- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093884969
作品紹介・あらすじ
メディア大注目!「未来の食堂」誕生の物語
2015年9月、神保町のビルの地下に、たった12席の小さな食堂がオープンしました。その名は「未来食堂」。
「まかない」「あつらえ」「ただめし」といったユニークなシステムを導入したその店には、客はもちろんのこと開業当初から現在までメディアの取材が引きも切りません。
事業計画書・月次売上もすべてウェブで公開するという「飲食業のオープンソース化」を目指して、元エンジニアならではのまったく新しいコンセプトによって生まれた「未来食堂」誕生のドキュメントを、外食チェーンでの修業の日々やコンセプトメイキングの過程を中心にオーナーの小林せかい氏が開業に先立って公開していたブログをベースに日記形式で紹介します。
巻末には事業計画書全文も収録。
飲食業界だけではなく、これまでにない新しいビジネスの形をインスパイアする一冊です。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者の小林せかいさんは、東工大数学科卒。日本IBM、クックパッドのエンジニアを経て、未来食堂を開業したユニークな経歴の持ち主。なぜ彼女は食堂を開きたいと思ったのか? どうしてこのお店がそんなに注目を集めているのか? これから飲食業を始めたいと思ってらっしゃる方はもちろん、今までにない「開かれた形」のビジネスを模索しているみなさんにも是非読んでいただきたい一冊です。
感想・レビュー・書評
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食堂経営を分かりやすく書いた名著。
サイゼリヤにリスペクトしていることに共感。
店をもつ気はないが学生時代に読んだら成長的なバイトをしただろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
飲食開業に興味を持ってるところに、よく名前を聞く未来食堂のタイトルを見つけて読んでみたく。
オーナーであるせかいさんのこだわりがすごく、「まかない」「ただめし」「あつらえ」など飲食業からしたら斬新なシステムがすごい。
これから飲食開業を目指す人には非常に参考になる一冊。
一度食べに行かねば! -
本は脳を育てる:https://www.lib.hokudai.ac.jp/book/index_detail.php?SSID=5070
推薦者 : 小泉 均 所属 : 工学研究院
理学部数学科卒業後、日本IBMとクックパッドでエンジニアとして働いた女性が、会社をやめ自分の食堂を開業するまでの1年半のことを書いたものである。この食堂には「まかない」「あつらえ」「ただめし」といったユニークなシステムがある。しかし、それ以上に注目すべきところは、彼女が自分で何をやったらよいかを考え、自分が良いと思うことを今までのこの業界の慣習や常識にとらわれず実行したことである。何が必要か、それは結局どういうことを意味するのか、そのためには何をやれば良いかをきちんと考えている。「働いていて痛感するのは、「効率的であれば忙しいことは苦にならない」ということ。」(本書23ページ)。一生懸命やればそれで良いというわけではない。自分できちんと考え、意味のある苦労をたくさんするべきである。そのためのヒントがこの本には書かれている。ぜひ学生の皆さんに読んでほしい。 -
ビジネス記事で目にして気になったので購入。
IBM・クックパッドという、エンジニアのエリートコースを経験した著者が、
個人で「食堂」を起業するまでの異色の経緯、その過程で綴ったブログ記事を元にした1冊。
もともと見たビジネス記事は、「初対面・経験ゼロの人でも働ける、マニュアル整備のコツ」みたいな切り口だったけど、実際に読んでみると、「まかない」「ただめし」「さしいれ」等、他にも様々なユニークなアイデアを知ることができて興味深い。元がブログ記事らしく、ビジネス所にしては一見ざっくりした文体にも思えるけど、エンジニア出身らしい、核心を突いた簡潔な文章は読みやすく、メッセージ性が強い。その時々、リアルタイムで綴られたものだという臨場感もまたいい。
著者はいわゆるエリートエンジニアだけれど、そのスキル以上に、自分が何をしたいか、すべきか、ということに突き動かされる熱いマインドと圧倒的な行動力、緻密な努力に驚かされる。事業計画書の作り込みや、飲食店修行、物件選びなど、読んでいて思わず応援したくなる。著者は、飲食店開業を志す人がブログを閲覧しているであろう前提でブログを綴っており、事業計画書の全貌もそのまま掲載するサービスっぷりなので、実際飲食店をやりたい方の参考になると思うが、飲食店でなくても、むしろ起業したいというのですらなくても、自分が何を成し遂げたいと思うか、いかにしてその想いを具現化するか、どのように困難に立ち向かうかという点で啓発される内容だと思う。
「コロナのせいで」「Amazonのせいで」「不景気のせいで」「首相のせいで」なんて言いたくなる気持ちも分かるが、この本のように自分で為すべきことを考えて、自らの責任で、自ら動くのって、なんかすごくいいな、と思った。 -
「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」を作りたいという願いから生まれた、「未来食堂」というとてもユニークな食堂が誕生するまでの過程が綴られています。著者の小林せかいさんは本学の理学部数学科の卒業生です。女性エンジニアから転身して食堂を開くことに至った経緯や修業と称した様々な飲食店でのアルバイト経験、そして独特のコンセプトに基づいたお店作りのための努力など、未来食堂への熱い想いが感じられる一冊です。
(生命理工学系生命理工学コース M2) -
”気になりすぎる小林せかいさんの「未来食堂」。
ブログはチラチラ読んでたけれど、書籍としてまとめて読むと、せかいさんの世界観やプロ意識に圧倒される。
未来食堂に行きたくなる本!
