ヒトリコ (小学館文庫 ぬ 1-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094064773

作品紹介・あらすじ

青春小説の旗手デビュー作、待望の文庫化!

深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする。
田舎の小学校の生徒達はそのまま中学校へ持ち上がる。ヒトリコの心の支えは、ピアノとピアノを教えてくれる偏屈なキューばあちゃんだけ。合唱の盛んな中学では生徒の間にカースト制度が生まれ、激しいいじめや陰口が横行する。「みんな」に属している限り生徒間の闘いは続く・・・。
地元の高校の入学式。小5で転校した冬希の姿がそこにあった。モンスターペアレントの母親との暮らしに疲れ切った冬希は、母親を棄て、父親の地元に戻ってきたのだった。何も変わらぬ故郷、仲間。ただ、一人だけ全く変わってしまった日都子の姿に冬希は驚く。そしてその原因が自分が飼い、置いてきた金魚と知り・・・。
誰もの心に突き刺さる、青春の残酷さ、閉塞感・・・・・・。絶望的な孤独の末に見えてくるうっすらとした光。必ず誰もの心の奥の奥に入り込み、内側からあなたの心を揺さぶる、苦くて新しい青春小説です。

【編集担当からのおすすめ情報】
額賀澪さんの鮮烈なデビュー作が待望の文庫化。今回、この文庫化のために巻末には<文庫特別番外編>として、本編エンディングから約10ヶ月後の日都子と冬希の特別エピソードを書き下ろしていただきました。
高校一年生の最後、3月の修学旅行。そこでの、心がほっこりする珠玉の短編です。その後の日都子がどんな高校生活を送っているのか、冬希はどうなったのか。どうぞ、お楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • あなたは”青春時代”、どのような日々を送っていたでしょうか?

    勝手に過去形にしないでください。私は現在進行形の”青春”を送っています!もしくは、私は一生が”青春時代”です!などなど人によって”青春”という言葉一つとっても色々な見え方があると思います。それは、そんな言葉に私たちが何かしら強い思いを持っているからなのだと思います。
    
    ”青春”の過ごし方は人それぞれだと思います。部活動や生徒会活動など、わちゃわちゃとした集団の中に身を置いて共に”青春”を走ったという方もいるでしょう。それはまさしく絵になる”青春”、学校の卒業アルバムの一ページを飾っていくものだと思います。

    しかし、私たちは必ずしもそんな集団の中に身を置くことだけに幸せを感じるとも言えないと思います。なにかしらの理由によって個としての時間を大切に生きていく。そんな場合だってあるのだと思います。

    さてここに、『いつも一人きり』という”青春”を生きる一人の女性が主人公となる物語があります。

     『あいつはヒトリコだ。誰とも溶け合わず、孤独を誇って、颯爽と去っていく』。

    そんな風に周囲から見られながら日々を生きる主人公を見るこの作品。そんな主人公の人生に確かに”青春”の煌めきを見るこの作品。そしてそれは、「ヒトリコ」と呼ばれるようになった主人公・日都子の力強い生き様を見る物語です。
    
