鴨川食堂もてなし (小学館文庫 か 38-8)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067767

作品紹介・あらすじ

ドラマ化された美味しいミステリー最新作!

京都にある看板のない食堂には、思い出の料理を捜し求め、悩める人々が数多く訪れる。食堂の主人・鴨川流と娘のこいしが、今回も温もりあふれる接客と料理でもてなします。
第一話 ビフテキ……認知症の父が交わした約束
第二話 春巻……身勝手で淡い思い出
第三話 チキンライス……おばちゃんに謝りたい
第四話 五目焼きそば……あの頃に戻れたら
第五話 ハムカツ……料理人の原点
第六話 ちらし寿し……親の心子知らず
第7巻となる今作では、流と深い関わりのある
“あの人”との過去も明らかに!?
ますますボリュームアップした料理の数々に癒やされてください。


【編集担当からのおすすめ情報】
“思い出の味、探します”
連続ドラマ化され大好評を博した
「鴨川食堂」シリーズ最新作!
心もお腹も、温まります。

感想・レビュー・書評

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  • 「鴨川食堂」シリーズ第7弾。
    食堂担当のお父ちゃん・鴨川流と、探偵事務所担当の娘・鴨川こいしが、食の謎を解いてくれる。
    ただし、こいしは話を聞くのが仕事、捜査は元刑事のお父ちゃんである。

    すっかりお馴染になったので、自分も鴨川父娘と一緒に、今度はどんなお客さんだろう、と待ってしまう。
    というか、京都駅あたりから憑依して、いっしょに食堂まで付いて行くのである。
    今回は、今までにも増して深いお話が多かった。
    まず、「食捜します――鴨川食堂――」の広告を載せてもらっている雑誌「料理春秋」の編集長・大道寺茜さんが、お父さんを連れて登場したことに驚いた。

    思い出の中に埋もれてしまった食が、依頼人の心の中であるべき位置に納まる…というお話も多いが、今回は、「まだやり直せる」「ここから未来に向える」という例が多かった。
    しかし、取り返しのつかないこと、と悲しみを深めてしまうことも…
    そんな人たちに語りかける流の言葉が限りなく優しい。

    第一話 ビフテキ
    元教育者だった父も、8年前に妻を亡くしてから徐々に恍惚の人となる。
    食に興味を失って行くが、ある日野球中継を見ながら「うまいテキが食べたいな」
    在りし日の母と、父が金婚式に向けて交わした約束は、本当?

    第二話 春巻
    臆病な癖に自尊心が強い、ちょっとイラッとする男、65歳。
    そんな性格が災いして、初恋の人とは別人と結婚した。
    幼なじみの家に遊びに行くたび、お母さんが出してくれたおやつとは。

    第三話 チキンライス
    行きつけの食堂のおばちゃんが、あんな男とは別れなさい、と出してきたチキンライスは、良く知るケチャップライスではなかった。
    15年かけて、やっと人生をリセットする。

    第四話 五目焼きそば
    一度だけ夫の主張に逆らって、食べたい店に入った。
    運命の分かれ目だったのではないかと、そうではないのに悔み続けてきた。
    辛い話だけれど、一番心に沁みた。

    第五話 ハムカツ
    料理のあり方に悩む、ふたつ星シェフ。
    料理人ならでは、他のお客さんたちとは流の料理に対する目の付けどころが全く違っていて面白い。

    第六話 ちらし寿し
    結婚を前にした、こいしと同年代の女性。
    2人暮らしの、あの日の父の気持ちを測りかね…
    毎回食捜し終了後、亡き母の仏壇に報告する親子だが、今回は、依頼者と同じ父と娘二人暮らしということもあって、この先どうだろうな~、と読者は要らぬ心配もする。
    まだこのまま続けてほしい。

  • 鴨川食堂第7弾!続いているなぁ。こいしちゃんの将来とか気になるけど、この物話が続いていってほしい気もする。
    いよいよ大道寺さんも鴨川食堂のお世話に?お父様の病気が思い出の味で一瞬クリアに?思い出はいいものもあれば後悔もある。人の一面だけで判断してはいけないか、依頼人から学べる流さんはえらいな。

  • シリーズ第7弾。
    たまには探偵業の場面も見せてほしい気もするけれど、これはずっとこの感じで行くんだろうな。
    またドラマでも観たくなるけれど、なかなか別なキャスティングというのも難しいかな。
    [図書館·初読·9月14日読了]

  • 今回の作品は誰もかなり好きだったなぁ。食べたくなったのは小樽の五目焼きそば。いつも料理に合わせるお酒にも興味はあるんだけど初めてメモった「伊根満開」飲みたい…!!

  • STORY BOX2019年11月号:ビフテキ、2020年1月号:五目焼きそば、3月号:春巻、小学館Web小説丸38話:チキンライス、40話:ハムカツ、書き下ろし:ちらし寿司、発表の6つの連作短編を2020年6月小学館文庫刊。書き下ろし。シリーズ7作目。鴨川流さんとこいしちゃん(あらためて考えるとおかしな名前だ)の親子探偵コンビのスタイルも確立していて、6編全てが、楽しく興味深く、まとまっているのが良い。次作も楽しみです。

  • いつもと変わらない、そこがいい。

  • 気がつけばシリーズ第7弾

    いつ読んでもおまかせで出してくれるお料理がおいしそう。
    今回は、料理探し半分、食べたことのない料理を何故その人が食べ誘うとしたのか…、また、料理にまつわる人探しも割合を占めていた気がする。
    茜さんが、想像していた人物と全く違っていてびっくり。

  • まず表紙を見て「こ、こいしちゃんの目がっ!」と驚く(@_@)そして食事の前に食捜しの話をしたり、こいしちゃんが流さんの食捜しに同行したり等々…いつものパターンと微妙に違う(-_-;)これは何かの前触れなのか?気になる~(゜゜;)でも最後に私の好物のばら寿司と笹寿司が登場して、嬉しくて気になっていた事を全部忘れた( ̄▽ ̄;)もう今はどうやって寿司を手に入れるかしか考えていない(*゜Q゜*)

  • シリーズ第七作。面白い。今回は、ひるねの出番が少なかった。美味しい料理とともに各話にアルコールが出てくるが、今回気になったのは、シャトー酒折のワイン『甲州ドライ』と、古代米の酒『伊根満開』。

  • (2021/5/28読了・第7弾まで)
    第5弾:はんなり、第6弾:まんぷく、第7段:もてなし、三冊続けてよんだ。
    前作までももちろん既読済み。
    定型に二冊目あたりで少し胸焼け。(登場するお料理には胸焼けしないけど)
    小路幸也さんの東京バンドワゴンも然り。
    これは水戸黄門パターンだと気が付いたら、胸焼けは治った。
    最終話に伊根満開が登場!知っているお酒が出てきて、初めてテンションが上がった。
    何やかんやと言いつつ、次作が出たらきっと読むんだろうな〜

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著者プロフィール



「2023年 『歩いて愉しむ京都の名所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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