- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094068085
作品紹介・あらすじ
三億円の遺産がかかった失踪事件を追う!
さいたま市の古い荒ら屋で、老婆が亡くなった。中原トミ、九十七歳。夫に先立たれて三十年、一人でつましく暮らしていたトミには三億円の遺産があった。
相続人は三人の孫たち。しかし、「三男の子の薫にすべての遺産を与える」と書かれた遺言書が見つかった。薫は就職して二年目に失踪しており、二人の孫は遺産を得ようと、薫の失踪宣告を申し立てる。
さいたま家庭裁判所の家事調査官・加賀美聡子は、薫が生死不明になった時期を特定するため、彼の消息を調べ始める。その中で浮かび上がってきたのは、幼少時から児童養護施設で育ち、母親の咲江に歪な形で支配されてきた、薫の壮絶な人生だった――
一方、東京家裁の離婚調停で”替え玉事件”が発生する。愛人の子を妊娠した妻が出頭させたのは”偽物の夫”だった。
欲にまみれた人々の争いの渦中に身を置きながら、調査を進めていく聡子が辿り着いた衝撃の真実とは。
『誤算』で注目を集めた稀代のストーリーテラーが放つ、緊迫のクライム・サスペンス。
【編集担当からのおすすめ情報】
元家裁調査官として長いキャリアをもつ著者だからこそ書けた、臨場感あふれる一冊です。
感想・レビュー・書評
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家裁調査官が主人公のお仕事小説ともいえる”クライムサスペンス”。
主人公は、加賀美聡子。裁判官同様に数十件の案件を抱えており、今回メインとなるのが、失踪宣告の申請を調査する事案。
一人暮らしの老婆が亡くなり遺産が3億円。3人の息子はすでに亡くなっており、相続人は3人の孫。しかし、その一人薫が行方不明で、彼に遺産を遺贈するという遺言書が見つかったことから、他の孫が失踪宣告を申請する。
さいたま家裁の調査官加賀美聡子が薫の消息を追う。彼の悲惨な子供時代を調べ上げ、養護施設から勤め先へと辿り着くが、そこからの行方がようとして掴めない。
やがて、弁護士の協力を得てようやく彼を発見。
その結果の意外な事実と、さらに弁護士が・・・
欲にまみれた相続人や薫の得る遺産を当てにする母親を始め、不倫や子供の親権を争う別居中の夫婦等々、様々な人間模様が描き出される小説。
家裁調査官シリーズとしての続編が待たれる。 -
読んだことのない方で題材に惹かれて読んでみました。全体に展開が遅めで、そのわりに深みに欠ける描写でした。終盤の筋も分かりやすく、安物ドラマみたいでした。題材は良さそうだっただけに残念。
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すぐ忘れちゃいそう。
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11月-29。3.0点。
女性家裁調査官が主人公。老婆が孤独死するが、相続人は孫名。しかし、うち一人は行方不明。その後、老婆の家から行方不明の孫に遺産を全額相続するとのメモが出て。
読みやすい。行方不明の孫の意外な事実などあり、結構面白い。
但し真犯人については、既に前半から「怪しい」と分かってしまった。 -
家裁の調査官が主人公。離婚調停と遺産相続者の失踪宣告に奔走しているうちに、事件性に気付く。少し冗長な気がするが、終わり方の裏切りが半端ない。