- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094065053
作品紹介・あらすじ
傷つき病んだ心を呼ぶ店――癒しの花物語
住宅街にひっそりとたたずむ「さくら花店」。レトロな雰囲気の小さなその店にやってくるのは、心に深い悩みを抱える客ばかり。それは植物たちが、傷ついた人の心を癒そうとして彼らを呼び寄せているからだ。
そんな不思議な花店を切り盛りするのは、植物の声を聞くことができる、店主の佐倉雪乃。悲しい人々を救おうとする植物の願いを受けて、その手助けをするのが雪乃の仕事だ。
今日もさくら花店には、暗い顔をした客がやってくる。
「旦那を殺したら罪になるんですかね…」
呟く女性の心を救いたいと言う可憐な花たちの横で、雪乃はそっと微笑む。
「あなたはここへ呼ばれてきました。花は病んだ人を呼ぶんです。あなたは花に癒されるために、ここへ来たんですよ――」
不思議な力を持つ雪乃を支えるのは、極度の人嫌いでぶっきらぼうな樹木医の夫、将吾郎。
風変わりな夫婦の日々と、植物にまつわる事件を描く、優しくて怖い花物語。
感想・レビュー・書評
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軽く読めた
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設定はありがちながら、雪乃が凄く個性的な事で独特な読み心地になってます。
人嫌いな夫との関係も変わっていて面白い。 -
さくら花店の店長の雪乃さんは、お花の話すことを聞くことができる奥様だったのです……という設定から、こんなヤンデレなお話が展開するなんて、だれが想像できたでしょう……というお話。宮野美嘉さんは、ほんとに、こころから、ヤンデレお好きなのね……と実感させていただきました。もうそれでいきましょう!少女小説のときみたいな、コメディももすこし上乗せされるともうちっと面白くなるかも。
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花の声を聞く花屋さんのお話
これだけを聞くとファンシーで和やかでほっこりしそうだけど、その花屋を訪れるのは病んだ人々で。
タイトルの毒物とは、人間のことなんだな…
店主が客のことを、ダイレクトに「病んでる」と言っているのがなんだか面白かった。
ダンナの態度がけっこうキツくてともすればDVでもしそうに見える危うさを読み初めは感じた
この店主の抱くような感覚、想いが
DVを許容してしまうんだろうなぁ…共通感覚として…
読了後はやはり、部屋で育てている植物の葉を撫でて、
キミも聞こえているのかい?なんて話しかけてしまったり
植物は可愛いですなぁ -
人の暗黒面を覗くヒヤッとする話ばかりで、花の持つホッとするような癒しのイメージではなかたけど、結果的には救いを与えてるって逆説的で面白い作りでした。ちょっと他にない切り口?続編も希望です。