- Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093933063
作品紹介・あらすじ
林真理子によるまったく新しい源氏物語の世界
「和の心を楽しむ」がテーマの月刊女性誌『和樂』にて連載中の林真理子さんの小説『六条御息所 源氏がたり』。その単行本第一巻が『光の章』として登場します。六条御息所を物語の語り部とする画期的な構成。そして、原文にない御簾の中での出来事の大胆な解釈。恋愛小説の名手、林真理子ならではの”小説源氏物語”の誕生です。「私の名をどうか聞いてくださいますな」という美しい一文ではじまる本巻は、桐壺帝と桐壺の更衣の異常な恋愛、光源氏誕生の謎、空蝉、夕顔との恋から、葵の上、藤壺をめぐる人間ドラマまでの全15話を収録。林真理子によって描き直された平安時代の貴族たちが繰り広げる恋模様は、究極の恋愛小説としても楽しめます。また、口絵には、日本画家千住博による源氏物語をモチーフにした作品を収録。
【編集担当からのおすすめ情報】
恋愛小説の名手、林真理子が次に選んだテーマは、紫式部によって著された世界最古の恋愛小説でした。そして期待に違わず、六条御息所を語り部とした小説は、私たちにまったく新しい源氏物語の世界を見せてくれます。登場人物は平安時代の貴族たち。それなのに彼女たちの気持ちが手に取るように伝わってくるのはなぜ?小説の醍醐味がすべてつまった林真理子マジックをお楽しみください。また、本書のカバー写真には、1960年代にアメリカで出版された伝説の写真集『mirror of venus』(撮影/Wingate Paine)の一枚を使用しました。読者の皆さんには、古典の名作としての源氏物語としてだけではなく、まったく新しい恋愛小説として楽しんでいただければと思っています。
感想・レビュー・書評
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六条御息所の視点で語られる源氏物語。
身分が高くその教養と知性で人々から憧れとされる貴婦人が、自己抑圧の強さから生霊や死霊になってしまってからは、、というイメージの六条御息所が語ると源氏の身勝手さとか異常さに腹が立つし、登場する女性たちの気持ちも女性が語ることでさらに現実味があった。
特に車争いのお話は、読んでいて身につまされる思いでとても切なく感じました。
すごく読みやすくて面白いので続きを読むのが楽しみです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
六条御息所に語らせて
シャーマンチックな設定を
プラスしているので
より平安時代ぽい気がする
文章も分かりやすい
嫉妬や優越感など
人間のダークな感情を
ねちねち「優雅」に味わう本 -
六条御息所に語らせるとは!
この方、切ないですね。
特に夕顔のところが新発見があり、面白かったです。 -
源氏物語は30年前の国語の授業と、最近読んだあさきゆめみしだけ。読みづらいのでは?と抵抗があったので入り口としてあさきゆめみしを読んだのだが、次にこの本を選んで正解だった。
六条御息所が語り部になっているのも斬新。彼女の苦しい心の内が随所で語られ、また女性だからこそ光の君の愛人達の気持ちを想像し、伝えてくれるところもよかった。
この小説をきっかけに、他の方が書いた源氏物語も読んでみたいと思った。 -
色んな作家が源氏物語を読み解いているが、林真理子的の現代的な言い回しがとても読みやすい。六条御息所目線の語りは斬新な設定。後の巻が楽しみ。
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源氏物語 復習その4
林真理子氏源氏物語オマージュ。
六条御息所を語り部として物語を綴る。彼女は光源氏を愛するが故、生霊となり悪霊となり光源氏の愛する女性の周辺を漂う。真理子サンきっとお好きな粘着性女子。その御息所に憑依し、源氏物語を俯瞰的に表現しているようだ。
源氏物語を読んでからの方が、より楽しめる。 -
六条御息所の生霊が語る、光源氏の生涯。
光源氏への愛憎に苦しんだ彼女だからこそ、彼の傲慢さと身勝手さを指摘できる。
他の女性に対する辛辣さに、女が女を語る怖さと鋭さがある。
男女の愛憎を、原典より深く描く。
現代語訳とは違った面白さ。 -
光源氏誕生から葵の上出家までを六条御息所視点で描く【光の章】。
六条御息所って女性に一番人気なキャラなんだよね、確か。
生き霊になって恋敵を呪い殺すなんて恐ろしいことをしてるのに…。
そのため、私はあまり好きではありませんでした、この本を読むまでは。
でも、この本を読んで、六条御息所って本当は嫉妬深く甘えたいのに甘えられない可哀想な女性なんだなって気付きました。
私と同じように「六条御息所ってなんで人気なの?」と疑問に感じている人は読んでみる価値があるかも…。 -
六条御息所は好きだし、この語り口、良い。林真理子なのか御息所なのか区別がつかない。
それにしても光源氏ってやつは…。
周りの女がどれほどの心の被害を被っていることか知っちゃいない。
末摘花と源典侍のことはなんとなく覚えていた。けど、朧月夜は初耳だったし、六条御息所が伊勢に降ることになったことも知らなかった。藤壺の宮が仏門に入られることも。
さてお次はと。
彼女たちに心の安らぎが訪れんことを。 -
新しい切り口。素晴らしい