逆説の日本史10 戦国覇王編(小学館文庫): 戦国覇王編 天下布武と信長の謎 (小学館文庫 い 1-10)
- 小学館 (2006年6月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094020106
作品紹介・あらすじ
「足利将軍義昭との抗争」「一向一揆はじめとする抵抗勢力の大虐殺」「安土城建設」そして日本の歴史史上最大の謎である「本能寺の変の真相に迫る」“破壊王”信長こそニッポンという国家像を描き、天下一統のグランドプランを実現していったのである。しかし。思いなかばで本能寺に斃れた一代の梟雄の栄光と挫折を描く。歴史学会の定説を覆し、「信長論」の新たなる地平を切り開く第10巻、待望の文庫化なる。
感想・レビュー・書評
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おもしろい
秀吉と家康まで話が及ぶのかと思ったのだけど、違いました。信長の話です。井沢元彦さんの信長愛?炸裂。宗教団体勢力を叩き潰した。無宗教日本国民化の話が妙にまた激化している中東に思いが飛びいまのこの平和を享受できているありがたさまで感じられる一冊詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前巻までは驚きの理論に納得していたが、今巻は疑問符がつく内容だった。井沢氏の信長愛が爆破した内容です。
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出た時に買ってからチマチマと読んできてやっと読了。
とある人権の講座で「今の教科書では『士農工商…』なんて教えてないのだよ」と聞かされて、「俺が学校で習った歴史って何だったんだよ〜」ということで、改めて日本史へ入れ込んで、網野善彦や井沢元彦にめぐり合ったわけですが。
史料絶対主義に抗い宗教や言霊に拘る井沢史観は、私みたいに人から言われることを何の疑いも持たず聞いてしまう人間には、いつも興味津々です。
この巻は信長っていうことで、ここでもまた独自の「逆説」が展開されるわけですが、結構身近な場所で起こった史実も多くあることに気づかされ、暖かくなったら安土や石山まで出掛けてみようと思うのです。 -
期待したより何だか信長すごい、で終わった感。本能寺の変の真相はもうちょっと掘り下げてほしかった。信長と本願寺・延暦寺の対立は宗教戦争でありつつも、信長は無宗教ではなく武装解除さえすれば活動を容認していたという点は面白かった。
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信長の革命の一つ。狂信的な宗教を潰したことである。そのおかげで日本は現実主義的になり、俗になり、近代的思考を持つことができた。良くも悪くも。
信長は地名をつけたり、天下統一の道筋を考えたり、宗教を潰したり、あらゆる革命をやった。コロンブスの卵の連続。世界的な英雄である。だが当時の画期性を、後の世の我々はわからない。 -
職場で「どうする家康」談議になった時に勧められた本。この本を読んでいるからこそ分かる描写があり大変良かった。ありがとう…パイセン。
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2回目の通読。勉強になる。歴史の見方が変わる。わかりやすく、よみやすい。
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信長残虐説は改めるべしという一部の意見について、多々思うところあり。
現代では残虐行為でも、時代を考え、雑多の武力勢力を抑え込むという方向性からすれば、そんくらいやっとかないとっていうことで、しょうがないんじゃないのー程度に思ってたんだが。
宗教論争をさせたということについて、無神論者とか以前に、宗教テロ絶対ダメって言ってるんじゃ?と、思った。
問答中に、言い返せなくなって刀掴んで武力行使しようとしたヤツに、宗教なんだから言論で戦えって怒ってるわけで。
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本巻では、織田信長の天下統一の企図にせまる試みがなされています。
著者は、下部構造が上部構造を決定するというマルクス主義史学を批判しており、そのために英雄史観的な歴史の見方が色濃く出ています。とくに本巻では、著者の信長への愛が押し出されており、歴史的な事実の評価に現代の常識を持ち込んではならないとつねづね主張する著者のほうが、信長に時代を超越した壮大なヴィジョンをあたえてしまっているようにも思えます。
とはいうものの、著者の熱い語り口が読者をぐいぐい引っ張り込んでいく魅力をもっていることは事実です。とにかくたのしんで読むことのできる内容でした。