のり平のパーッといきましょう

  • 小学館
3.90
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (430ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093872607

感想・レビュー・書評

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  • 聞き書き・小田豊二 と、なっています。

    10年ほど前に日本一(世界一)の切られ役・福本清三さんの聞き書きを同様にヒットさせた編集者です。

    福本さんのハリウッドデヴュー(ラスト・サムライ)の効果もあって、続編も作られた佳作です。

    しかし、こちらの方が完成度は高いと思います。

    まさに聞き書き、三木のり平の口調、所作を彷彿とさせてくれます。

    少し前までは「エンタの神様」などをちょくちょく観ていたのですが、最近はテレビ自体をほとんど観ていません。

    この本は全芸人(お笑いだけではない)が、須らくバイブルとして持つべきだと思います。

    もっとも全員が三木のり平でも困りもんですが。

    芸人としての矜持の持ち方を教えているように思います。

    聞き手を通して、芸人とは何かと問いかけているようにも思います。勿論、ビートたけし同様江戸っ子のシャイさで、そんなことはおくびにも出してませんが、ボクの勘ぐりです。

    にしても、三木のり平というのも想像するに、後輩としては怖い存在であったのだろうと思います。

    小田豊二さんはよくぞここまで肝胆相照らす仲になれたもんです。

    当の三木のり平さんがそう言って感心してるのだから間違いない。

    このタイトル「パーッといきましょう!」はご存知東宝喜劇の「社長シリーズ」中に演じた当たり役の宴会部長の決め台詞。

    もっとも三木のり平を端的に表す流行語です。

    しかし、ご本人はその映画をあっさり否定?してしまいます。

    社長シリーズなんてクソだよ・・・と。

    そこまで言うか?

    どこまでが本音かは知りませんが、のり平師にとっては舞台(ライブ)こそ至上のものらしい。

    本名田沼則子(ただし)。この名前から女性だと思われ、終戦の5日前まで召集令状が来なかったらしい。

    で、戦後、遊びはひと通り、というか生まれ育ったのが花街。

    一時ヤクザの一家に身を寄せていたということも語っています。

    「遊びは芸の肥やし」を地で行った人です。

    しかし、巻末近くに掲載されている奥さんとの(結婚後!)の往復書簡(ラヴレター)の素晴らしさ!!双方に文才があるので、個人的なものなのに読ませてくれる。

    写真も多く掲載。

    一緒に写っている面々がまたすごい。

    森繁・フランキー・淡島千景・乙羽信子・大村崑・藤山寛美・・・

    写っているご自身の表情・躍動感も感動します。

    小田さんъ(゚Д゚)グッジョブ!!です。

  • 印象深いのは、テレビと映画についてのこと。やっぱり舞台の芸を見ないとホントのエンターテイメントは楽しめないのだ。
    のり平さんの女形をもっと見たかった。トニー谷とのやつ。

    あと、戦前と戦後すぐの今の日本になる前の話がとてもおもしろい。吉原がある時代の日本。もてもてだったのり平さんの様子。

  • 21/3/15 90

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