上流階級 富久丸百貨店外商部 (小学館文庫) (小学館文庫 た 35-1)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 97
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094066616

作品紹介・あらすじ

ドラマ化ヒット小説、文庫2ヶ月連続刊行!

天下の富久丸百貨店芦屋川店で、外商員として働く鮫島静緒(37)。日本一の高級住宅街・芦屋に住む本物のセレブたちに、ロレックスの時計やダイヤの指輪を持参してお買い物をしていただくのが仕事だ。新人外商員の静緒に課されたノルマはなんと、月1500万円! 職場の正社員としては珍しく高卒からのたたきあげで働く静緒は、顧客の要望に応えるため、そしてマンネリ感満載の百貨店業界を立て直すため、前のバイト先・パティスリー「ローベルジュ」での人脈をフル活用して全力で奔走する。
静緒をパティスリーから引き抜いたカリスマ外商員・葉鳥士朗の勧めで、静緒は実家から芦屋の高級マンションに引っ越した。ところがそこには思わぬ同居人が。大嫌いな同僚の桝家修平(29)も、葉鳥の勧めでその部屋に住んでいたのだ。バツイチ独身の静緒だが、桝家は実は、セクシャリティの問題を抱えていて……。

竹内結子、斎藤工、草刈正雄ら豪華キャストでドラマ化もされた話題作。神戸在住、『トッカン―特別国税徴収官』『政略結婚』などヒット作を次々生み出す著者による究極のハイクラス・エンタメが待望の文庫化! 帯推薦文はデヴィ夫人。


【編集担当からのおすすめ情報】
特製表紙柄ポーチ&マスキングテープの特別プレゼント企画も!詳細は帯の内側、および小説丸ツイッターアカウント(@shosetsumaru)をご覧ください。

感想・レビュー・書評

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  • 面白い!
    外商さんなんて、普段は全くご縁がないので新鮮だったし、表現の仕方がすごく上手だった!
    すぐ続刊を買わないとダメですね、これは。

    主人公はかっこいいし、芯が通って真っ直ぐ生きているので好感がもてる。
    同僚くんは最初いけ好かない感じだったけど、可愛い一面もあり、良いコンビになりそう。

  • 『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の1』―百貨店の裏側で繰り広げられる、一人の女性の挑戦

    『上流階級 富久丸百貨店外商部 其の1』は、高殿円氏が描く百貨店外商部を舞台にした独特の世界への誘いです。物語の中心は、洋菓子部門での成功を経て外商部に配属されたバツイチ女性・鮫島静緒。彼女の前に広がるのは、日本一の高級住宅街・芦屋のセレブたちが織りなす、予測不可能なドラマの数々です。

    静緒のキャラクターは、読んでいると自然と天海祐希さんを思い浮かべてしまうほどの強さと魅力を持ち合わせています。ただ、このイメージは個人的な感想であり、実際に物語を読むことで、各人が異なるキャラクター像を思い描くことでしょう。驚いたことに、この作品が過去にドラマ化されていたことを後から知りましたが、それも納得の内容です。

    物語を通じて、外商という特殊な仕事の世界を垣間見ることができ、知らなかった百貨店の一面を知ることができます。特に、物を売る仕事の真髄に迫る静緒の奮闘は、読む者に多くのことを考えさせてくれます。

    販売という仕事の本質を、静緒の活動を通じて見ることができます。彼女が顧客の求める「体験」を提供しようと努める姿は、単に商品を売る以上の意味を持ちます。金額の多寡に関わらず、顧客に喜びや満足をもたらすことが、販売員としての真の成功であるという真理が、読者に強く響きます。

    この物語を読むことで、外商という職業が単なる物売りではなく、顧客との深い関係性を築き上げることがいかに重要かが理解できます。静緒が顧客と接する中で見せる、細やかな配慮や深い洞察力は、すべての販売員が目指すべき姿勢を示しています。

    大好きなシリーズの一つとなったこの作品は、次巻への期待を大いに膨らませてくれます。『上流階級 富久丸百貨店外商部』シリーズは、これからも読者の心を掴み続けること間違いなしです。顧客と真摯に向き合い、そのニーズを満たそうとする静緒の情熱は、多くの読者にとって大きな魅力となるはずです。仕事に情熱を注ぐすべての人におすすめの一冊です。

  • 神戸の老舗百貨店で働く女性外商員・鮫島静緒を描いたお仕事系小説。たくさんお金持ちが出てくるが、やはり芦屋のセレブは桁が違う。主人公が失敗しながら成長していく、読後感の良い話である。

  • 老舗百貨店の外商部を取り上げた小説。もともと『和菓子のアン』シリーズなど、百貨店が舞台の小説はわくわくしたが、外商部という馴染みのない世界を知ることができ、面白かった。仕事を全力で頑張る主人公が中心だが、お客さん(富裕層)とその家族、主人公の周りの人々(外商部や百貨店の上司や同僚、専門学校時代の人脈)など、様々な人たちの思いや人間模様が描かれている。全3巻のうちの、第1巻だけでも大分読み応えがあった。この先どのような展開になるのかあまり想像がつかないが、個人的には主人公の憧れの紳士である「葉鳥さん」についてもっと知りたいと思った。

