- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093887656
作品紹介・あらすじ
元特捜検事が全ての“深層”を聞き出した!
ゴーン氏は出国後、各国メディアの取材に「この事件は日産と検察が組んだクーデターであり、私は罪に問われるようなことはしていない」と主張したが、詳細を明らかにしなかったことから、日本国内では「ただの言い逃れ」との批判を浴びた。実はその詳細を、彼は日本出国前に明らかにしていた。元特捜検事で、事件当初からこの事件の不当性を主張していた郷原信郎氏のインタビューに応じ、10時間以上にわたって真相を話していたのだ。出国後もレバノンとのテレビ電話で取材を重ね、日産、検察、日本政府の事件への関与について、実名を挙げて明らかにしている。「検察は大きな力の操り人形だった」ーーゴーン氏の証言をもとに、事件の“深層”を明らかにする。
【編集担当からのおすすめ情報】
カルロス・ゴーン氏はレバノンに出国後、各国メディアの取材に応じましたが、面会が制限されていた保釈中に事件の真相や本音を聞き出していたのは、弁護士を除けば郷原氏だけでしょう。しかもこの本では、ゴーン氏の証言をただ聞くだけでなく、郷原氏が元特捜検事として弁護士として、精緻な分析で検察、日産、ゴーンそれぞれの主張を検証しています。これまで新聞・テレビで見てきた事件の印象が完全に覆るはずです。
感想・レビュー・書評
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読み応えのある本だった。理系で法律知識が乏しくても、ゴーン氏の逮捕から出国までの検察の動きや動機について理解することができた。
ゴーン氏に権力が集中しコンプライアンス上の問題はあったものの、企業としてのガバナンスに大きな問題があったことを理解した。また、日本の検察の実情を知り、ショックを受けた。大変勉強になった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
p108 検察の起訴事実は、2010年度から2017年度までの日産自動車の有価証券報告書の役員報酬の欄のゴーン氏の報酬額を、実際の金額より過小に虚偽の記載をして提出したというものだ。それがその過少とされたのが、実際に支払われた報酬額ではなく、退任後に支払いを予定していた未払いの役員報酬であった
p124 報酬額20億円くらいであったのを、高額役員報酬が開示されるようになってから9億円に、半分に減らした
p305 ゴーン氏が日本人になにを言いたいか
まず事実を見据えよ、言われたことをそのまま信じるな。現実を見よ。 -
カルロス・ゴーン自身にも、日産の組織にも、司法取引や検察の手法にも、アウトレイジではないが「登場人物全員悪人」のようにそれぞれ問題があったという印象を持った。
この事件に限らず、今まで見えてこなかった日本における組織制度の悪い部分が顕在化している場面が増えてきているように思う。日本でも加速しつつある変化によって、そのような部分が少しでも変わっていくことを願う。 -
東2法経図・6F開架:326.26A/G57s//K
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事実はひとつしかなく、当事者しかわからない。
ゴーンの無罪に偏った論調だが、経営については厳しいコメントも。
とはいえ、元従業員としては、なんか虚しくなる内容でした。 -
検察に対して、日産に対しての厳しいご意見。
ゴーンの主張を聞かれて、色々書かれているのはおもしろい。
「ゴーンよりな本」と言うわけではないのでしょうが、やはり心情的にゴーンさん好きになれないところあるので、、、5星にはできなかった。 -
【ゴーン氏の事件のように、役員報酬の記載が有価証券報告書虚偽記載の犯罪として摘発された例はなかったのに、「未払いの役員報酬」の問題でいきなり経営トップを逮捕・起訴するというような、経済社会の常識に反する検察のやり方がまかり通るのであれば、検察が、上場企業の経営権の帰趨を左右することになる。それはコーポレートガバナンスにとって重大な脅威になりかねない】(文中より引用)
突然の逮捕から世界中の度肝を抜いた日本脱出に至るまで、一連の疑惑の中で注目を浴び続けたカルロス・ゴーン。その渦中の人物に複数回のインタビューを行い、「検察の論理」を知り尽くした人物が迫る事件の「深層」とは......。著者は、東京地検特捜部での勤務経験も持つ郷原信郎。
ガバナンス、司法・検察、そしてメディアに至る日本の病巣を「理」というメスで鮮やかに抉り取った傑作。嵐のような出来事やそれにまつわる報道の数々がこうも見事に詳述することができるのかと呆然とする思いにとらわれました。これは間違いなく今年のベスト10に入ってくると思います。
間違いなく読んで損なし☆5つ