- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093873772
感想・レビュー・書評
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2002年に大前氏がITについて書いた著書。
30代40代の方と話をすると会社で働いているときにいきなりパソコンが登場した、と言っていたからITを教育で学べた自分達は恵まれた世代だったということを考えさせてくれる。個人情報をデータベース化するという考えは、賛成である。阪神大震災のとき、着の身着のまま助かった人は、自分の身分証明を明らかにするのに大変な苦労を強いられたという事実から考えると、いつでもどこでも引出せるという考えに転換していくべきだと考える。
日本ではIT技術者を使いこなせない、という意見は興味深かった。その原因は、雇用のシステムにあると書かれている。外国人の技術者からすると、会社の方針がわからない。何をして欲しいのかはっきりしない、といった意見が挙げられるとのこと。
ITは全世界共通であるため、世界基準という言葉について考えさせられるのだが、世界基準にあわせることは一口に良いことなのだろうか考えさせられる。ITの分野に限って言えば、プログラムが英語のため、世界基準で進める以外に方法はないし、それが妥当なのだと思う。携帯電話の場合、日本の携帯だけ電波が異なるから、世界の携帯が日本では使えないという珍事が生じる。‘ガラパゴス化する日本の製造業’という本のタイトルを思い返すと、世界基準に追いついていかないことには、競争に打ち勝っていけないのかなぁ、と考える。いずれにせよ、日本はIT化が遅れていると感じる。カナダに行ったときにカルチャーショックを受けたから強くそう思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この15年間でウルグアイ・ラウンド対策費と農業基盤整備事業に45兆円を超える金が遣われているが、それによって米作の生産性がどのくらい上がったか、生産コストがどのくらい下がったか、などを示すのだ。あるいは、港湾を建設したら、それでどのくらいの船が入り、どのくらいの交易増につながったのか、などを明らかにする。福祉にお金を遣った場合は、マーケティングでよく遣うCS(顧客満足度係数)がどのくらい上がったか、という指標が適切だろう。このようにしてみれば、役人のやっていることのほとんどはマイナスの効果、すなわち金を遣えば遣うほど目標から離れる、という結果が出るに違いない。(P202)