フランス人は「ママより女」 (小学館文庫 と 10-1)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094062434

作品紹介・あらすじ

フランス式「人生を楽にする家族術」

深刻化する少子化問題。様々な対策が叫ばれるものの、全く効果がないのが現状です。一方、同じ悩みを抱えていたフランスは、1994年に1.66まで下がった出生率が2008年には2.02までアップし、ヨーロッパNO1になりました。フランスは現在、先進国では類をみないベビーブームが続いています。そのためにGDPも世界5位にまで復活しました。 「働く女性ほど子どもを産む」「主婦が“消えて”子どもが増えた」「嫡子と婚外子の権利は平等」等々、わが国の人口減少を食い止める知恵に満ちた、日本大好きフランス人ジャーナリストによる、人生を楽にする家族術。
恋愛・結婚・出産・子育て、そして仕事と家族のあり方に悩めるニッポンの女性と男性必読の1冊です。
2011年に出版された『ママより女』に最新の統計を反映させて改訂、加筆して文庫化。文庫化に際して、故・渡辺淳一氏と[愛の形]を徹底的に議論した対談「アムールなき人生は意味がない 日本女性よ、“事実婚革命”を起こそう!」を掲載。




【編集担当からのおすすめ情報】
著者のドラさんからのメッセージです。

ボンジュール!
ちょっと前の統計ですけれど、フランスの2010年の出生率は2.01(ヨーロッパ全体では1.6)、婚外子は54.8%、平均出産年齢は30歳、年間結婚数は減少傾向、パクス指数は増加傾向……。フランス人はあまり結婚しませんが、子供をつくります。フランスの女性は仕事をしますが、子供をつくります。
日本の女性は結婚して主婦になる率が高いのにもかかわらず、出生率はとても低いです。ちょっとパラドックスですね。不思議ですね。
先日、パリでニューイヤー・パーティーに行きました。いろいろなゲストと話をして、そのほとんどが結婚していないカップルでした。「絶対結婚したくない」「興味がない」なんて言っていました。それでもパートナーと別れず、長く一緒にいます。そして子どもがいます。彼らは今のフランスを映す鏡のようでした。でもフランス人にとって、家族はずっと重要な価値基準として存在しています。
この本を作った当初、私は頭の中で、本のタイトルは『フレンチ・パラドックス』と考えていました。日本からフランスの社会を研究すると、いろいろなパラドックスを垣間見ることができたからです。書いているうちに、40年前からフランスの社会で始まった女性の地位の変化が本の中心になっていきました。
フランスの女性は、母になっても、妻になっても、ビジネスウーマンになっても、年をとってもずっと女である。
それを『ママより女』という言葉で、みなさんに伝えたい。
-------母より妻、妻より女のフランス 女より妻、妻より母の日本-----
日本とフランスの架け橋として生きる女性として、私は日本の女性には自分の選んだ人生を楽しんでほしい。でも、男性も。

ドラ・トーザン Dora Tauzin

感想・レビュー・書評

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  • 2011年に発刊されたものの加筆修正版。

    女性が輝く社会、なんて言われているのに、日本は変わっただろうか?
    未だに家事と育児は女の仕事という考え方は根強く残るし、保育園は入れない(しかもそれは女性の性になってはいまいか)、長時間労働に夫婦別姓は最高裁で否定......。
    減点法だけで見てはいけないけれど、とにかく取り組みが遅いし、本気で解決する姿勢が見られない。
    フランス人のArt de vivre(美しく生きる)の精神は見習いたいものだ。

    フランスも初めからこんなに自由で平等ではなかった。
    しかし女性たちは自らの手で自由を勝ち取ったのだという。
    さすが革命の国。
    ピルによって女性は「自分で決める」強さを得た。
    日本人の謙虚さは美徳ではあるけれど、避妊は男性任せ、育児は自分一人で抱え込む、は決して美徳じゃない!
    ピルがもっと身近になってほしい。
    PMSの改善によって、生産性をもより高められるはずだ。

    クオータ制はとてもいい。
    女性管理職登用を40%まで高められたのだ。
    マッチョの国であるフランスにおいても成功したのだ。
    女性に優しい、穏やかな日本だって当然できるはず。

    カップルの話も興味深い。
    事実婚、パクス、ヴィヴル。
    子供にとっての負担が増える、義理のきょうだい間の感情を考えると、子供の福祉の観点からは手放しで賛成できるものではない。
    カップル優先で、子供に対する配慮はやや薄い印象を受けた。

    働く女性だって子供をたくさん欲しい人はいるはずだ。
    能力があるのに、それを封印させてしまっているのが日本の現状だ。
    男はこう、女はこう、という型にはめた幸せよりも、それぞれが自分らしく、幸せになるのが、本当の幸せではないだろうか。
    人生は楽しむもの。
    私らしく。

  • 思っていた内容とは違ってたけど、「自分の人生なんだから、もっと大事に生きよう」と思えた。

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著者プロフィール

国際ジャーナリスト。エッセイスト。日本とフランスの懸け橋として、NHKテレビ「フランス語会話」出演のほか、新聞、雑誌への執筆、講演など各方面で活躍中。著書多数。2015年レジオン・ドヌール勲章を受章。

「2019年 『パリジェンヌはいくつになっても人生を楽しむ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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