PD 検察の犬たち

著者 :
  • 小学館
3.55
  • (2)
  • (4)
  • (4)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 42
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093866590

作品紹介・あらすじ

天才か、稀代のペテン師か。 東日新聞社役員の西岡は、会社絡みのある通夜席で、久しぶりに販売局お客様センター窓口の折原と顔を合わせる。折原は、かつて西岡が地検特捜部担当になった頃、他紙を凌駕する存在だった。 彼を中心に据えた東日検察回りの面々は、一連のゼネコン疑獄報道の果てに巨悪に辿り着く。だがその栄華も長くは続かなかった。折原はある出来事を機に記者職を追われてしまう。 空前の東日スキャンダルが、折原を起点に発覚したのは、ふたりが酒を酌み交わしてからまもなくのことだった。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この作品を読んでいた数日間は、まるで東日新聞に席を置いているかのような臨場感を味わいながら、記者の仕事、業界の窮状、真実の追求を追体験した。実際の記者経験を元に描かれているようで、記者のルーティンやモチベーション、心理、駆け引きなど臨場感溢れていて、ドキドキしながら読み進めた。

    第一部では現在と27年前の過去が交互に描かれていくのだが、過去の政治家絡みの贈収賄事件の攻防はかなりスリリングだった。なかなか思うようにいかないことや一筋縄ではいかないことが現実感満載で、スクープを掴むまでの裏側を詳らかにしてもらったかのようだった。新聞社や検察官など関わってくる登場人物も多く、だからこそリアルに感じたのかもしれない。さらに現在では、過去の贈収賄事件の仕切りをして新聞協会賞も獲得した折原宗夫が逮捕され、驚きの事件が発覚する。業界騒然の事件もまたリアル感があってゾクゾクしながら読み進めた。

    そして、第二部では東日の福山志保を中心に現在の続きが描かれていき、まさかの結末を迎えるのだが、真相に迫るほどに各人の仕事人としての心と個人の本質的な心を知ることにもなり、これまた葛藤が真に迫っている。最後のやり取りに何十年もの重みが含まれていて、とてもじゃないが受けきれる自信はないですよ、折原さん。

  • 2023.07.14
    サイコー!
    登場人物がそれぞれ魅力的で引き込まれた。嬉しかったのは山のシーンである。
    「こうなるんじゃないかなー」と思ったとおりに展開した。
    そのことに限らず、この後どうなるのだろうと興味を惹きつけてやまない一冊。

  • 淳子後半に行くに従って面白くなっていく。
    折原、西岡、福山の3人が魅力的。
    470ページの西山は西岡?
    それだけ、めちゃくちゃ気になる。

  • 2023.11 大作でした。ただ読後感は疲労。真実は正義なのか。

  • 55正義感と社会的使命の衰退した業界の不沈と、陰謀とが混じり合って、整理しながら読む必要がある大作でした。ここまで深い想いが登場人物それぞれにあると読んでてしんどかった。

  • 同年代の同業者による小説。古き良き時代の記者の仕事ぶりと現在置かれている新聞業界の問題点が生々しく描かれていました。

  • 詰め込み感が凄くて読んでいて疲れた。内容は面白そうなので日を改めて読み直したい。

  • 過去と現在の2つの事件が同時に描かれる。贈収賄、新聞社のデジタル化、検察の対立などが絡み合い面白かった

  • 面白かった。やはりそうなんだ。泣けた。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1964年、京都府生まれ。東京大学文学部仏文科卒、朝日新聞社に入社。2003年『骨ん中』でデビュー。2010年『ちょんまげぷりん』が錦戸亮主演で映画化され、2016年には『オケ老人!』が杏主演で映画化された。著書に『探検隊の栄光』『けいどろ』『大脱走』『ヘビメタ中年!』『独裁者ですが、なにか?』『早期退職』など。

「2019年 『残業禁止』 で使われていた紹介文から引用しています。」

荒木源の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×