  • なんとも懐かしいの一言。ずっとお世話になっていた百貨店が、それもこの京阪神が舞台。名前は変えてあるが、大丸で芦屋店で、京阪百貨店、高槻店、まあのお店とわかるようにしてある。外商催事であったり、朝の立礼、デパ地下の食料品の出店など、まさに目のあたりにしていたことばかり。

    呉服から紳士服へ、そして婦人服から食品売り場へと、百貨店での主役、花形もどんどん変遷してきましたが、外商というのは百貨店の底力で。

    この上流階級も続編もありそうなので、しばらく時間を置いて読むことにしましょうか。

  • 面白かった〜
    知られざる(?)外商の世界の話。

    とはいえ、外商のことも、少しずつ知られてきたよね。
    富裕層向けの仕事。百貨店の一部門ではあるのだけど、店舗にいるのではなく、顧客の自宅へ出向いていく。

    ごほうびと言う言葉は知らなかった。
    ご褒美ではない。呉服・宝飾・美術品、その頭文字をとってごほうび。
    このごほうびをサラッと買ってしまうのが、外商の商売相手。金額のスケールが違う。

    百貨店は女の世界。一方で外商は男の世界。(と言われてきた)
    そんな外商の世界で奮闘するのは女主人公。
    とってもフィクションなんだけど、コミカルすぎずシリアスすぎず。ちょうどいい塩梅。
    これ、シリーズものなんだね。とても読みやすく、スッと心に入ってくるから、いくらでも読めてしまいそう。

    大変楽しく読めた。
    作者の名前に見覚えがあったけど、トッカンの筆者なんだね。税務のことだけではなく、外商の世界まで描いてしまう。
    この作者の他の本も、ぜひ読んでみたいと思わされた。

  • 私自身は百貨店には縁遠く馴染みがないけれど、この本を読んでとても素敵な場所だと感じた。
    主人公の静緒は仕事に一生懸命でハキハキしていてとても好感が持てる。
    女性が好きな女性だなぁと思う。
    そんな彼女が外商として頑張る姿はとても応援したくなる。
    他のキャラも個性的で面白い。
    まだまだ主人公の活躍が見たいので、続刊を読むのが楽しみ!

  • 続編を読んでから戻ってきた。

    静緖の頭と体力と人脈を駆使し、たくましく仕事に邁進する姿が力強くて好き。
    バツイチで恋愛に向かないと自称しているが、それは怠慢だと乙女な同僚に言われてしまうのも、等身大な感じがして好き。

    竹内結子さん、ぴったりだったなぁ。
    身長や一重など原作の静緖とは違うところはあるが、意志が強くて頑固で時に強引だが結果を出す美人、というのがぴったりだと思う。

    上流階級の人は確かに存在するのだろう。
    私のような庶民の感覚ではぎょっとするくらい違う世界の人。
    平均年収が減っただの、働き方改革だの、老後の2000万円をどう工面するかなどとは無縁の人。

    おとぎ話のお姫様達は王子様と結婚、めでたしめでたしだけど
    世界が違いすぎて上流の言葉遣いができないはず。どのくらい時間を掛けて淑女になるのかというくだりがあったが、なるほどと思う。
    意外と夫婦としてはうまく機能しないのかもしれない。

    単なる外商さんの話ではなく、静緖の仕事への向き合い方や、マイノリティとしての苦悩など深くて考えさせられた。

  • 装丁やタイトルから
    軽い感じなのかな〜と
    あまり期待はしていなかったのですが

    あっという間に 一気読み。

    いや〜面白かった!

    もともと 自分自身が
    会社員ということもあって

    "組織で働く"ことの
    悲哀や息苦しさ・意義といったテーマが
    大好きなのですが、

    老舗百貨店初の女性外商員となった
    主人公の女性・静緖(しずお)の奮闘ぶりに

    いつの間にか
    心からのエールを送っていました。

    彼女が 顧客として抱える
    『上流階級』。

    上流階級の人々は

    いったい どのような
    暮らしをしていて
    何を好み
    どんなことを考えているのか

    高卒からの叩き上げ
    バツイチ独身の静緖の目を通して
    描かれていて

    その辺りも 痛快です。

    主人公の静緖が
    仕事の成果と 顧客の満足のバランスに
    悩みながらも

    逃げずに 様々なアイデアを出したり
    専門外のことまで勉強したり
    成功したり 失敗したり

    普段ほとんど接点のない
    外商って こんなにも
    奥の深い仕事なんだなーと。

  • 今の気分にピッタリのエンタメ小説だった。ベタな展開が多いのはわかってるんだけどイチイチ言葉にされると泣けてくる。続編あるなら読みたい。

    • araraさん
      ありますよー続編。ぜひ!
      ありますよー続編。ぜひ!
      2020/12/18
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著者プロフィール

1976年兵庫県生まれ。2000年『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。主な著作に「トッカン」シリーズ、「上流階級 富久丸百貨店外商部」シリーズ、『メサイア 警備局特別公安五係』、『シャーリー・ホームズと緋色の憂鬱』、『マル合の下僕』、「カーリー」シリーズ、『剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎』、『主君 井伊の赤鬼・直政伝』(文藝春秋)など。2013年『カミングアウト』で第1回エキナカ書店大賞を受賞。漫画原作も多数。

「2023年 『忘らるる物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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