    『卒業証書をもらったら、さすがに何か思うんじゃないか』と登壇したものの『呆気な』く終わった現実に『ああ、そんなもんだよね』と思うのは主人公の深作日都子(ふかさく ひとこ)。ステージを下りる時『自分を入れて、たった十六名』という卒業生の姿の中に『同じ仲良しグループにいた智代』が『頑なに日都子から顔を背けて』いるのを見て『あの日からずっと』だと思う日都子。そんな日都子が『式を終えて教室に戻ると』『三人の先生がい』ました。『卒業式の日に六年間の担任が集まる』という毎年恒例の行事の中で、一人ずつ『卒業生へお祝いの言葉が述べられてい』きます。そんな中に去年の担任だった本柳が『教壇に立って教室を見回したとき』日都子は『あの日のことを思い出し』ます。『あそこから先生が大股で近づいてきて、日都子を殴った』というその出来事。『海老澤冬希が東京に転校して、生き物係は日都子一人になった』という夏休み明け、『全部彼の仕事だった』『エサやり、水槽の掃除、観察日記』という金魚飼育の仕事は全て日都子がやることになりました。『本当は掲示係になりたかった』のに定員にあぶれ『生き物係』になった日都子。『なんで私がこんなことしなきゃならないの』と『臭い水。金魚の糞が浮いた汚い水』と一人格闘する日都子。しかし、『九月の三連休が終わって学校に行くと、金魚が死んでい』ました。『水槽に酸素を送る機械がオフになっていて、水面に金魚がぷかぷか浮いていた』というその状況に『これで水槽掃除から解放される』と思う日都子は、『網で死体をすくい、新聞紙で包んでゴミ箱に捨て水槽一式も『教室後方の棚にしま』いました。そして、『朝の会』で経緯を報告した日都子に、本柳は『あなたまさか、冬希君の金魚を殺したの?』と問いただします。否定する日都子と先生がやりとりする中に『いつも金魚のこと「殺しちゃいたい」って言ってたよね』と『幼稚園からずっと友達』の嘉穂の声が飛んできました。さらに、『あー、言ってたかも』と『近くの席の智代』がうなずきます。他にも似たような意見が飛び交う中に『違います。朝来たら死んでたんです』と言う日都子。そこに、『先生の手が、しかもグーで』『頭に飛んでき』ました。『痛い。星が見えた』と『両手を頭にや』るも、日都子の手をどけて、さらに『頭を叩く』本柳は、『冬希君の金魚を、冬希君が転校してからすぐに殺すなんて、なんて酷い子なの』と言い切ります。そして、『金魚を殺したのは、私じゃない』と思うも反省文を書かされた日都子は、帰り道、『逮捕だ、逮捕』、『金魚殺し』とからかわれ取り囲まれてしまいます。そして、落ちていた『ビニール紐』で手を縛られた日都子は、『田圃の脇の用水路』へと連れられていきます。そんな日都子を縁に立たせ落とそうとする面々。そんな時、『ガキ共、何してんだい』と、『紫がかった綺麗な白髪を風に揺ら』す老婆が声をかけました。それに驚き一目散に逃げた面々。『ああいうのはね、いじめって言うんだよ』と日都子に声をかける老婆は、『ほどほどに、頑張んなさい』と声をかけると行ってしまいました。そんな後、『自分はずっと前からみんなに嫌われていたのかもしれない』と思う中、『いろんなことが億劫にな』る中に、『日都子は、ヒトリコにな』ります。『いつも一人でいるから、ヒトリコ』と思う日都子。『いつも一人で誰とも関わろうとしない』日都子のそれからの日々が描かれていきます。

    “深作日都子は小学5年生の時、教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象となった。そのときから日都子は、誰にも心を閉ざし、「みんな」には加わらない「ヒトリコ」として生きていく決心をする”という内容紹介に”青春の残酷さ、閉塞感”というものを強く感じるこの作品。第16回小学館文庫小説賞を受賞した額賀澪さんのデビュー作でもあります。額賀さんというと、松本清張賞を受賞した「屋上のウインドノーツ」、まさかの”駅伝 × 飯”の組み合わせで描く「タスキメシ」、そして吹奏楽部の活躍を描く「風に恋う」など”青春物語”に傑作を次々と生み出されている作家さんという印象があります。そんな額賀さんのデビュー作はまさしく”ザ・青春物語”という面持ちです。この作品ではそんな”青春”を学校生活の中にリアルに描いていきます。では、そんな学校生活の中から高校の『文化祭』に向けた動きを見てみましょう。

     ・『十月の文化祭では、クラス対抗の合唱コンクールがある』という中に『各クラスで二人ずつ決められ』た『合唱委員』が『練習の計画を立て、指導にまで当たる』という風景が描かれていきます。

     ・『今年の文化祭で三年二組が歌うのは「心の瞳」という合唱曲だ。愛と絆をテーマにした歌。家族や友人や恋人へ、年をとっても変わらない愛を謳った歌』

    そんな前提の中に合唱委員に指名された片岡美香子は厳しくクラスを指導していきます。

     ・『今度こそ、真面目に、ちゃんと歌ってください』。

     ・『バスパート、全然聞こえません!もっとちゃんと歌ってください』

     ・『三列目、男子よりも聞こえないです。真面目に歌ってください』

    ひたすらに注意を続ける美香子。「ヒトリコ」である日都子視点で描かれていく物語の中で全体をどこか俯瞰して見る日都子に、美香子が真面目に指導すればするほどに違和感が浮かび上がります。

     『彼女には、「真面目に歌っている。不真面目に歌っている」の二つしかない。声が小さいのは不真面目。音程が合わないのも、不真面目』

    そんな違和感は練習に集うクラスの面々だって同じです。『高校受験だってみんな視野に入っているし、中学最後の夏休みをのんびり過ごしたいと思う』面々に募っていく不満とクラス内の亀裂、そんな中で日一日と本番の文化祭に近づいていくクラスを描く物語はまさしく”青春物語”の醍醐味です。合唱コンクールへ向けた生徒たちの姿を描くのは”学園モノ”の定番でもあり、宮下奈都さん「よろこびの歌」、佐藤多佳子さん「第二音楽室」、そして瀬尾まいこさん「そして、バトンは渡された」と名作が生まれやすい条件に満ち溢れています。そんな発表の場面は作品のクライマックスでもあります。では、それをクライマックス以外にもってきた場合にはそこにどんな展開が生まれるのか、この額賀さんの作品では、今まで合唱の場面が含まれた小説は読み飽きたという方にこそ、読んでいただきたい物語です。絶対見たことのない物語がそこに展開します。しかし、それはこの作品にとってはあくまで必然なのです。それこそが、「ヒトリコ」という一見意味不明な書名を冠したこの作品の真骨頂なのです。

