廃妃は再び玉座に昇る 耀帝後宮異史 (小学館文庫 C は 1-1 キャラブン!)

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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067941

作品紹介・あらすじ

血染めの廃妃、後宮に帰還す――

「おまえを廃位する。しかるのち、極刑に処す」

花婿である皇帝、司馬雪峰から突きつけられた言葉は、幸せな結婚を夢見ていた劉美凰の心を容赦なく引き裂いた。残虐非道な稀代の悪女と呼ばれる凶后の姪で、その寵愛をほしいままにしていたがゆえに、美凰は婚礼の夜に起きた政変で断罪され、天下万民の怨敵として刑場に引っ立てられた。

そして十年の歳月が流れ、雪峰の崩御後に皇帝となった司馬天凱は、廃妃劉氏――美凰が幽閉されている離宮を訪ねる。都で猛威をふるう鬼病を鎮めるため、彼女の身に宿る奇しき力が必要になったからだ。幼き頃、姉弟のように過ごした二人はふたたび邂逅し、美凰はいまだ怨憎が煮えたつ禁城に舞い戻る。こたびは紅の面紗をかぶった天子の花嫁ではなく、白き喪服をまとった、皇太后として――。



【編集担当からのおすすめ情報】
イラスト/夏目レモン

感想・レビュー・書評

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  • 意外にスプラッタでしたねぇ。
    無知だったことが罪だとして、裁かれた公妃が後宮に戻るというのは、割とテンプレ。
    続きがありそうなので、次巻に期待。

  • 初っ端からもう、読むのが苦しかった。
    これって若い世代の子達が読むモノ?
    だとしたら、これって、どれくらい受け入れられるんだろうな・・・と思った。けっこうエグい。
    先の帝の所業は常軌を逸してた。

    最後の最後に凶后の存在が明らかに。
    きっと彼女は、姪を自分の器にすることを企んでいたんだろうな。だから、天凱が封印を解いた時が危ないんじゃないかな。その隙に凶后が器を奪い取ってしまうんじゃないかって。
    続きがありそうだったけど、正直、続きは出て欲しくないと思った。美鳳に背負わされた重荷が、苛酷・・・苛烈過ぎる。仮に美鳳と天凱が想い合ったとしても。天凱は美鳳を殺めなくてはならない。辛いなぁ。
    それに、凶后のことがあるから、どう考えても、この先が明るいものと思えない。少しでも救いがあれば良いけれど、そこまで行くのに、どれだけ美鳳は苦しみ傷つくのだろうか。絶対、読むのが辛い。胸が痛い。

    この作者の作品は初だったのだけれど。
    とにかく、人名から何から全てが難しいし、正直、ルビがないと読めないまま先へ進んでたな(苦笑)
    欧米作品のカタカナ名前なんかも取っつきにくいけど、こっち系の方が頭がついていかないんだなと、自分の頭の老化を実感した(爆)

  • 美鳳の運命が過酷。無知の罪はもう十分に裁かれ償われたと思うけど、恨みが消えない人の気持ちも分かる。でもやっぱり美鳳が少しでも救われて欲しいと思います。

  • お名前やら何やらが難しくて、最初は慣れるのに時間がかかる……。そして、意外にグロいと言うか、エグい。
    これで一応の終わりではあるけど、次はあるのかな。

  • サクッとしたライトノベルのような感じかと思って読むと、そのどんよりとした重さに押しつぶされる。

    無知は罪、という面は確かにあるとは思う。知らないとはいえ、美凰は長い間人々の血と命の上に成り立った贅沢な衣食住を享受していたのには違いないのだし。
    でもだからと言って、死ねない体を持った彼女を何度も何度も執拗に処刑するというのはあまりに惨い。
    痛みと苦しみに泣き叫ぶだけで、彼女は死ぬことさえできない。死という終わりがないからこそ、その拷問は永遠に続く地獄であり絶望だった。

    人々の凶后への憎しみが姪に転嫁されているという状況もわかるし、よくわからない術を使う者への本能的な恐れもあるんだろうとは思う。それでも美凰への仕打ちは常軌を逸している。

    「だれかがあなたの苦しみを癒し…」と言う天凱には、そこは「だれか」じゃなく「俺が」と言って欲しいところだったけど。そう言いきる資格が自分にはないと思ってるんだろうな。
    美凰には救いのある未来が来て欲しいけど、憎悪に晒された世界で生きる彼女の歩む道の先は暗い。
    天凱には、彼女を少しでも光のある未来に引っ張りあげていって欲しい。

  • Tさんのおすすめ。

    ファンタジーにしては、
    冒頭からかなりバイオレンスで驚いた。

    先帝の皇后にして、廃妃の姪、特殊な力を持ち、鬼道を操り、
    そして、不死の身体をもつ美凰。
    今の帝であり、一度は美凰の許婚となりかけた天凱に頼まれ、
    都に流行る奇病を払うため、隠遁の身から皇宮へ戻る。

    原因不明の伝染病が流行るところまではありがちな話だと思っていたが、
    繁華街に出かけた人が罹患するところや、
    病気が変化していくところが、
    今の現実の世の中と同じでこちらも驚いた。

    登場人物の多さ、過去の複雑さ、盛りだくさんの設定にしては、
    ちょっと短すぎるかな。
    次の作品で詳細が知りたい。

  • 用語が難しくて慣れるまでに少し時間がかかった。
    帝の持つ力はなんとなくわかるが、美鳳の力が何なのかまだ把握していないので読み返す必要があるかもしれない。

    無知が罪なことはわかる。
    美鳳が享受してきた贅沢な暮らしが叔母である前后の悪逆のおかげで成り立っていたこを知らずに幸せに育ち、民の怨嗟が一族全てに降りかかることも理解できる。
    それでも美鳳の受けた処罰が痛々しく、これだけいろいろな人に憎まれているのに幸せな結末が訪れるとは想像しにくい。

    叔母の凶后はなぜあんなにも美鳳を可愛がっていたのか最初は疑問だったが、もしかしたら自分の器にするためだったのかもしれない。
    本人は目覚めていなくても、強大な力を宿していたのは感じていて、今の器がだめになったら若く美しく力のある姪の身体を乗っ取ろうとしていたのかも。
    そして続編を期待させる終わり方だった。

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