浮世に言い忘れたこと (小学館文庫 さ 27-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094063875

作品紹介・あらすじ

昭和の大名人が語る芸、寄席、粋な生き方

昭和の大名人、六代目三遊亭圓生が軽妙な語り口で魅せる随筆集。噺家や落語ファンだけでなく、せわしない現代を生きる多くの人々にも様々なヒントを与えてくれる良質の伝書である。
五十八編、四部構成。芸に対する心構えを説き、芸のむずかしさ、基本や勉強の大切さなど落語の奥義を伝える「人情浮世床」。落語の歴史や寄席への思い、寄席の四季折々の風物詩などについて綴る「寄せこしかた」。圓喬、金語楼、志ん生ら噺家はもとより、同じ時代を過ごした芸人たちを振り返る「風狂の芸人たち」。好きな食べ物から着ものの着こなしにおける自説を述べる「本物の味」。
「世の中、ソロバン勘定だけでは、つまらないものになる」「基礎の出来ていない者は、そこからは絶対にはい上がれない」「逆境に陥ったときにくじけるような人間は成功しない」「何よりもまず、芸に品格があること」「銭金じゃなく、じっと我慢して、おのれ自身に芯をつくる」「イキとヤボは紙一重」――。
ときに優しく、ときに厳しい言葉で紡がれる提言の数々、“あたくしの思い”からは、芸に生きる者の覚悟が伝わってくる。



【編集担当からのおすすめ情報】
明治、大正、昭和を生き、持ち噺の多彩さ、人物描写の見事さで知られる大名人による提言書。読み応えのある生きた言葉の数々がとても参考になり、落語に興味がない人にも、粋に生きることのカッコよさを教えてくれます。また、当時の大衆文化にも浸ることができ、落語史としてもじつに貴重。ときに優しく、ときに厳しい言葉で紡がれる“あたくしの思い”は一読の価値あり。ぜひとも後世に伝え残したい一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 粋な語り口で、噺を聞くように、スラスラと読み進む。
    けれど、内容は、スラスラ読み流してはならないと
    思われることが多く。

    一流の芸を身につけるために大切なこと。
    品格のある人であること。
    日本人として、大切にすべきこと。

    ページを折って、赤線を引いて
    学ぶように読み終えた。

    本は、折りがいっぱいに膨らみ
    それぞれのページは試験前の教科書のように
    線がたくさん引かれている。

    良い本に出会った。

  • 18 馬鹿になって、我慢して、一つのことに打ち込んでゆく人が少なくなりました
    ソロバン勘定ではないのですね、馬鹿といわれようが一つことに打ち込んでいけるのは幸せだと思います、そうゆく人が少なくなった・・・不幸せです。

    24 お師匠さんの通りに演っていたのでは半芸に如かず カルメラこしらえるに同じ
    先日の落語会ではとにかくまずは 師匠のコピーといわれるぐらいなれ!と言われていた前座さんがいたけれども、その先 なんですな。

    53 突然なにかが起こっても頓智をきかせること、 それはつまるところ、自分の立場に責任を感じること
    友人の落語家はデパートの屋上でやって、子供たちが騒いでいても、噺の途中で携帯が鳴っても、なんだってその場その場対応するよ、へっちゃらさと言っていた。これも場数なんでしょうな。

    70 お客も勉強しなきゃだめ
    まさにです、先日の落語の会で前座さんに向って、稽古をつけていた師匠の言葉はそのまま客である私にぐさぐさってきました。

    ああ、もうこんな感じです
    この本は赤線ひっぱってでもずっと持っておきたい
    圓生師匠にひとめ会いたかったな。

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