    では、次にこの作品の書名でもある不思議な言葉「ヒトリコ」について見ていきたいと思います。この作品では主人公・深作日都子と彼女の友人に視点を順に変えながら展開していきますが、あくまで全編を通しての主人公は日都子が務めます。そんな日都子は、内容紹介にもある通り”教師から金魚を殺した濡れ衣を着せられ、熾烈ないじめの対象と”されてしまいます。上記で触れた作品冒頭の紹介には行数的に触れきれなかったために省略している部分が多々ありますが、そんな”いじめ”への道程には担任教師の問題、日都子を取り巻く友人の問題、そして事象の起点となった同じ『生き物係』だった冬希の転校の裏にあるこれまた深い物語が存在します。この辺りを綴っていく物語前半の重々しさは”青春物語”にはつきものとは言え少し辟易させられるものがあります。しかし、それ含めた先に、書名に繋がる「ヒトリコ」誕生の十分な物語背景があるのは間違いありません。そんな”いじめ”の先に日都子は『もしかしたら金魚はきっかけでしかな』いと思う先に『いつも一人で誰とも関わろうとしない』人生を選択します。

     『いつも一人でいるから、ヒトリコ』

    そして、『日都子も周りのみんなも、それに慣れていった』という先に

     『日都子は、ヒトリコになった』

    その前提の上に物語は綴られていきます。

     『あいつはヒトリコだ。誰とも溶け合わず、孤独を誇って、颯爽と去っていく』

    そんな一人の青春を生きる日都子の物語。いじめられて登校拒否になるわけではなく、ましてや退学するわけでもなく、ある意味孤高の存在として日常を送る日都子の物語は物語に独特な色合いを生んでもいきます。そんな日都子の歩む先にどんな未来が開けていくのか。物語は、日都子を含む友人に視点を順に切り替えていくという手法をとっているからこそ見えてくる景色があります。

    そんなこの作品の冒頭は小学校の卒業式から始まりますが、「ヒトリコ」の起点はそこにはありません。それこそが小学五年の夏、『冬希君の金魚が死んだ日』にありました。物語はそんな「ヒトリコ」の原点を時にフラッシュバックさせながら進んでいきます。そんな物語の視点の主ともなる日都子の友人たちを整理しておきたいと思います。

     ・深作日都子: 物語通しての主人公、『冬希君の金魚が死んだ日』を起点に「ヒトリコ」となる。ピアノを習う

     ・海老澤冬希: 小学校五年の夏に東京へと転校していく。それまで生き物係として金魚を飼育。強烈な母親を持つ

     ・堀越明仁: 幼稚園時代から日都子を意識してきた。もう一人の合唱委員として苦悩する。日都子と共通である人物と接点を持つ

     ・大都嘉穂: 幼稚園時代から日都子の友人と思われたが、『冬希君の金魚が死んだ日』にまさかの行動に出る。

     ・山野智代: 小学校から日都子の友人と思われたが、『冬希君の金魚が死んだ日』にまさかの行動に出る。『仲間がいると態度が大きくなる』

    物語はそんな五人のうち、智代以外に視点を切り替えながら展開していきます。そこに描かれていくのはまさしく”青春物語”です。学校内外でのさまざまな人間関係、親との関係、そして日都子のある人物との交流も描かれていきます。そんな中に一貫するのが、「ヒトリコ」になった日都子がとるスタンスです。

     『関わらなくてもいい人とは、関わらないようにしてるの』

    その孤高のスタンスは、いじめによって周囲から無視されているといった感覚とは一線を画すものがあります。それはある意味の清々しささえ感じさせるものです。「ヒトリコ」になった日都子は、自らこんな風にも感じています。

     『不思議と、日都子はヒトリコという称号が妙に誇らしく思えるのだ。みんなの輪というのが合唱のような形をいうのなら、自ら孤独を選択しようじゃないか。その姿は決して、愚かではないはずだ』。

    まさしく怖いものなしといった面持ちの中に中学、そして高校の”青春”を生きていく日都子。しかし、群れで生きる人間にとってそんな「ヒトリコ」のスタンスは周囲にも影響を及ぼしていきます。

     『あいつはヒトリコだ。誰とも溶け合わず、孤独を誇って、颯爽と去っていく』

    そして「ヒトリコ」となった日都子、高校生になった日都子の前にある人物が現れます。そして、その先に展開していく物語、”青春”の苦悩の先に清々しいまでの結末を見る物語。そこには、この作品を皮切りに数々の”青春物語”を生み出されていく額賀さんが向ける日都子への優しい眼差しを感じさせる物語がありました。