※事業計画書、まかないガイドも巻末に収録。
<キーフレーズ>
・あなたの”ふつう”をあつらえます
・誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所を作ります
・コミュニティ作りをしない
<きっかけ>
コミュニティっぽくないけど確実にファンコミュニティが形成されている場所。どんなふうにしてできたのかが知りたくて。” -
【食について疑問を持つ自分だからこそできる食べ物屋は無いだろうか】
皆さんは、ただめし食堂と聞いてどのような食堂を想像するだろうか。東京都の神保町に「未来食堂」と言うカウンター12席だけの小さな食堂がある。なんとこの食堂は昼にはメニューが一種類だけであり、夜にメニューは存在しない。つまり、食材はその日によって異なるが、その日にある食材の中であれば自分の好きな料理を「あつらえる」ことができる、今までにないような食堂である。私はまだ20年しか生きていないが、このような食堂を行ったこともなければ、聞いたこともなかった。
毎日黒字を出している店の店主である小林せかいさんは1人で店を経営しているため、人件費を削減できる。しかし、1人というものには限界がある。そこで出たアイデアが、まかないサービスである。50分店を手伝えば一食タダ券をもらうことができる。誰でも参加することができる為、私のようなお金のない学生には大変魅力的なサービスである。そこで、このような人が出てくる。働いて得たサービス券を店の扉に貼り付ける。そのため、次にお店に来た人がその券を使えばタダでご飯が食べられるのである。これが、噂で広がるタダ飯食堂である。その券を使った人はその恩返しにここで働いて次の人に券というバトンを渡すことにより、沢山の人々がお店に関わることができるカラクリである。私はこのアイデアには驚かされた。本当にお金がないときはありがたく無料で食べさせていただき、余裕が出たらその分働き、次の困っている人のために券を店に貼り付ける。店側も効率よく回転させることができるし、働いている人は良い気分でお手伝いをすることができる。私が感じたのは、幸せが溢れかえっている店だからこそ、人を寄せ付けて人気が出るのだと感じた。
15ページにある食について疑問を持つ自分だからこそできる食べ物屋は無いだろうかという一文に私は成功する人の考え方だと感じた。なぜかというと人と同じことをやっても無駄になってしまうことが多い。今までになかった新しいことに挑戦してみる精神こそが一番大事なのだと感じた。私も今現在、新しいことに挑戦している。このブックレビューも一つの例である。先があまり見えなくても、小林せかいさんのように努力してチャレンジしてみるという強い気持ちを大切にしていきたい。
この本は、未来食堂ができる過程が細かく書いてある。新しいことに挑戦してみたい人には是非読んで欲しい。 -
日本IBMやクックパッドでのエンジニア経験を経て夢であった飲食店未来食堂を開業した小林せかい氏が未来食堂開業までの紆余曲折と開業してからの想いやこだわりなどを掲載したブログをまとめた一冊。
「誰もが受け入れられ、誰もがふさわしい場所」という理念のもと、あつらえ、まかない、さしいれ、ただめしといった他にはない独創的な制度で飲食店として発展してきた未来食堂。そんな同店を開業のための修行時代や開業までの大変さや苦悩、心境の変化を本書を読むことで当事者の立場を知ることができました。
修行時代の飲食店での修行ではチェーン店や個人が営んでいる店などそれぞれの特色を知ることができ、また物件やロゴなど自分のお店を上手く表現するためのこだわりも知ることができました。
店舗が出来てくるにつれて店主としての覚悟を感じながらも15歳の時に決めた夢に向かって前進する著者の姿には心打たれました。
また、それぞれの店で学んだことから取り入れるべきことを取り入れながらもエンジニアとして飲食界では考えられないような事業計画の公開など革新的な施策を行なっている事は新しい飲食店のカタチだと感じました。
本書の中でも開店後に今までにない飲食店として多くのメディアに取り上げられるなかでの自身のイメージとの著者の葛藤は印象的でした。
また、顧客が調理や接客を行うまかないの制度はまかないガイドを参考にする事で曖昧さや双方の不安を無くし、オペレーションがしっかりしていると感じました。
開店後も新しい事を導入したり、逐次状況を見て、変化し、発展してきた未来食堂が今後飲食業界にどんな影響を及ぼすのか楽しみになるとともに、閉鎖的な飲食業界を変えようとする著者の姿に心を打たれ、そして著者の経験を通して飲食店の裏側を知ることのできた一冊でした。 -
673.9