    人面島には、江戸時代からの因習(隠された宗教、家父長制、閉鎖的なムラ社会)が色濃く残っていて。そんな島で一番の資産家/権力者が亡くなり、その遺産相続人が順番に殺されてしいく。事件に巻き込まれた三津木は、ジンさんに引きずれるようにして事件の真相に迫っていく。これって、前作(「人面瘡探偵」)と全く同じパターンだ。そういえ、ば前作で三津木は遺産調査をするなかで凄いお宝(レアメタルの鉱脈)を発見したのだが、本作でももの凄い観光資源を見つけちゃう。前作よりストーリーはダイナミックにはなっているけど、ここまで同じとは…。

    人面瘡シリーズ、ワンパターンでいくのかな。両作ともラストで少しオカルトチックな雰囲気を出してる。この部分を掘り下げていくと面白そうだけどな。

  • 隠れキリシタンの島で起きた連続殺人を相続鑑定人のヒョーロクとジンさんコンビが解いていくシリーズ2作目。

    登場人物が少ないのと限られた人間関係のため盛り上がりも少ないです。事件もなんだか尻つぼみな感じでしたが、設定はわかりやすかったです。

    相変わらず口の悪いジンさんとの掛け合いは面白く、今後ジンさんとヒョーロクの関係や謎がどうなっていくか楽しみです。

  • 前作あるの知らずに読んで、人面瘡⁉︎喋るの⁉︎

    閉鎖された島で起きる殺人事件を六兵さんと人面瘡のジンさんが事件の真相に迫る!お話。

    六兵さんとジンさんの掛け合いが面白かったです。

    六兵さんて何かヤバイ人⁇で終わりました。

  • 人面瘡探偵シリーズ。
    長崎の離島で隠れキリシタンの末裔達の閉鎖的な環境。
    その中で起こった連続殺人事件に巻き込まれるヒョーロクとジンさんの奮闘物語。
    事件や結末は正直あまり面白味を感じなかったけど。
    ヒョーロクとジンさんの掛け合い。
    主にジンさんの罵詈雑言のオンパレードに腹抱えて笑いました。
    ただ、このシリーズはもういいかなとも。

  • 『人面瘡探偵』の続編。シリーズ化されると思わなかったのでちょっと驚いた。主人公のヘタレキャラが苦手なので、興味のないシリーズなのだが、著者ワールドはどこでつながるかわからないので、押さえておく。

    今回は、孤島での遺産相続を巡る鑑定で、相続人が次々と殺される。隠れ切支丹とか隠し財宝とかこれ見よがしだが、最近のミステリとしては定石通り。

  • 途中で相続のことで「それ違くない?」って思う部分があって、それが気になってしまってなんだか集中できなくなってしまった。それがその後の事件に関係があるのか?っと思ったがそうでもなくて、なんだかなーって感じ。
    中山さんともあろう方が相続のことよく知らないんだなと、ちょっとがっかりしてしまった。校正さんも気が付かなかったのかな~。なのでうーんて感じです。

  • 人面瘡以外はありきたりに自分は感じました。
    雰囲気的には横溝正史みたいですね。

  • 中山さんにしてはオーソドックスで大衆向けかなと思った。みんなが書いてるように横溝作品ぽい2時間サスペンスを描きながら書いたのかなーと。

    孤島での地主一族の確執。先代の死による相続が絡んで更に泥沼。そして起こる殺人事件。隠し扉に鍾乳洞に隠された宝物…

    ミステリーの定番、という感じで、中山さんより有栖川さんぽいなと思った。

    主人公とジンさんのやりとりのおかげ?、物々しい雰囲気もなく良い意味でさらっと読めた。

    主人公こわっ笑、ってなって終わった。
    前作未読なので次は人面瘡探偵を読みます。

  • ちょっと肩透かし。
    もう少しドロドロとして捻ってくれたら嬉しかったんだけどなあ。
    トリックはわからなくてもストーリーから犯人の目星はすぐ付いたし、挿絵が怖い割に内容は特に恐ろしくもない。
    一番の謎は表紙の落下していく人物の絵だけど、転落死した人物もおらず、特に内容と関係あったようには思えない。
    主人公とジンさんとの掛け合いは面白いし、この妖しい雰囲気は大好きなので、主人公たちについて新たな情報が欲しかった。

  • シリーズ第二弾。
    作中に堂々と「横溝的展開」って出てきて吹き出してしまった!

    時代に取り残された島で人々は排他的な世界を打開することも出来ずに暮らしていたのに、安易な理由とも取れる動機であっさりと全て壊してしまう犯人。この落差が読後にじわじわ効いてくる。
    そしてあのラスト。やっぱりこのシリーズはホラー。

    そう、雁字搦めで身動きが取れないようなものが崩れるときは意外な理由で呆気ないものかもしれない。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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