     『いつも一人でいるから、ヒトリコ』

    『いつも一人で誰とも関わろうとしない』という主人公の日都子が「ヒトリコ」になった先を描くこの作品。そこには、小学校、中学校、そして高等学校と大人への階段を上がっていく中にかけがえのない”青春”を生きていく登場人物たちの姿が描かれていました。「ヒトリコ」が見せる強さと弱さを垣間見るこの作品。学校生活のあんな場面こんな場面を鮮やかに描いていくこの作品。

    とても丁寧に、繊細な筆致で描かれていく物語の中に、デビュー作に込められた額賀さんの強い思いを感じた素晴らしい作品だと思いました。

  • いじめられてから後、一人でいる事を決めてそれを押しとおす。なかなか無い事と思う人もいるでしょうが、僕にはこの気持ち痛い程分かります。いじめの言葉や村八分の空気を全て無視し、実害があるような事が有れば徹底的に抗戦する。彼女とは違いますがそういう風に一人でいる事を主体的に選んだ時、最終的には自分の周りに出来るエアポケットのような孤独です。いじめというのは相手がやり返してこない事を前提にしているので、相手が弱くないと分かった時点で居ない物のように扱われます。気楽ではありますが、心がじくじく血を流すような寂しさがありました。
    このような本を書けるという事は額賀さんもあまり楽しくない青春を送って来たのでしょうか。なんとなく親近感。
    でもこの「ヒトリコ」ちゃん、絶対美少女でしょう。でないとこういう展開にならないですよね。もてもてじゃないっすか。
    すらっとして真っ黒なストレートヘア、多分色白なんでしょう。結局美形には勝てないぜ、けっ!とは思いますが彼女の選択は好きです。潔いし、多数に同調して弱いものを虐げる事に比べたらマイノリティーでいた方が100マシです。

  • 孤独キャラが上手いのかな、棘からの被害が絶妙

  • 小学生の頃に思いがけないことで、担任と級友から非難され仲間外れになった日都子。
    日都子は、それから小中学校で誰とも関らずヒトリコと呼ばれ、自らヒトリコとして生きるようになる。
    日都子の強さはこんな原因で悲しいのだが、美しくも思える。ピアノ教室のキュー婆ちゃんとの出会いがあって本当に良かった。
    星は4に近い3。

  • sg

    正直言って、感じは良くない。なのに星4つけてしまう感じ。

  • 心無い大人の言動が子供に及ぼす影響の大きさをリアルに感じたお話でした。自分に置き換えて心情を察するも孤高を貫く芯の強さは真似できようもなく、環境に見切りをつけて逃げだしていたに違いありません。文庫化にあたり追加された後日譚は必読の価値ありです。

  • 深作日都子
    生き物係。冬希が転校して一人で世話をする。

    大都嘉穂
    幼稚園から5年生の九月まで親友だった。

    山野智代
    同じ仲良しグループにいた。

    海老澤冬希
    小学六年の夏休み中に東京に転校した。高校で戻ってくる。


    冬希の母。

    キュー婆ちゃん
    苗字が給前。屋号が久兵衛。ピアノを教えている。

    堀越明仁
    中学三年の合唱委員。

    片岡美香子
    中学三年の合唱委員。

    君和田哲哉
    冬希友達。

    瀬尾佳乃
    文化祭実行委員長。

  • 表紙に一目惚れして買ってしまった作品

    心を閉ざした日都子が唯一心を開いたのはピアノを教えてくれるキュー婆ちゃん

    中学、高校で文化祭での合唱が大きなドラマとなる

    みずみずしく、素敵な青春物語でした

  • 合唱がでてきます。
    合唱は大好きで特に「心の瞳」には思い入れがあったので懐かしいなあと感じながら読みました。

    途中(額賀先生はもしかして合唱に恨みでもあるんじゃ…??)とかなり不穏な気持ちになりましたが最終的には合唱ってよいね、の空気に落ち着いたのでほっとしました。

    合唱に限らず、人から強制されてやるのと自分の意思で楽しくやるのとは景色が全く変わりますよね。
    (団体競技とかね)

    このお話は、額賀先生がとある本から受けた影響の入ったものだと聞いたので、なるほど~とつぶやきながら読みました。
    また新しい読書の仕方ができて楽しかったです。

  • 「関わらなくてもいい人とは関わらない」というポリシーを曲げることなく、独りでいることを進んで選択できるヒトリコは強く、たくましいと思った。
    ただ、1日の大半を過ごす学校で誰にも頼れない辛さは相当なもの。例え孤独が苦にならない人間だとしても、何かあったときに頼れる友人の1人は作るべきだと感じた。

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著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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