- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094067316
作品紹介・あらすじ
稀代の医療革命者の決定版評伝
徳洲会は巨大で不思議な病院グループである。病院数71、職員3万3340人、年商は4600億円に上る(2019年3月現在)。かくも巨大な病院グループを、徳田虎雄はいかにしてつくりあげたのか。それは「たった一人の反乱」から始まった。高度経済成長のまっただなか、大都市圏でも夜間の救急患者を受け入れる病院は極めて少なかった。徳田は、そこに単身乗り込み、年中無休、24時間誰でも診ると宣言。「日本中に病院を建てる」とぶち上げた。患者を奪われると恐れた医師会と戦い、政界に飛び込む。すべての既得権益者が敵だった。徳田は、医局支配の「白い巨塔」を飛び出した医師たちや「七人衆」と呼ばれた側近たちと「生命を救うためなら人殺し以外なんでやる!」と突き進む。選挙違反に内紛、ナンバーツーの処断、資金繰りと外資との相克、そしてALSという大病。次々と襲う困難に「トッパもん」は立ち向かう。医療革命の先に「神」の座を欲した男の軌跡を描いた決定版評伝。
感想・レビュー・書評
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徳田の生涯が目まぐるしくて、なんというか忙しくて休む暇もない大変な人生だなーと思った。自分はのんびりやなので、読んでいると疲れてしまう気さえする。
命だけは平等だたいう理想論と権力に固執する俗物さがまた多面的で面白かった。徳田の中では両者は分かち難く結びついているのだろう。
島で生まれた人ならではのコンプレックスに裏打ちされた負けん気のようなものはとてもよくわかる。自分もそう田舎のバカ高校の出身なので。その辺はすごく共感した。
著者の徳田に対する公平な視線も気持ちいい。類書は著者が徳田シンパみたいになってしまっているのでしんどい。徳田の横暴さが部下への暴力行為として発露してしまうような部分を笑いや美談にせずに欠点としてきちんと書いているところなどすごく偉いと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
私の身内にも徳洲会病院のお世話になったこともあり、興味深く読ませてもらいました。