さくら花店: 毒物図鑑 (小学館文庫 み 7-1 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 76
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065053

作品紹介・あらすじ

傷つき病んだ心を呼ぶ店――癒しの花物語

住宅街にひっそりとたたずむ「さくら花店」。レトロな雰囲気の小さなその店にやってくるのは、心に深い悩みを抱える客ばかり。それは植物たちが、傷ついた人の心を癒そうとして彼らを呼び寄せているからだ。
そんな不思議な花店を切り盛りするのは、植物の声を聞くことができる、店主の佐倉雪乃。悲しい人々を救おうとする植物の願いを受けて、その手助けをするのが雪乃の仕事だ。
今日もさくら花店には、暗い顔をした客がやってくる。
「旦那を殺したら罪になるんですかね…」
呟く女性の心を救いたいと言う可憐な花たちの横で、雪乃はそっと微笑む。
「あなたはここへ呼ばれてきました。花は病んだ人を呼ぶんです。あなたは花に癒されるために、ここへ来たんですよ――」
不思議な力を持つ雪乃を支えるのは、極度の人嫌いでぶっきらぼうな樹木医の夫、将吾郎。
風変わりな夫婦の日々と、植物にまつわる事件を描く、優しくて怖い花物語。

感想・レビュー・書評

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  • 【購入本】静かな住宅街にぽつんと建っている『さくら花店』。“花の声が聞こえる”店主、雪乃と“無愛想で人嫌い”な夫、将吾郎が織りなす日々の話。そんな2人の元には、今日も心に闇を抱えた客が訪れて──「あなたは、明日も友達が生きていることを信じて疑わないんですね」「私の世話する花たちは、全身全霊であなたを癒します」「世界の全てがあなたの敵に回っても、花だけはあなたの味方です」こんなに温かみを持つ言葉は他にあるだろうか。花だけでなく、周りの人にとってもそうでありたいと思う。

  • 『植物図鑑』のオマージュ…だろうか…

    さくさく読めたが、決してライトな感じではなかった。
    接客業としても、身につまされる言葉の数々。
    そして、私自身も花とはかなり縁がある人生を送っているので、ごろーさんと重ね合わせて考える人が身近にいたり…続編も読もうと思う。

  • 軽く読めた

  • 設定はありがちながら、雪乃が凄く個性的な事で独特な読み心地になってます。
    人嫌いな夫との関係も変わっていて面白い。

  • さくら花店の店長の雪乃さんは、お花の話すことを聞くことができる奥様だったのです……という設定から、こんなヤンデレなお話が展開するなんて、だれが想像できたでしょう……というお話。宮野美嘉さんは、ほんとに、こころから、ヤンデレお好きなのね……と実感させていただきました。もうそれでいきましょう!少女小説のときみたいな、コメディももすこし上乗せされるともうちっと面白くなるかも。

  • 花の声を聞く花屋さんのお話

    これだけを聞くとファンシーで和やかでほっこりしそうだけど、その花屋を訪れるのは病んだ人々で。

    タイトルの毒物とは、人間のことなんだな…

    店主が客のことを、ダイレクトに「病んでる」と言っているのがなんだか面白かった。
    ダンナの態度がけっこうキツくてともすればDVでもしそうに見える危うさを読み初めは感じた
    この店主の抱くような感覚、想いが
    DVを許容してしまうんだろうなぁ…共通感覚として…

    読了後はやはり、部屋で育てている植物の葉を撫でて、
    キミも聞こえているのかい?なんて話しかけてしまったり
    植物は可愛いですなぁ

  • 人の暗黒面を覗くヒヤッとする話ばかりで、花の持つホッとするような癒しのイメージではなかたけど、結果的には救いを与えてるって逆説的で面白い作りでした。ちょっと他にない切り口?続編も希望です。

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