真昼の星: 熱中大陸紀行 パタゴニアアマゾンチベット

著者 :
  • 小学館
3.78
  • (3)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 20
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093940467

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2021/08/12

  • 久しぶりにシーナ作品を読んだ。
    たまに読みたくなるんです。
    読書にイキオイをつけるためにシーナ作品は重宝する。

    「氷河の牙へ-パタゴニア追想紀行」
    「奥アマゾンの水没ジャングルを行く」
    「チベット偽物巡礼旅」
    の3章で構成される旅のお話。

    えらく狭い場所に閉じ込められているようない閉塞感。
    息が詰まりそうな日常。
    シャバにいるはずなんだけど、なんだか囚人的な毎日。
    呼吸困難チアノーゼ的の精神状態の今日この頃だけに、
    読みながら広々とした大地を旅しているような開放感を味わうことができた。

    のっけにマゼラン海峡や氷河の写真が載っている。
    こんな景色をこの目で見ることができたら、
    いったい自分はどんなことを感じるのだろう。

    いいなあ。
    おいらも旅に出たいな。
    そういえば南半球は一度も行ったことないな。

    椎名さんが旅先で見た昼間の星。
    下記引用させていただきます。

    「よく晴れた日のパタゴニアの空は青を通り越して黒っぽく見えることがある。
    高山の上で見る空がこのような色になるらしい。
    空気に埃や汚れが殆どないからなのだろう。
    こういう日は昼間でもときおり星が見えることがある」

    「四四八〇メートル地点の湖畔がキャンプ地となった。
    これだけの高地に来ると地平や周囲の山々はすっかり暗くなっているのに頭の上にはまだ青い空が残っている。
    そこにいくつかの星が光り始めている。
    少し前、南米パタゴニアのパイネ山塊に行く馬の旅で見た昼間の星とその様子がよく似ていた」

    昼間の星は、個人的にものすごく実感があります。
    確か地元の市の天文台を見学するイベントに参加したときのこと。
    まだ夕方で空が明るいのに、天文台の職員さんが双眼鏡で
    火星とか金星を楽々と見つけている場面を目撃したのです。
    大きな望遠鏡で星を見る前に、まず双眼鏡で位置を確認していたらしい。
    ホンモノのプロは昼間でも惑星の位置がわかるのか!?
    子供心にスゲエ!と激しく感動しました。
    パタゴニアやヒマラヤに行かなくても、
    天文に精通していれば日本の都会で昼間の星を見ることができることを知っていたわけです。
    あれから何十年も経ってしまったので、
    今でもそんな芸当ができるのかどうかはワカリマセン。

    ちなみにそのときの太陽は無黒点でした。
    土星の輪は地球と平行だったので見えませんでした。
    意外に変なことを覚えているものです。。

    椎名さんはこれまで100カ国ほど旅してきたという。
    果たして自分は何カ国まわれるだろうか?
    自分に残されている時間と機会は思ったよりも少ないのではないだろうか。
    いろんなことを変えないと、旅に出られる機会も非常に限られるだろう。
    ふとそんなことを考えてしまった。。

  • チベットの話は考えさせられるけどどこに行ってもそうだよな。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

1944年生まれ。作家。1988年「犬の系譜」で吉川英治文学新人賞、1990年「アド・バード」で日本SF大賞を受賞。著書に「ごんごんと風にころがる雲をみた。」「新宿遊牧民」「屋上の黄色いテント」「わしらは怪しい雑魚釣り隊」シリーズ、「そらをみてますないてます」「国境越え」など多数。また写真集に「ONCE UPON A TIME」、映画監督作品に「白い馬」などがある。

「2012年 『水の上で火が踊る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

椎名誠の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×